2015.10.21

《サッカー界のなぜ?》世界最高選手の称号“バロンドール”はどうやって決まる?

C・ロナウド
2014年はC・ロナウドがバロンドールに輝いた [写真]=Getty Images
サッカー総合情報サイト

 FIFA(国際サッカー連盟)は20日、FIFAバロンドールの候補者23名を発表した。

 今月初旬には、候補者59名のなかに、レスターに所属する日本代表FW岡崎慎司の名前が含まれていたことがスペイン紙『ムンド・デポルティーボ』で報じられ、大きな話題を呼んだことも記憶に新しい。では、実際に“バロンドーラー”はどうやって決まるのだろうか?

 その前にまず、FIFAバロンドールの概要をおさらいしておこう。

 FIFAバロンドールとは、国際サッカー連盟(FIFA)が選出する世界年間最優秀選手賞のことを指す。要するに、この賞に輝いた選手が「サッカー界におけるその年のベストプレーヤー」ということだ。

 2009年まで、サッカー界の主要な個人賞には、FIFAが選出する「FIFA最優秀選手賞」と、フランスのサッカー専門誌『フランス・フットボール』が選出する「バロンドール」が存在していた。だが、2010年に2つの賞を統合する形で、「FIFAバロンドール」が誕生し、今に至っている。“バロンドール”は、フランス語で「黄金のボール」を意味し、受賞者にはサッカーボールをかたどった黄金のトロフィーが授与される。

 また、受賞対象者は、全世界中で競技するサッカー選手となる。1994年まで、つまり『フランス・フットボール』誌が単独で主催していた頃は、ヨーロッパ各国の記者投票によって、ヨーロッパでプレーするヨーロッパ出身の選手だけが賞を受け取るシステムだった。だが、1995年からは、国籍に関係なくヨーロッパでプレーしている全選手が対象となり、2007年以降は全世界でプレーする選手にまで対象者が広がった。そして、2010年の「FIFAバロンドール」誕生後は、投票権を持つのも、ヨーロッパ各国の記者だけでなく、各国代表チームの監督と主将及び、サッカー記者まで幅広くなった。ただし、これまでヨーロッパ以外でプレーする選手がバロンドールを受賞したことはない。

 では、候補者23名は、いったい誰が選んでいるのだろうか?

 候補者の選考は、FIFAの委員会「フットボール・コミッティ」が、『フランス・フットボール』誌に協力を得る形で行われている。同委員会のチェアマンを務めるのは、UEFA(欧州サッカー連盟)のミシェル・プラティニ会長だ。

 そして、そのメンバーが豪華すぎる。ジョージ・ウェア(リベリア)、クリスティアン・カランブー(フランス)、カルロス・ビラルド(アルゼンチン)、ホセ・ルイス・チラベルト(パラグアイ)、デメトリオ・アルベルティーニ(イタリア)、ハリー・キューウェル(オーストラリア)など、かつての名選手たちをはじめとして、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長やバイエルンのカール・ハインツ・ルンメニゲCEOなど、現職のクラブ関係者の名前が並ぶ。さらに、バイエルンの名誉会長を務めるフランツ・ベッケンバウアー氏と、“サッカーの王様”ことブラジルのペレ氏も、「スペシャル・アドバイザー」として名を連ねている。なお、そうそうたる顔ぶれのなかに、現日本サッカー副会長の田嶋幸三氏の名前があることも忘れてはならない。

 そんな彼らが選んだ候補者23名に対し、いよいよ投票が行われることになるが、投票権を持つ者は、1位・5ポイント、2位・3ポイント、3位・1ポイントとして3人を選ぶことになる。ただし、公平を期すため、自分が所属している代表チームと同じ国籍の選手へ票を投じることはできない。また、オンラインでの投票に加えて、署名された文書の提出も必要になる。2014年度の投票では、北アイルランド代表サッカー協会が、文書を締め切りまでに送らなかったため、監督と主将が無効になったことが後に明らかとなり、話題を呼んだ。

 そうして集まった票が集計されると、合計ポイントの上位3名が最終候補者として発表され、年明けの授賞式で晴れて“バロンドーラー”がお披露目されることになる。今年の授賞式は、1月11日、スイスのチューリッヒで開催される。

 ところで、バロンドールと言えば、「単なる人気投票ではないか?」という批判が絶えない。実際、2009年以来、同賞を獲得したのは、レアル・マドリードのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドとバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの2人だけという、独占状態が続いている。

 その要因としては、やはり投票権が、世界中の監督や選手らにまで広がったことが考えられるだろう。かつて『フランス・フットボール』誌だけで投票が行われていた際には、明確な基準のもと、なるべく客観性を保った形で選考が行われていたという。しかし、現在は世界規模で行われるイベントとなり、基準がないまま、個人の好みだけで投票が行われているのが実情だ。

 冷静に考えてみれば、ヨーロッパを活躍の舞台としない監督や選手にとっては、候補者23名の実力を肌で感じ取ったわけではないため、見た目の印象やタイトル、ゴール数という明確な結果を頼りに投票するしかない。すると、守備的な選手よりも攻撃的な選手、地味な選手よりもメディア受けする選手が受賞する確率が必然的に高くなるのだ。

 ちなみに、ブックメーカー各社の予想によれば、今回のFIFAバロンドールは、リオネル・メッシの受賞が最有力だという。昨シーズン、バルセロナの欧州3冠達成の立役者となったのが、一番の理由だ。おそらく多くの異論は出ないだろうが、代わり映えしないのもまた事実。“最優秀”や“MVP”を選ぶ作業がいかに難しいかは、サッカー界に問わず共通することだが、その価値が損なわれないように、選ぶ側も選ばれる側にとっても満足できる選考方法を検討することも今後は求められるかもしれない。

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