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新・黄金時代へのマイルストーンとできるか…鹿島が果敢にナビスコ制覇を狙う

2015.10.30

ナビスコ杯決勝の会見に臨んだ鹿島MF柴崎岳(左)とMF遠藤保仁(右)

 翌日にヤマザキナビスコカップ決勝を控えた鹿島アントラーズガンバ大阪が30日、試合会場となる埼玉スタジアム2002で前日練習を実施。ここまでJリーグ史上最多となる国内16冠を達成し、同大会でも最多5度の優勝を誇る鹿島の石井正忠監督は、「歴史のある大会の決勝に臨めることをうれしい。前日練習で埼玉スタジアムのピッチに立って、大勢のファンの前で最高の舞台で戦えることを思うと、少しずつ緊張感が増してきた。攻守にバランスの取れたG大阪に対して、受けずに臨みたい」とアグレッシブな姿勢で向かうことを明らかにした。

 今季半ばに指揮官に就任した石井監督にとって、タイトルを懸けた大一番は初めて。記者会見では少し緊張した面持ちだったようにも見受けられたが、就任後にしっかりとチームを立て直し、セカンドステージで優勝争いをするまでに引き上げた手腕は確かなもの。球際の強さや素早い攻守の切り替え、一丸となって戦うスタイルを徹底し、チームに“鹿島らしさ”を取り戻させた。かつて黄金時代の守備陣を支えた指揮官だからこそ、歴史と伝統の重みを実感しているのだろう。壇上では「5度も優勝しているヤマザキナビスコカップは、チームにとっても非常に重要な大会。選手が入れ替わる中で積み重ねてきた重みがある。6つ目のタイトルを取ることが必要。このメンバーで戦った成果になるし、選手たちの自信にもなる。今年はすでに天皇杯を逃してしまっているので、ここで勝って今までやってきたことの成果を出して、リーグ戦残り2試合に弾みをつけたい」と意気込みを語った。

 現在、鹿島はセカンドステージは首位のサンフレッチェ広島と勝ち点3差の2位。年間順位でのチャンピオンシップ出場の可能性が絶たれていることもあり、何としてもステージ優勝を成し遂げ、年間王者への道を切り拓きたいところ。昨季のG大阪がそうだったように、ヤマザキナビスコカップ制覇をきっかけにワンランク上のステージに駆け上がりたいと考えているはずだ。クラブとしては2011年、2012年にヤマザキナビスコカップを連覇して以降、3シーズンにわたってタイトルから遠ざかっており、“常勝軍団”と称される鹿島としては不本意な状況が続いている。

 同じく記者会見に出席した柴崎岳は、「鹿島は世代交代を進めている中で、タイトルをなかなか取れない状況にあった。今は大半の選手が優勝を経験していない。タイトルを取ることで、そういった選手が自信を持てる大会になる」と話しており、多くのタイトルを獲得してきた鹿島にとって、この決勝が新しい一歩を踏み出すための重要な一戦となる。もちろん石井監督にとっては指揮官として初のタイトル。これから“新時代”を築き上げていくために、このファイナルを制することができるかが大きなターニングポイントになるのは間違いない。「自分たちの力を出し切れれば勝てる」と断言した石井監督。果たして伝統を知る指揮官に率いられた“新生アントラーズ”は、このファイナルを新たな黄金時代に向けたマイルストーンとできるのか。

 鹿島とG大阪が激突するヤマザキナビスコカップ決勝は、31日(土)13時05分キックオフ予定。試合は全国フジテレビ系列にて生中継される。

文=青山知雄

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