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新エース候補・宇佐美、自らのゴールで日本を勝利へ導くことができるか

2015.08.08

宇佐美は中国戦で点取り屋としての意地を見せられるか [写真]=兼子愼一郎

文=元川悦子

 8月1日から始まったEAFF東アジアカップ2015(武漢)も9日が最終日。今大会いまだ未勝利のヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は中国とラストマッチを戦う。中国はここまで1勝1敗の勝ち点3でタイトルを狙える位置にいる。ホスト国の意地とプライドに賭けて日本に勝ちに来るだろう。しかし日本も勝ち星に見放されたまま帰国するわけにはいかない。指揮官もチームを今一度鼓舞するため、試合会場の武漢スポーツセンター・サブグランドでの前日練習を非公開練習にして最終調整を行ったほどだ。

 その姿勢通り、勝利に強く固執するのなら、現状のベスト布陣を揃えるのが普通。西川周作浦和レッズ)、森重真人FC東京)、槙野智章(浦和)、山口蛍セレッソ大阪)ら実績ある面々を並べるのがノーマルだろう。けれども指揮官は「明日はまた新しい選手がプレーすると思う」と8日の練習後に発言。ここまでピッチに立つ機会を与えていないGK東口順昭やDF丹羽大輝米倉恒貴(いずれもガンバ大阪)や水本裕貴サンフレッチェ広島)、MF米本拓司FC東京)らを送り出すことも大いに考えられる。

 FW陣もスタメン予想は非常に難しいが、北朝鮮戦で後半途中交代、韓国戦で終盤のみの出場とプレー時間が限られている宇佐美貴史(G大阪)が先発で送り出される可能性はかなり高い。

「初戦からだいぶ時間ももらってますし、こないだの試合も10分くらいしか出なかったので、疲労度は確実にリカバーできていると思うし、フィジカル的にもよくなっていっていると思います。試合が6〜7試合くらい続いていて、その時に比べればすごく体的にもラクですし、筋肉のストレスもあまりないうので、いい感じでやれるとは思いますけど」と本人も疲労回復に自信を見せていた。

 こうした疲れが影響したのか、ここ2試合の宇佐美はシュート数も仕掛けの回数も想像以上に少なかった。前線に並んだメンバーはプレー経験があまり多くない面々で、同じクラブの倉田秋との競演もわずか9分間。両サイドという絡みにくい位置だったため、コンビプレーを出す機会もほぼなかった。そういう意味で本人も不完全燃焼感を抱えたに違いない。

 それでも中国入りしてから練習を重ねていく中で、周囲との理解を深め合うことはできたはず。本人もその前進を実感しているようだ。

「周囲との連携やコンビネーションは一番最初から出さなければいけなかったですけど、徐々に徐々によくなっていってると思う。クオリティ持った選手の集まりだと思うので、そのクオリティ同士を消し合わないようにしっかりと同じイメージを抱きながらやれるようにしたい。それができると思うんで」と宇佐美自身も強調する。

 その相乗効果を生かして、次こそはゴール前で爆発したいところ。実際、今大会のFW陣は、武藤雄樹(浦和)が北朝鮮戦で1点を奪っただけで、得点力不足が大きな課題になっている。守備陣はハリルホジッチ監督の映像を使った修正によって着実に改善しているだけに、いかに点を取るかが日本に突き付けられた最大のテーマなのだ。

「チームとしてはまだボールを動かしながら『らしい形』で点が取れない。もう少しボールを保持して外で張って仕掛けるなり、中で受けて味方と絡みながらシュートまで行くとか、そういうイメージをいろいろ考えながらやりたいです。ボールを取って素早く行く部分も大事ですけど、やっぱりボールを保持しながらゆっくりと遅攻で攻めていくシーンも多くなると思う。自分はどこで受けてもそういうプレーができる。自分のアイデアとか質を攻撃の中で出せるようにしたいとなと思ってます」とメリハリをつけながら、高度なスキルと創造性を生かしてゴールに突き進んでいく構えだ。

 今季J1最多ゴールの16点を挙げている男には点取り屋としての意地がある。東アジアカップを無得点で終わるというのは絶対に許せないはずだ。宇佐美がノーゴールに終わってしまったら、日本サッカー界全体の士気も上がらない。ハリルホジッチ監督も「今回は将来何かをもたらす選手たちを連れてきている」と強調していたが、宇佐美はまさにその筆頭なのだ。

 3月のチュニジア戦(大分)で初キャップを飾り、ウズベキスタン戦(味スタ)で初ゴールを挙げた彼は今、一歩一歩、代表キャリアを積み重ねつつある。その宇佐美がこの先、本田圭佑(ミラン)や岡崎慎司(レスター)らの後を引き継いで真のエースとなるためにも、今大会でゴールという目に見える結果を残すことが肝要だ。フィジカルを前面に押し出してくる中国はその底力を示す格好の相手。今回こそは背番号11の一挙手一投足に大きな期待を寄せたい。

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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