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W杯初戦の逆転負けから一年…世界で勝つ力を身につけるべく予選に臨む岡崎

2015.06.14

シンガポール戦に向け練習を行なう岡崎慎司 [写真]=兼子愼一郎

文=元川悦子

 2018年ロシアワールドカップへの重要な一歩となる2次予選初戦・シンガポール代表戦(埼玉)まであと2日。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は14日夕方、試合会場の埼玉スタジアムで本番を想定した非公開練習を約2時間行った。

 この日も24人全員が参加。3分間の屋外ミーティングを経て、ランニング、アップを消化したところでクローズとなり、報道陣が締め出された。選手たちはこの後、攻守の戦術確認やセットプレーなどを行った模様。本田圭佑ミラン)も13日の練習後、「残り2日で仕上げていきたいのはコンディション」と語っていたが、11日のイラク代表戦(横浜)にスタメン出場した選手たちの疲労がどこまで回復しているかが、気になるところだ。

 2014年ブラジルワールドカップ初戦・コートジボワール代表戦(レシフェ)で衝撃的な逆転負けを喫した悪夢からこの日でちょうど丸1年。時折、激しい雨の降りしきるアレナ・ペルナンブコで、日本は本田のワールドクラスの先制弾でリードしたにもかかわらず、相手に攻め込まれて防戦一方となり、後半のディディエ・ドログバチェルシー)の登場によって混乱。2分間で2失点という最悪の展開を余儀なくされた。

「コートジボワール戦では予想外のことがチームに沢山起きた。先制してから『1-0でいいやん』って雰囲気がチームの中にすごく漂ってしまって、1-1になった時点で取り返す気力も、自分たちの中でアイディアもなかった。それがワールドカップの怖さ。自分たちのサッカーをやりきるってところの覚悟が足りなかったと思う」と岡崎はあの日、自分たちの脆さを認めていた。

 惨敗の後、日本代表はハビエル・アギーレ体制を経て、現在のハリルホジッチ体制へ移行。自分たちに欠けている部分、改善しなければいけない部分に真正面から取り組んでいる。岡崎は「この先どうしていくかをこの1年間、ずっと考えていたけど、まだ出ていない」とは言うものの、新指揮官のストレートな指摘を真摯に受け止め、前進への努力を懸命に続けている。

「ハリルさんが来てから、ワールドカップのダメだったところを改めてビデオで分析したりして、自分たちのいいところだけを見るんじゃなくて、ダメな部分も分析して突き詰めていこうという話なんで。そこからタテに速いサッカーだったり、引いたりする時間も必要だとか、守備で集中して守り切る時間も必要とか、世界と戦うための武器を増やそうとしている。チームでそこを突き詰めていこうっていう雰囲気になってるんで、シンガポール戦も厳しさを求めて向かっていきたい」と彼は言う。

 マインツでの岡崎は1トップとして広いプレーエリアを与えられ、長い距離を走って攻守両面に幅広く貢献している。このスタイルはドイツでも高く評価されているが、ハリルホジッチ監督はあえてその大きな動きを制限し、ペナルティエリア内での仕事に特化させようと意識付けているという。

「監督が言うのは、自分がマインツでやってるようなプレーじゃなくて、それを省いてでもゴール前で仕事をしてほしいってこと。それだけ責任が大きくなると思うんです。裏に抜けるにしても、チームの起点になるような抜け方じゃなくて、自分が点取るための裏の抜け方をすることでチームを生かすというか。FWはやっぱり中で勝負してこそ。ある意味、自分の特徴を捨てて、ボックス内で質の高い仕事で勝負することになると思います」と岡崎は指揮官の指示の下、点取り屋として自分自身を研ぎ澄ませていくつもりだ。

 そうすることで、シンガポール戦でもゴールを奪えるはず。次戦で得点すれば国際Aマッチ4試合連続、代表通算45得点目のゴールとなる。そうやって1つ1つ数字を積み重ねて言ってこそ、ロシアで本当に輝ける絶対的なストライカーになれる。彼にはその華々しい一歩をアジア予選初戦で飾ってほしいものである。

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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