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アギーレ監督は5選手入れ替えを明言…先発に向け本田との連携描く酒井高徳

2014.09.09

ベネズエラ戦で先発が濃厚なDF酒井高徳 [写真]=小林浩一

 ハビエル・アギーレ監督の初陣となった5日のウルグアイ戦(札幌)は寄せ集めチーム特有のギクシャク感を漂わせた結果、0-2の完敗に終わった日本代表。2014年ブラジルワールドカップ惨敗ショックを払拭するようなタフで激しい試合を期待した人々は肩透かしを食らう格好となった。

 岡崎慎司(マインツ)も「このままではファンが減ってしまう。どんなことがあろうと勝つのが日本代表」と危機感を前面に押し出していた。9日の相手・ベネズエラはウルグアイより実力的にやや格下と見られるだけに、今回こそ前進と勝利も両方を手にしないといけない。

 重要な一戦を翌日に控えた日本代表は8日夜、雨の降りしきる試合会場の横浜国際総合競技場において非公開で公式練習に臨んだ。7日にもベネズエラの4-4-2を想定した4-3-3の戦術確認を行った彼らだが、アギーレ監督は5人の選手を入れ替えることを明言。7日に主力組に入っていた酒井高徳シュトゥットガルト)、柴崎岳(鹿島)、大迫勇也(ケルン)らが先発出場するとられる。彼らが吉田麻也(サウサンプトン)、長友佑都(インテル)、本田圭佑(ミラン)らチームの中核選手たちとどのような融合を見せ、堅守速攻型のスタイルを機能させるのか。そこはしっかりとチェックすべきポイントと言っていい。

 とりわけ、ブラジルで出番なしに終わった酒井高徳は燃えるものがあるだろう。5月の指宿合宿でひざを痛めたこともあって、内田篤人(シャルケ)と長友の両サイドバックの牙城を崩せなかった。ザックジャパンでは最年少だった彼も、90年代生まれが数多く選出された今回は中堅の域に入った。これまでの代表とドイツでの経験を活かし、右でタテ関係を形成する本田とのコミュニケーションを積極的に取りながら、攻守両面を活性化させる必要がある。

「前で一緒に組む選手とコンビネーションで崩していくのが一番大事だと思うし、うまく味方をフリーにさせるために走るのか、あるいは自分がもらうために走るのかで、状況も変わってくる。そこは状況判断しながら、自分の動きの質を高めていけば、サイドハーフも生きて、いいコンビネーションが生まれてくるのかなと思います。サイドハーフも意識しながら、自分のポジショニングも気をつけたい」と酒井高徳は具体的に本田との関係性を頭に描いている様子だ。

 内田が今季まだ試合に出ておらず、ウルグアイ戦で先発した酒井宏樹(ハノーファー)が失点の絡む大きなミスをしたこともあり、酒井高徳に託される期待は大きい。後ろからはU-21世代の松原健(新潟)も追い上げてきているだけに、ここで世界と十分戦える力をしっかりと示す必要がある。すでにシュトゥットガルトで4シーズン目を迎え、すっかり異国のサッカーの激しさに適応している彼なら経験値は全く問題ないはず。しかもアルミン・フェー監督が就任した今シーズンのシュトゥットガルトでは左サイドバックといえどもかなり攻撃的な役割を担っているというから、本田との連携で右からの崩しを見せる回数も多くなるだろう。

「僕ら若手世代が結果を出して初めて世代交代が進んだと言い切れる。早くそういう方向へ持っていきたい」と意欲を示す酒井高徳の一挙手一投足、そして彼ら90年代生まれの選手たちのパフォーマンスに明日は注目したい。

文=元川悦子

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