[写真]＝兼子愼一郎、清原茂樹
■FC東京 守備の引き締めを図り、今季リーグ戦初のクリーンシート達成へ
【プラス材料】
開幕から5試合を消化し、敗戦は1度のみ。また、JリーグYBCルヴァンカップを含めた公式戦6試合では負傷中のMF品田愛斗、ルーキーのDF大森理生以外のフィールドプレーヤー全選手が出場している。今節を含めた7連戦をひとつの区切りとして、まずは選手の共通意識とチームの総合力を高めることを重視。メンバーが入れ替わる中で勝ち点8を積み上げたことは悪くない結果と言えるだろう。
前節の湘南ベルマーレ戦も拮抗した展開となったが、最後まで諦めず、3得点を奪って勝ちきった。決勝点をマークしたDF渡辺剛は「苦しい試合を勝ちに持っていくことが大事」と勝負にこだわる姿勢を強調する。
攻撃陣ではFW田川亨介、FWディエゴ・オリヴェイラが好調だ。試合を重ねるごとに、スピードのあるカウンターやD・オリヴェイラを起点とした「形」が作れるようになっている。
【マイナス材料】
リーグ戦では無失点試合がまだ一度もない。渡辺も「失点が止まらず、守備面の課題はすごく多い」と省みる。特に、直近の試合は中盤のアンカーにDF森重真人を据える布陣で臨んでいるが、ディフェンスラインでは試行錯誤が続いている。ルーキーのDF蓮川壮大やDF岡崎慎らも試合経験を積んでいるだけに、誰が出場してもチームとしての安定感を取り戻したいところだ。
第4節の大分トリニータ戦で今季初めて先制点を奪ったが、湘南戦ではまたもや先制を許すとともに複数失点を喫して苦境に陥った。長谷川健太監督も「締まった試合ができていない」と振り返り、ゲームへの入り方や流れ・状況に応じた判断という点で不安が残る。
文：totoONE編集部
■ベガルタ仙台 1週間のインターバルでチーム状態をどこまで改善できたか
【プラス材料】
今季未勝利と厳しい状況にあるものの、第5節・ガンバ大阪戦の中止が理由ではあるが、1週間のインターバルを得られたことはプラス材料。休養で3連敗で心身に受けたダメージを回復し、さらに連戦で細かいところまで準備ができなかった部分にじっくり取り組み、週末の試合に備えることができる。
また、第4節の湘南ベルマーレ戦は今季初めて「3－4－3」でスタート。立ち上がりに軽い失点を喫したのは課題だが、攻守がかみ合った時間もあり、これまでの「4－2－3－1」と併せてオプションとして使い分けることができるシステムができたのはプラスだ。
前節に生まれたMF松下佳貴のゴールは、厚みのある攻撃の中でボランチが攻め上がって決めたもの。攻撃の形に手応えを得られたことは大きい。
【マイナス材料】
今季まだ勝てていないことからくる焦りが最大のマイナス材料。リーグ戦3連敗、しかも3試合連続で3失点以上。いずれも前半のうちに先制されており、守備を立て直すことで落ち着きを取り戻す必要がある。
もうひとつ痛いのが、MF関口訓充の負傷だ。豊富な運動量で攻守両面においてチームを活性化させるベテランは、第2節・川崎フロンターレ戦の前半に左太ももを負傷して交代。その後、全治約8週間の見込みと発表された。プレーだけでなく、味方を鼓舞するリーダーシップでも大きな存在なだけに、彼の穴を全員で埋めなければならない。
FC東京との昨季対戦は1分1敗と、勝てなかったことも気がかりだ。
文：totoONE編集部