今年のヒーローは誰だ！？　夢と絶望の90分…J1昇格プレーオフ“英雄列伝”

　毎年、数々のドラマが生まれるJ1昇格プレーオフ。

　2013年の準決勝、モンテディオ山形の守護神・山岸範宏が後半アディショナルタイムにCKから決めたヘディング弾は、Jリーグファンの記憶に今も深く刻まれていることだろう。決勝では12年の林丈統（大分トリニータ）、15年の中村北斗（アビスパ福岡）といずれも試合終了間際に得点を挙げ、J1昇格の立役者となった。

　J1昇格プレーオフで“英雄”となった選手たちを写真とともに振り返っていこう。

2012年 林丈統（大分トリニータ）

鮮やかなループシュートが決勝点に [写真]=J.LEAGUE

　この年が初開催となったJ1昇格プレーオフ。決勝に駒を勧めた大分トリニータはジェフユナイテッド千葉と対戦した。73分、木島悠に代わって林丈統がピッチに立つと、スコアレスで迎えた86分にチャンスが訪れる。森島康仁が裏へパスを送ると、反応した林が鮮やかなループシュートでネットを揺らした。この年、J2出場はわずか5試合で得点はゼロ。林の価値ある今季初得点が、大分をJ1へと導いた。

■準決勝
京都サンガF.C.（3位）0－4 大分トリニータ（6位）
横浜FC（4位）0－4 ジェフユナイテッド千葉（5位）

■決勝
大分トリニータ 1－0 ジェフユナイテッド千葉　

2013年 千代反田充（徳島ヴォルティス）

攻守に渡って奮闘。初のJ1昇格に貢献した [写真]=J.LEAGUE

　クラブ史上のJ1昇格を目指す徳島ヴォルティスだったが、J1昇格プレーオフ決勝は序盤から京都サンガF.C.に攻め込まれる。相手の攻撃を耐えしのぐと、39分にCKを千代反田充が頭で合わせて先制に成功した。徳島はその4分後に追加点を奪うと、その後は千代反田を中心とした守備陣の集中したプレーで、最後までゴールを割らせず。千代反田が攻守両面で奮闘し、J1昇格の立役者となった。

■準決勝
京都サンガF.C.（3位）0－0 V・ファーレン長崎（6位）
徳島ヴォルティス（4位）1－1 ジェフユナイテッド千葉（5位）

■決勝
京都サンガF.C. 0－2 徳島ヴォルティス

2014年 山岸範宏（モンテディオ山形）

準決勝ではCKから見事なヘディングシュートを決めた [写真]=Getty Images

　1－1で迎えたJ1昇格プレーオフ準決勝の後半アディショナルタイム、このままではモンテディオ山形の敗退が決まってしまう。この危機的状況を救ったのは、なんと守護神・山岸範宏だった。石川竜也のCKをニアに飛び込んだ山岸がヘディングシュート。綺麗な放物線を描き、ゴールネットに突き刺さる。決勝では3位ジェフユナイテッド千葉の攻撃陣をシャットアウトし、山形の“英雄”となった。

■準決勝
ジュビロ磐田（4位）1－2 モンテディオ山形（6位）
※5位ギラヴァンツ北九州はJ1ライセンスを取得していないため、J1昇格プレーオフには進出できず

■決勝
ジェフユナイテッド千葉（3位）0－1 モンテディオ山形

2015年 中村北斗（アビスパ福岡）

敗戦危機を救う値千金の同点弾をマーク [写真]=J.LEAGUE

　J1昇格プレーオフ決勝は引き分けでもJ1昇格が決定するアビスパ福岡だったが、セレッソ大阪に先制点を奪われてしまう。すると試合終盤の87分、金森健志の仕掛けから左サイドを駆け上がった亀川諒史がクロス。ファーサイドに流れたボールを中村北斗が蹴り込み、福岡が土壇場で同点に持ち込む。6年ぶりに古巣に帰ってきた背番号22が大仕事をやってのけた。

■準決勝
アビスパ福岡（3位）1－0 V・ファーレン長崎（6位）
セレッソ大阪（4位）0－0 愛媛FC（5位）

■決勝
アビスパ福岡 1－1 セレッソ大阪

2016年 清原翔平（セレッソ大阪）

C大阪をJ1昇格に導いた [写真]=J.LEAGUE

　2016年、J1昇格を目指すセレッソ大阪は柿谷曜一朗や杉本健勇、6月には山口蛍が復帰した。ツエーゲン金沢での活躍が認められ、同年にC大阪へ移籍した清原翔平だったが、序盤はJ3を戦うC大阪U－23を中心にプレー。その後、好パフォーマンスが認められトップチームに定着すると、J1昇格プレーオフ決勝で値千金の決勝弾を挙げる。C大阪が昨年のリベンジを達成し、J1昇格を勝ち取った。

■準決勝
松本山雅FC（3位）1－2 ファジアーノ岡山（6位）
セレッソ大阪（4位）1－1 京都サンガF.C.（5位）

■決勝
セレッソ大阪 1－0 ファジアーノ岡山

J1昇格プレーオフ決勝2017
12月3日（日）16：00 名古屋グランパス vs アビスパ福岡 @豊田スタジアム／DAZN NHK BS1 NHK名古屋