2016.03.12

挨拶代わりの開幕弾から2週間…C大阪・山村和也、“桜色”を纏ってホームデビューへ

山村和也、田代有三
今季からC大阪でプレーする山村和也(左)(右は田代有三) [写真]=内藤悠史
サッカーキング編集部

 12、13日に行われる明治安田生命J2リーグ第3節。12日のキンチョウスタジアムでは、セレッソ大阪がザスパクサツ群馬と対戦する。開幕アウェー2連戦をともに“ウノゼロ”(1-0)で制し、第3節にして“ホーム開幕戦”を迎えるC大阪。今シーズン開幕前に多数迎え入れられた新戦力にとっては、本拠地で迎える初めての一戦となる。鹿島アントラーズから移籍加入したMF山村和也もその1人だ。

「得点を取ったことはすごく嬉しかったし、移籍してすぐに結果を残せたのは良かったと思います。ただ、内容には反省や課題が残る試合だったので、修正できる部分は早く修正していかないといけないですね」

 2月28日の第1節、FC町田ゼルビア戦。新天地で迎えた大事な開幕戦で、山村はいきなり結果を残してみせた。ボランチの一角として先発の座を掴むと、71分にMFブルーノ・メネゲウの蹴った右CKから打点の高いヘディングシュートを突き刺す。これが決勝点となり、勝利の立役者となった。まさに“挨拶代わりのゴール”だった。

 それから3日後の3月2日、C大阪の練習場・舞洲グラウンドを訪ねた。トレーニングの合間に笑い声が絶えない「明るいチーム」にあって、山村は穏やかな笑顔を見せていた。「年齢以上に落ち着いている感じがしますね。すんなりと溶け込んだと思いますよ」と、クラブスタッフは印象を語り、「開幕戦でゴールという結果が出たのも良かったですよね」と頷く。物腰の柔らかい26歳は「大阪と鹿嶋は環境が全く違うので、慣れるまでに時間は少しかかるかな」と言いながらも、充実感が満ちた表情でボールを追っていた。いわゆる“生え抜き”選手を中心に構成された鹿島と比べて、C大阪は移籍加入の選手が数多く所属している。どちらが良い、悪いということではなく、その変化を楽しんでいるようだった。

「自分が成長できる環境があって、魅力のあるチームだと思います。若い選手にもすごく力があって、一緒に成長できる。(柿谷)曜一朗なんかは海外から戻ってきたわけですし、いろいろなチームでいろいろな経験をしてきた選手が多いので、また違った刺激を受けることができる。そこからどうやって成長につなげていけるか、だと思います」

 山村のC大阪移籍が発表されたのは1月11日。複数のクラブからオファーを受ける中、「かなり悩んでいたので…。時間がかかってしまいましたね。セレッソにも待ってもらいました」と、決断は年明けまでずれ込んだ。最終的に「“環境を変えて頑張ってみたい”と思ったのが一番ですね。サッカー人生は短いし、他のクラブでプレーするのも選択肢としてはありだと思ったんです」と、新天地を大阪に求めた。

 年代別代表に名を連ね、流通経済大在籍時にはロンドン・オリンピック出場を目指すチームでキャプテンを務めていた山村。ただ、鹿島での4年間ではレギュラーの座を奪うまでには至らなかった。リーグ戦24試合出場3ゴールを記録した2013年がキャリアハイのシーズン。日本代表DF昌子源や同DF植田直通の台頭もあり、2014年から昨年の夏頃までは出番が激減した。センターバックの控えに甘んじる日々だった。

 転機となったのは昨年7月、石井正忠監督の就任だった。トニーニョ・セレーゾ前監督の下では起用法が定まらなかったが、新指揮官は山村をボランチに固定。長身を生かしたハイボールでの競り合い、チームにリズムを与える長短のパス、豊富な運動量といった持ち味を存分に発揮し、背番号「4」の存在感は徐々に増していった。日本代表MF柴崎岳やMF小笠原満男との競争は熾烈だったが、ボランチという “生きる道”がようやく定まった――。そんな印象を抱かせた。

 そして迎えた、プロ5年目。新天地で開幕スタメンを勝ち取り、上々のスタートを切った。1週間後、3月6日の第2節・水戸ホーリーホック戦でも山村は先発出場。開幕戦ではボランチでコンビを組むMFソウザとの役割分担が不明瞭だった面が否めず、それが守勢に回る要因の一つでもあったが、この試合ではバイタルエリアのケアをしっかりとできていた。11人中7人が新加入選手というフレッシュな陣容を2試合連続で先発に固定した大熊清監督は、実戦を消化しながら連係を向上させたいという意図を持っているだろう。その中で開幕2連勝という結果が伴い、手応えを掴んでいるはずだ。

 開幕3連勝を目指し、ホームへ帰還するC大阪。「サインをする時、“4”って書きそうになっていたけど、少しずつ慣れてきました」と穏やかに笑う山村は「試合に出続けるためには、結果を出し続けないといけない。そのために良いサッカーをしたいですね」と、静かに決意を語った。アントラーズの4番から、セレッソの24番へ――。挨拶代わりの開幕戦ゴールから2週間、桜色のサポーターの前で、山村がホームのピッチに立つ。

文=内藤悠史

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