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高校生の最高到達点?…天皇杯で横浜FMを追い込んだ市立船橋イレブンの今

2016.01.02

市立船橋高校出身の増嶋竜也(左)とカレン・ロバート(右) [写真]=Getty Images

 ガンバ大阪の優勝で終わった今季の天皇杯。これまで数々のドラマを生んできた大会だが、今でも語り草になっている試合がある。

 2003年12月14日、天皇杯3回戦で横浜F・マリノスが市立船橋高校と対戦した試合だ。


 プロとアマチュアでは大きな壁がある。ましてや高校生がザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)、阪南大学と、プロや大学チームを下し3回戦にまで進出しただけで快挙と言える。

 市立船橋はこの試合で2点を先制される。さすがにJ1で日本代表を数多くそろえる横浜FMの壁は厚い。誰もがそう思っていた。

 ところが69分、右サイドでFKを得た市立船橋は、MF鈴木修人がファーサイドに大きなロングボールを入れると、これをGKがまさかのキャッチミス。すかさずDF増嶋竜也が押し込み1点を返す。

 そして試合終了間際、FWカレン・ロバートのドリブルからFW田中恒太がゴールを決め土壇場で同点に追いついた。

 しかし試合は、これで終わらない。増嶋が90分に退場してしまったのだ。

 市立船橋は10人の高校生と11人のJリーガーという絶望的な状況で行われた延長戦で、精神と身体を張ったディフェンスでプロの意地を跳ね返し続けた。

 試合は、結局PK戦に突入し、横浜FMが4-1で市立船橋を下したが、市立船橋イレブンは笑顔でピッチを去り、レポーターは「おめでとうございます」とマイクを向けた。どちらが勝者で、どちらが敗者なのかわからない光景がそこにはあった。

 あれから12年、当時試合に出場した市立船橋の選手たちはどうなったのだろうか?

■市立船橋高校 VS 横浜FM戦メンバー(卒業後/現所属)

▼GK
佐藤優也ヴァンフォーレ甲府東京ヴェルディ

▼DF
増嶋竜也FC東京柏レイソル
渡辺広大ベガルタ仙台モンテディオ山形
中村健太(駒沢大/ROVERS F.C.コーチ)
石井秀典(明治大→モンテディオ山形徳島ヴォルティス

▼MF
根本茂洋(明治大/ROVERS F.C.)
鈴木修人(早稲田大→鹿島アントラーズ/明治学院大コーチ)
米田拓巨(関西学院大/引退?)
高橋昌大(中京大→水戸ホーリーホック/引退)

▼FW
カレン・ロバート(ジュビロ磐田/ソウルイーランドFC)
田中恒太(静岡産業大/F.C.セダック・ジュニアユースコーチ)

 2015年に多くの選手が30歳を迎えた当時の市立船橋イレブン。11人のスタメン選手のうち、実に7人が後のJリーガーとなった。

 また、全員が大学までサッカーを続けており、プロになれなかった選手もカレン・ロバートが運営する千葉県のローヴァーズフットボールクラブ(ROVERS F.C.)など何らかの形でサッカーと関わりを持っているものが多いようだ。

 カレン・ロバートは今でもジュビロ磐田やVVVフェンロといったチームでプレーしたことよりも市立船橋の選手として横浜FM相手に善戦した試合のことを話題にされるという。

 そして、現在も4人のJリーガーを含む6人が現役の選手としてプレーしている。

(記事提供:Qoly)

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