2015.12.08

柏U-18からオセアニア王者へ…元留学生DFが思い出の地“日本”で世界に挑む

デンハイヤー
4日に保土ケ谷サッカー場で練習を行ったデンハイヤー [写真]=田丸英生(共同通信社)
共同通信社運動部

 日本へのサッカー留学を経て大きく成長したニュージーランドの新鋭が、10日に開幕するFIFAクラブワールドカップ2015にオセアニア代表オークランド・シティの一員として出場する。昨年、柏レイソルU-18でプレーしたDFマイケル・デンハイヤーは「最高の時を過ごした日本に戻ってこられてすごくうれしい」と、大舞台での凱旋に気持ちを高ぶらせている。

 来日のきっかけは4歳から通い始めた母国のアカデミー「WYNRS(ウィナーズ)」が持つ、日本との深いつながりにある。

 WYNRSはかつてブレーメン(ドイツ)やジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)で活躍したウィントン・ルーファー氏が主宰。市原時代のチームメートでベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)やサンフレッチェ広島にも在籍した宮澤浩氏がコーチを務め、アルビレックス新潟DF舞行龍ジェームズもOBの一人だ。2013年のU-17ワールドカップに出場するなど、将来を嘱望されていたデンハイヤーは「宮澤さんの紹介で3週間のトライアルを受け、柏で一年間プレーさせてもらうことになった。プロになるのが夢だったので、日本で最高のユースチームの一つに入れてすごく光栄だった」と経緯を振り返る。

 2014年3月の来日当初は日本語が全く分からず、「練習中の指示も理解できないから、見よう見まねでやっていた」と言葉の壁にぶつかった。柏日体高に編入し、同校の寮でバスケットボール部、陸上部、相撲部などの生徒と一緒に生活。「寮にはレイソルの仲間も10人くらい住んでいたので助かった。周りに英語を話せる人はいなかったけれど、おかげで日本語が早く上達して会話はほとんど聞き取れるようになった。家族や彼女に会えなくて寂しかったけれど、ニュージーランドにいたら自分の夢に近づけないから」と、慣れない異国でも常に高い志を持ち続けた。

 柏U-18では主に攻撃的MFとして約9カ月プレーした。「うまい選手がたくさんいて、常にスタメンで出られたわけじゃない。それでもたくさんのことを学ぶことができて感謝の気持ちしかない。トップチームの大谷(秀和)主将はよく声をかけてくれて優しかったし、何度も観戦したJ1の試合はサポーターの歌声が格好良かった」と思い出は尽きない。

 帰国直前の12月には高校生年代の日本一を決める高円宮杯U-18サッカーリーグ2014チャンピオンシップにも出場した。埼玉スタジアムに1万4654人の観衆が集まったセレッソ大阪U-18との一戦で66分からピッチに立った。試合は0-1で敗れたが「多くのサポーターが駆けつけ、素晴らしい雰囲気の中でピッチに立った瞬間のことは忘れられない」と心に刻まれている。

 日本に残ってプロになるという目標は果たせなかったが、母国に戻るとオセアニア王者のオークランド・シティからオファーを受けて加入した。アマチュアチームのため、日中は会計士事務所やサッカースクールでの仕事をこなし、夜に練習する生活を送る。最近はセンターバックにコンバートされ、185センチ80キロの体格を生かした球際の強さや、もう一つの持ち味である足下の技術を生かした落ち着いたプレーで存在感を示している。2012年からオークランドに在籍するDF岩田卓也は「日本でプレーしていたから、連動性などの細かいところやチームとしての動き方を若いのによく分かっている。でも、試合や練習だと日本人より激しい部分もある。これからがすごく楽しみ」と期待を寄せる。

 将来的にJリーグでのプレーも希望しているが「外国籍選手枠が限られているから難しいのは分かっている。まずはJ2やJ3からステップアップしていく必要があるかもしれない」と、自らの立場を現実的に捉える。一方でUEFAチャンピオンズリーグ出場という壮大な夢もあり、「オランダのパスポートも持っているから(EU域内で)外国籍選手扱いにはならない。まだ19歳なので、いつか次のステップに進んで夢を追いたい」と欧州での挑戦も視野に入れる。

 10日に横浜国際総合競技場で行われる開幕戦では、明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ王者のサンフレッチェ広島と対戦する。「レイソルのトップチームで10回くらい練習に参加させてもらったので、J1のレベルがどれだけ高いかは知っている。そのチャンピオンであれば当然ものすごく強いし、難しい試合になるのは間違いないけれど、サッカーだから何が起こるか分からない」と虎視眈々と番狂わせを狙っている。無限の可能性と壮大な夢を持った19歳が、思い出の日本で世界と対峙する。

文・写真=田丸英生(共同通信社)

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