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【平畠啓史氏はこう見る!】激戦必至の磐田vs千葉を徹底分析…昇格争いを占う上位対決の注目ポイントとは

2015.07.16

J2第24節で対戦する磐田(上)と千葉(下)  [写真]=Getty Images

 大宮が着実に勝ち点を重ね、抜け出しつつある今日この頃。とはいえ、リーグ戦はまだ23試合を終えただけ。中間地点をやっと折り返したところである。ここから、他のチームが大宮をトップ集団に呼び戻し、団子状態になるのか? それとも、このまま大宮に独走を許してしまうのか? 今シーズンを占う、大事な時期に差し掛かりつつある。

 そんな今節、注目カードはもちろん、2位ジュビロ磐田vs5位ジェフユナイテッド千葉の一戦。両チームの勝ち点差は「7」。磐田にとっては、このゲームと第26節のC大阪戦で良い結果を残すことができれば、昇格に向かって視界良好となるし、優勝へ向けて大宮への挑戦権を独占で得るような形になる。第21節、第22節のホーム連戦では、熊本、讃岐を相手に、ともに先制しながらも追いつかれ、1-1のドローに終わった。讃岐戦終了後、ヤマハスタジアムはブーイングに包まれた。千葉に勝利することでサポーターの信頼を取り戻し、J1昇格に向けて良いムードを作り、第26節のC大阪戦に挑みたいところである。


 その一方で、千葉はこのゲームに敗れると、自動昇格圏内2位との勝ち点差が「10」となる。しかし、勝利すればその差は「4」に縮まる。その勝利がチームに勢いをもたらすに違いない。千葉にとっては何よりも結果、何よりも勝利が必要なゲームとなる。

 千葉のストロングポイントの一つと言えば、谷澤達也中村太亮の左サイドであるが、中村太亮が第21節岐阜戦で負傷。攻撃のウエイトは右サイドにシフトしつつある。ネイツ・ペチュニクがあけたスペースを積極的に金井貢史が使う、という形が多く見られるようになった。対峙する磐田の左サイドも、アダイウトン駒野友一という強力コンビではあるが、アダイウトンが前節栃木戦で負傷し、今節は欠場する可能性が高い。チーム内得点王(この言い方をよくするけど、意味があるようなないような)が欠場するとなると、そのポジションにはルーキーでスピードが持ち味の清水貴文が抜擢されるのか、それとも駒野と同級生の松井大輔が起用されるのか。とにかく、このサイドのタッグマッチが勝負の明暗を分けると言いたいところだが、実はこのタッグマッチの裏のスペースの攻防が、勝敗を分ける可能性がある。

 千葉の金井の攻撃参加は非常に積極的。しかし、右サイドバックであるため、上がれば上がるほど、そのスペースが開いてしまう。もちろん、そこはゲームを読める佐藤勇人がしっかりとスペースを埋め、リスク管理は万全だ。ところが、リスク管理を怠ると、たちまち磐田に形勢が傾く可能性がある。磐田のトップ下に、現在絶好調の“スペースハンター”松浦拓弥が存在するからだ。松浦はいろんな形容の仕方があると思うが、一言で言うならすばしっこい。みんなに見えているスペースを見つけるのはもちろんのこと、彼のすばしっこさと嗅覚で、彼にしか見えていないスペースを見つけて走り込むことができる。密集の中にも、ジェイの裏にも、サイドバックとセンターバックの間にできる少しのスペースにも。その様子を見るにつけ、松浦がネコ科に見えてくる。松浦まっしぐらなのである。千葉の右サイドvs磐田の左サイドの攻防と、佐藤と松浦のスペースを巡る攻防は激戦必至。熱い戦いになるはずだ。

【平畠啓史(ひらはた・けいじ)】よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。国内外を問わずサッカー情報に精通する芸能界屈指のサッカー通で、J1はもちろんJ2への造詣も深く、ピッチ内外での硬軟織り交ぜたサッカー愛溢れるコメントが好評を博している。大阪府立阿武野高時代には主将としてインターハイに出場。愛称は平ちゃん。

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