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ついに開幕するJ3…初陣に臨むU-22選抜の顔ぶれとは

2014.03.07

文=川端暁彦

 3月7日、「2014 明治安田生命 J3リーグ」第1節・FC琉球戦(9日・沖縄県陸)に臨むJリーグ・アンダー22選抜の招集メンバー16名が発表された。


 今季から始まったこの試み。選ばれたのは、リオ五輪を目指すU-21日本代表チームの候補で、J1・J2に所属する選手の内、週末のリーグ戦でのベンチ入りメンバーから漏れた選手たち。こうした選手に実戦経験を積ませることと、リオ五輪代表としてのチームを作っていくという一石二鳥を狙う試みだ。メンバーは今回のように、節ごとに決定する。つまり今回選ばれた選手たちも、所属クラブでベンチ入りの見通しが立てば、自動的にメンバー落ちとなる仕組みだ。

 GKは山田元気(京都)と高木和徹(清水)の両名を選出。山田は2年目だが、まだ出場機会は遠い選手で、高木和は今季ユースから昇格の新人選手だ。一つ下の世代であるU-19日本代表の正GK候補でもある。

 DFは5枚、197cmのハーフナー・ニッキ(名古屋)と三浦弦太(清水)という2年目のCB二人は、こちらもU-19日本代表の候補選手。左SBのスペシャリストである内田裕斗(G大阪)も同じくU-19代表選手だ。高卒3年目の高橋祐治(京都)はCBが本職であるものの、昨年の招集時にはSBとしてもプレー。今回も両にらみの起用となりそうだ。最後の一人、森勇人(名古屋)は今季新加入のルーキーで攻撃的MFの選手だが、今回はSBでの選出か。

 7名が名を連ねた中盤、2名のみの選出となった前線の顔ぶれを観ると、フォーメーションは4-3-3、あるいは4-2-3-1か。小林祐介、秋野央樹(柏)、熊谷アンドリュー、喜田拓也(共に横浜FM)、大山啓輔(大宮)は、いずれもボランチタイプ。大山や小林はより攻撃的な位置でも仕事のできるテクニシャンだ。どちらも高卒ルーキーの平岡翼(FC東京)と小屋松知哉(名古屋)は縦への速さが魅力のスピードスター。ウイングとしての仕事が期待される。

 前線は昨季J2長崎で大活躍を見せた幸野志有人(FC東京)と、昨年のU-17W杯でその才能を示した高卒ルーキーの杉本太郎(鹿島)の2枚が選出となった。恐らく幸野が1トップの先発で、杉本は交代のオプション、あるいは2列目での起用となりそうだ。

 諸外国で類例を探すことも難しいようなJリーグ・アンダー22選抜という新たな試みがいよいよスタートを切る。試合自体が小さからぬ注目を集めることになりそうだが、その成否はチームとしての順位にはなく、あくまで実戦を通じて選手が成長するかどうかの1点にある。たとえば幸野は、昨季一つ上のJ2で上位を争うチームで戦っていた選手なのだから「この場で活躍するのは当然」くらいの厳しい目で観ておきたい。J3での戦いを通じて自信をつかんだ若い選手たちが所属クラブでレギュラーを奪う。そういう流れが出てきて初めて、この試みは成功したと言えるだろう。

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