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15年目のFリーグが開幕! 各地で熱戦が繰り広げられる

2021.06.09

©Bardral URAYASU

 6月5日、Fリーグ ディビジョン1の2021-2022シーズンが開幕した。2007年9月23日に生まれたFリーグは、今年で15周年。フットサル日本代表が2大会ぶりにFIFAフットサルW杯に出場することも決まっており、フットサル界にとって重要な1年の幕開けだ。

 今季のオープニングゲームでは、バルドラール浦安と湘南ベルマーレが対戦した。昨季の2度の対戦は湘南の1勝1分。今季を占う一戦は、開幕にふさわしい激戦となった。開始50秒で昨季16得点で得点ランキング4位をマークした湘南のFPロドリゴがファーストシュートを放つと、これに勢いを得た湘南が攻勢を強める。しかし、徐々に浦安がペースを握りチャンスを作り始める。両者チャンスを作りながら得点が生まれず迎えた第1ピリオド終盤、左サイドからFP高溝黎磨が放ったシュートが浦安DFに当たってこぼれたところをFP鍛代元気が押し込み湘南が先制に成功した。さらに追加点を狙う湘南だったが、6つ目のファウルで浦安に第2PKを与えてしまう。これをFPディドゥダがゴール右隅に叩き込んだ浦安が試合を振り出しに戻し、1-1の同点で第1ピリオドを終えた。

 第2ピリオドも両者ともにハードワークを見せ、球際の激しい攻防を繰り広げる。両GKの好セーブもあり、得点が生まれないまま迎えた37分、幾度となくチャンスを作っていたFPロドリゴが左サイドから鋭いシュートを突き刺し湘南が勝ち越しに成功。昨季のホームゲームでも湘南に敗れている浦安は、直後にタイムアウトを取得すると、FP加藤竜馬がGKユニフォームを着用し5人全員が攻撃に転じるパワープレーで逆転を狙った。昨季得点王のFP長坂拓海や、チームの司令塔として期待されるFP石田健太郎、今季新加入で左利きのFPガリンシャと得点力のある選手を配した采配だったが、湘南の守備に苦しみフィニッシュまでいけずに時間が経過する。残り30秒を切り、キックインからFP長坂が決定的なチャンスを迎えたがこれを湘南FP牧野謙心が渾身のブロック。その後の浦安は、パスを回しながらもシュートを打てずに1-2で試合が終了した。

 湘南を率いる奥村敬人監督はこの日、選手、コーチ、監督を通してFリーグにベンチ入りをして400試合目の記念すべき試合だった。試合終了のブザーが鳴った瞬間、雄叫びを上げ、大きくガッツポーズを決めた。

 昨季4連覇を遂げた名古屋オーシャンズは、ボルクバレット北九州に先制されながらも試合巧者ぶりを見せ逆転勝利。同準優勝のバサジィ大分は、参入2年目のY.S.C.C.横浜と対戦し、2-2で引き分けている。

<試合後コメント>
奥村敬人監督/湘南ベルマーレ

―――試合終了の瞬間、喜びを全身で表現していましたが、どういった気持ちでしたか?

「本当に勝ちたい試合だったので、無意識でした。その後、立ちくらみを起こしてしまい・・・(笑)。小宮山監督のところに向かった時に、目の前が真っ白になり、倒れてしまうのではないかと思ったほど興奮していました。主力を欠いていましたが、若い選手が自信をつけるためにも絶対に勝ちたいと思っていました。全員が頑張った上での勝点1なのか3なのかは、大きな差が出ます。この勝点3に意味がありますし、選手たちの自信にもつながったのではないかと思います」

――1試合4得点をノルマにしていると伺いましたが、この試合で相手GKも好セーブを見せる中、2点を奪ったことをどのように評価していますか?

「(浦安GKの)税田選手は本当に素晴らしかったですね。浦安のDFも最後の最後でしっかりと戻って体を張っていて、藪内(涼也)の決定機も防がれました。ペナルティエリア内は戦場ですが、お互いが体を張り合ったことでロースコアながら締まった試合になったと思います。4得点のノルマですが、自分たちのチャンスの数を考えたらそのぐらいは取れるだろうと思います。シュートやゴール前のシチュエーションの練習に長い時間をかけて、疲れた中で自分が何をするべきなのかを判断するトレーニングをしています。あとはフィジカルトレーニングですね。とにかく体を大きくして、シュート力や球際の強さをゴールにつなげたいと思っています。効果が出てくるのは1、2カ月後かもしれませんが、自分の持つ能力を体を生かして発揮できるようになってくれれば、4点以上を取れるチームになるのではないかと期待しています。こういった苦しい試合は心臓に悪いですが、勝ち切ることで『フットサルをやっていてよかった』という瞬間を味わえるので、本当に今日はホッとしています」

小宮山友祐監督/バルドラール浦安

――これまでも決定力が課題になっていましたが、昨季に比べ、ゴールに向かう推進力は上がっています。開幕に向けて取り組んだことを教えてください。

「“ピヴォがボールを取られない”という前提の元、プレーモデルを組み立てています。今日出場していない柴山圭吾を含めたピヴォ4人にしっかりと当て、ピヴォを追い越していくことを意識しています。(新加入の)ガリンシャはリーグでも屈指のピヴォです。今日もボールは収まっていたので、そこに他の選手がどう絡んでいくかだと思います。ですが、練習では収まると信じてボールを出し、もっとスプリントしているにも関わらず、試合になると不安を持ちながらピヴォ当てをしているように感じます。湘南の圧力を感じたのかもしれませんが、それではタイミングは合いません。第1ピリオドではピヴォ当てに特化した分、第2ピリオドではピヴォがいないサイドで1対1を仕掛けるよう指示をしましたが、湘南のロドリゴ選手のように最後に決め切る力がまだ不足しているのだと思います」

――若い選手やガリンシャ選手の加入により、攻撃のバリエーションも増えましたが、パワープレーの最後ではシュートを打たずに終わりました。あと一歩の部分の改善はどのように考えていますか?

「選手には伝えていますが、例えば石田ならキャプテンを任せて、多少コンディションに不安があっても長い時間起用していることを、本人がもっと認識しなくてはなりません。W杯に出場できる可能性があるから起用していますが、今日のようなプレーでは日本代表には呼ばれません。私自身が選手だったころの経験から『キャプテンや代表選手は、常にチームを勝たせられる存在でなければならない』と伝えています。特に石田や長坂には、得点を取るべき選手が取らないと勝てないという覚悟を、さらに強めてほしいと思います」

――初戦は落としてしまいましたが、改めて今季の目標を教えてください

「まずは今日の敗戦がとても痛かったのですが、浦安の選手と湘南の選手のどちらがより強い気持ちで戦っていたかというと、湘南の選手だったように感じます。優勝を目指しているシーズンに、こういった試合で勝たなければ優勝はできません。プレーの精度や質、ハードワークは必ず自分たちの目指す場所につながっていきます。昨季ファイティングスピリッツを持って戦ってくれた気持ちが薄れてしまわないよう、今シーズンのテーマである「こだわれ」という言葉のとおり、試合にもひとつひとつのプレーにも、すべてにこだわってほしいと思っています」

▼Fリーグ2021-2022 ディビジョン1 第1節 結果
バルドラール浦安 1-2 湘南ベルマーレ
立川・府中アスレティックFC 3-5 ペスカドーラ町田
ボアルース長野 1-2 フウガドールすみだ
バサジィ大分 2-2 Y.S.C.C.横浜
シュライカー大阪 8-1 エスポラーダ北海道
ボルクバレット北九州 1-3 名古屋オーシャンズ

By サッカーキング編集部

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