2014.11.30

Fリーグ2014/2015第23節……ホーム浦安が湘南に3発快勝も指揮官が相手に苦言「もうちょっと考えたほうがいい」

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2014年最後のホームゲームを勝利で飾った浦安が試合を終始リードした [写真]=本田好伸

 29日、Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー第23節が行われ、バルドラール浦安がホームで湘南ベルマーレを一蹴。3ゴールをたたき出して連敗を2でストップするとともに、名古屋オーシャンズ、バサジィ大分の上位2チームを追うための貴重な勝ち点3を獲得した。

 しかし試合後の記者会見で浦安の米川正夫監督が発した言葉には重たい空気が含まれていた。「ある程度やりたいことはできたし、点の取り方や試合の流れ、DFも集中していて全体的には良かった。ただ、相手のやり方にまで言及したくはないが、あのやり方だと、フットサルの魅力の一つであるプレス回避(とそれをさせない攻防)が全くない展開になる。(チームの戦い方や結果を求める上で)そこは難しい部分だが、もうちょっと考えてやったほうがいいのではないか」

 この試合で湘南が選択したのは、GKがハーフラインまで持ち上がって中央から放つシュート、それに前線へのロングボールを多用する戦い方だった。前線からの守備で相手を追い込んでボールを奪う、もしくはそれをかいくぐって攻撃するというプレス回避の攻防で強さを発揮する浦安としては、その良さを出せず駆け引きをさせてもらえない展開。浦安のストロングポイントはそこだけではないが、今シーズンの浦安が見せてきた“アグレッシブな戦い方”の一つが完全に消されてしまった格好だった。

 さらに、湘南がハーフラインからの守備を敷いてきたことで浦安にとってのスペースが少なくなり、守備陣形を崩してゴールを奪うことがより難しくなっていた。当然、この守備の選択も試合の駆け引きの一つではあり、浦安はそんな状況でも確実にゴールを奪ってみせた。5分に右サイドのキックインから中央で深津孝祐が合わせて先制すると、10分には左サイドを抜け出した加藤竜馬が中央へカットインしてゴール右隅へとシュートを突き刺し、2-0と浦安リードで試合を折り返した。

 後半、湘南はカウンターから何度かチャンスを作ったものの、浦安のGK藤原潤の好セーブもあり、追撃を図れない。湘南に効果的な打開策がないまま時間だけが経過し、ピッチには停滞感が漂っていた。すると36分、星翔太からのパスを中島孝がファーで合わせて浦安がリードを3点に広げることに成功。湘南は、「2007年のリーグ開幕以来、湘南はアウェイの浦安戦で勝利したことがなかったので、歴史を塗り変えようと挑んだが一歩及ばなかった」(横澤直樹監督)と、アウェイでの対浦安戦の相性の悪さが継続し、試合はそのまま終了した。

 この試合の浦安の完勝、湘南の完敗は明白だった。湘南の攻撃はゴール前のアイデアに欠け、GKがチームで最多の10本ものシュートを放つなど、得点の可能性が高いとは言えないミドルシュートに頼っていた。「GKを使った攻撃は狙っていた」(横澤監督)、「シュートには自信がある」(GK鈴木陽太)としながらも、日本代表の中核を担うGK藤原の牙城を崩すほどの威力はなく、こぼれ球も拾わせてもらえず、ボールはことごとくラインの外へとはじき出されていた。局面での選手個々の勝負でも浦安が勝っていたために、湘南の勝利への道は断たれ、必然のように浦安に勝利が転がってきていた。

 ただ浦安にとっては、自分たちが求めるフットサルを出し切れたわけではなかった。「相手があってのことなので難しいが、いつもこれだったらもうちょっと考えたほうがいい。お客さんがつまらないと思う」(米川監督)。自分たちの良さを出して面白い試合にできるかどうかは、相手の戦い方やテンション次第になってしまうという意味だった。そして、「相手は下位にいるが、Fリーグには降格がないので、もうちょっと自分たちが何を見せたいのか、そういうことを示してほしいなと思う。それはリーグ全体でも話していかないといけないのかもしれない」と続けた。

 リーグ戦は残り10節、上位5チームが出場権を得るプレーオフ進出争いの真っ只中にあるが、確かに現在のFリーグは昇格も降格もないために、「もっとチームのカラーが出た面白い試合が見たい」という一般の声も多い。観客にとっては、結果だけではなくその試合が面白いのかそうでないのかが重要であり、試合が魅力的であればあるほど、Fリーグに注目する人が増えていく。各チーム、各選手はそのことをもっと意識して戦う必要があるのだろう。

 浦安は今シーズン、試合の結果とともにアグレッシブさ(観客が楽しめるかどうか)を追究しながら戦い、その上で常に上位争いを繰り広げてきた。そのプライドと信念が、監督と選手を突き動かしているに違いない。そうであるならば、もはや相手のテンションに関係なくゲームを常に自分たちで動かし、観客に刺激を与え続ける試合を見せられるのではないだろうか。2014年のホーム最終戦を勝利で飾った浦安が見据えるのはリーグ制覇であり、そして“自分たちのフットサル”のさらなる追究である。

Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー 第23節
開催日:2014年11月29日
会場:浦安市総合体育館/千葉県

[試合結果]
19:00 バルドラール浦安 3-0 湘南ベルマーレ

写真・文◆本田好伸

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