2012.08.22

【ミラン編】ブロガー&サポーターによるセリエA 2012-13シーズン展望 『新たなサイクルに突入、指揮官の手腕が問われるシーズンに』

新たなサイクルに突入、指揮官の手腕が問われるシーズンに

8月25日、いよいよ2012-13シーズンのセリエAが開幕。サッカーキングではセリエA各クラブのブロガー&ファンにご協力いただき、新シーズンに向けた最新チーム情報を執筆していただきました。随時、チーム情報を追っているファンならではの濃密な情報が集結。読み応え十分な各クラブの情報をチェックしてください!
ミランを展望していただいたのは、クラブ公式のファンクラブ『ACミランクラブジャパン』のまるこさんです。

ミラン

◆2012-13シーズンの目標(予想順位)
スクデット奪還

◆今夏の獲得&放出リスト
IN 選手名 《レンタル元》←昨季最終所属
GK ガブリエウ←クルゼイロ/BRA
GK エドアルド・パッツァーリ←フィオレンティーナ
DF フランチェスコ・アチェルビ←キエーヴォ
DF クリスティアン・サパタ←ビジャレアル/ESP
MF バカイェ・トラオレ←ナンシー/FRA
MF リッカルド・モントリーヴォ←フィオレンティーナ
MF ケヴィン・コンスタン←ジェノア
FW ジャンパオロ・パッツィーニ←インテル
  
OUT 選手名 《レンタル元》→移籍先
DF アレッサンドロ・ネスタ→モントリオール/USA
DF チアゴ・シウヴァ→パリSG/FRA
DF ジャンルカ・ザンブロッタ→未定
DF マッシモ・オッド→引退
MF クラレンス・セードルフ→ボタフォゴ/BRA
MF アルベルト・アクイラーニ→《リヴァプール/ENG》→フィオレンティーナ
MF マルク・ファン・ボメル→PSV/NED
MF ジェンナーロ・ガットゥーゾ→シオン/SUI
FW フィリッポ・インザーギ→引退
FW マキシ・ロペス→《カターニア》→サンプドリア
FW ズラタン・イブラヒモヴィッチ→パリSG/FRA
FW アントニオ・カッサーノ→インテル

モントリーヴォ

◆期待の新戦力
MF リッカルド・モントリーヴォ
7シーズン在籍したフィオレンティーナから4年契約で加入。6歳の時に、ミランの下部組織に入るチャンスがあったが、両親が自宅近くのクラブを望んだためアタランタの下部組織へ。昨年もミラン入りが期待されたが叶わず、21年後にようやく実現した。エレガントなプレースタイルで、精度の高い長短のパスを繰り出すプレーメーカー。中盤の全てのポジションができるユーティリティープレーヤーでもある。アッレグリ監督がシーズンを通して、どのポジションで起用するのか注目。アッズーリの一員として出場したユーロでは、母親の出身でもあるドイツとの準決勝戦で、バロテッリのゴールをアシストするなど、イタリアの準優勝に貢献した。

エル・シャーラウィ

◆期待の若手
FW ステファン・エル・シャーラウィ
昨シーズン、ジェノアから移籍。エジプト人の父とイタリア人の母を持つ。ニックネームは、古代エジプトの王「ファラオーネ」。子供の頃からのミラニスタで、カカの大ファンでもある。スピード溢れる切れのいいドリブル、更に抜群のパスセンスとテクニックを合わせ持つ、イタリアの「若き至宝」。7月には2017年6月まで契約を延長するなど、ミランの期待も大きい。昨シーズンは、公式戦26試合に出場し、4得点するも、チャンピオンズリーグでの出場機会が少なかったので、今シーズンはCLでの活躍にも注目したい。先日のイングランド戦で、アッズーリデビューを果たし、更なるブレイクが期待される。

◆新シーズンの予想フォーメーション
※退団の可能性がある選手は除く
4-3-1-2

GK:アッビアーティ
DF:アバーテ、ボネーラ、アチェルビ、アントニーニ
MF:ノチェリーノ、アンブロジーニ、モントリーヴォ
  ボアテング
FW:ロビーニョ(エル・シャーラウィ)、パト(パッツィーニ)

◆シーズン展望
 新シーズンは、アッレグリ監督が「ゼロからのリスタート」と話しているように、まさに新しいスタートとなる。チームを率いて3シーズン目となるアッレグリの監督としての真価が問われるシーズンとなりそうだ。

 ネスタ、ガットゥーゾ、インザーギ、セードルフなど、長年ミランを支えたレジェンドがそろって退団し、更にチアゴ・シウヴァ、イブラヒモヴィッチがパリSGに移籍。昨シーズン、イブラヒモヴィッチはリーグ戦で28ゴールを奪い、膠着した試合で個人技から得点を奪い、勝ち点をもたらす試合も多かった。チアゴ・シウヴァも、ネスタの後継者としてファンの期待を受けていただけにエース級の2人が抜けたチームをアッレグリ監督がどう作り上げ、戦っていくのかが、今シーズンの注目ポイントとなる。

 ベルルスコーニ名誉会長の言葉をそのまま信じれば、ファイナンシャル・フェアプレーのため、ビッグネームの補強は望めない。ただ、大物センターFWの獲得は難しいにせよ、左サイドバック、あるいはアンカーのポジションは、補強してほしいところ。

 プレシーズンマッチを見る限り、守備面での不安は多い。攻撃陣は、昨シーズンを経験しているボアテングなどの選手を中心に、アッレグリのサッカーをさらに進化させるシーズンとなりそうだ。特に昨シーズン、怪我で離脱を繰り返したパトの完全復活にも期待したい。また、今後ミランを支えていくであろう、エル・シャーラウィなどの若手を積極的に起用してもらいたい。

 アッレグリ監督が目標としているチャンピオンズリーグ出場圏内の3位以上はもちろんだが、ユヴェントスに奪われたスクデットの奪還を狙ってもらいたい。ミラニスタとしては、どうしてもすぐに結果を求めてしまうが、長期的な計画でチームを強化していくのであれば、“新生”ミランのスタートという意味で、楽しみなシーズンとなりそうだ。

Non Mollare Mai Forza Laziali

筆者:ACミランクラブジャパン副会長 まるこ
トヨタカップでマルコ・ファン・バステンを観て、衝撃を受けて以来の熱狂的ミラニスタ。ミランを愛して、かれこれ20年。2007年クラブワールドカップの際は、クラブを密着取材。ACミランの優勝とともに、その魅力を伝えた。
HP:ACミランクラブジャパン
Twitter:@acmilanclubjpn