まもなく欧州サッカーの新シーズンが開幕!ファンが待ちわびる瞬間を前に、サッカーキングでは『ファン&ブロガーによる愛するクラブ大展望』を行います!
そのクラブを最も知ると言っても過言ではないファンという存在。彼らは最も愛するクラブをどのように見ているのでしょうか?今シーズンはどのクラブが栄冠を手にするのか。躍進を遂げるクラブは?強豪クラブが抱く不安とは?その答えが、ここに詰まっています!
第1回は、日本代表MFの香川真司やロビン・ファン・ペルシーが加入し俄然注目を集めるマンチェスター・Uをお届け!
文:マンチェスター・ユナイテッド・オフィシャル・サポーターズクラブ TOKYO
ブランチやまさん
[写真]=足立雅史
昨季、開幕のセンターハーフにファーガソン監督が選んだ2人はクレヴァリーとアンデルソンだった。CL決勝でバルサに圧倒的に試合を支配された監督が、中盤から繋いで人も動くサッカーを目指してシーズンを始めたという一つの証明であるといえる。
実際、オフ明けでフレッシュな選手たちはよく動き、ユナイテッドには珍しい開幕ダッシュも行った。しかし、運動量の低下、クレヴァリーの離脱と共に失速し、単調なサイド突破のサッカーに戻った。
今季、香川を取ったことで繋いで動くサッカーに更に近づこうとしている。ただ、去年のようにパスの出しっぱなし、パスの待ちっぱなしのサッカーでは、香川がつぶされ、ルーニーがむやみな競り合いに終始している姿が目に浮かぶ。
トップ下を置くサッカーを選択したからには、中盤が常に動き、選手が常にポジションを変えなければ成り立たない。 もちろんルーニー、ファン・ペルシーを2トップに、従来の4-4-2でサイドから崩しを試みても選手の質で勝てるプレミアでは一定の成果が出せるはずである。しかし、今後のヨーロッパでの戦いも視野に入れた一歩上のレベルへ到達するためのサッカーをするには限界が来ているのも事実だと感じる。
そういった意味でも香川を真ん中に添え、人が入れ替わりながらバイタルエリアを攻略するサッカーがユナイテッドで機能するかどうかを新シーズンは最も注目したい。
4-2-3-1のサッカーは分業制の4-4-2のサッカーよりも選手の自由度は高く、戦術的に緻密さが求められる。戦術面では決して柔軟性があるとは言いがたいファーガソン監督がこのフォーメーションを使いこなせるかによって、今季に限らず、今後のヨーロッパでも戦っていけるチームに再びなっていくかどうかが決まるはずだ。そのためにも香川の活躍はもちろん、クレヴァリーやアンデルソン、ナニといった選手がさらにプレーの幅を広げ、中心になっていってほしい。
今シーズンはユナイテッドにとって分岐点とも言えるシーズンになる。伝統のサッカーの継続になるのか、新しいサッカーが機能するのか。お隣さんとの優勝争い以上に内容が楽しみなシーズンだ。
プレミア制覇
本当の意味での核となるべき選手たちの飛躍(アンデルソン、ナニ、ジョーンズ、クレヴァリー等)
[写真]=足立雅史
日本のユナイテッドファンにとっては賛否両論。彼がトップ下としてユナイテッドに新しいサッカーのスタイルを吹き込む中心になるか、単なるオプションの一つになってしまうかで、今季のチームのスタイルは大きく変わりうる。
さらに今後数年のユナイテッドのサッカーがどのような方向に向かうのか、一つの答えを出してくれる存在であると思う。
ファン・ペルシーは得点に関して一定の保証をしてくれる選手。さらにサイドに流れてスペースを作りながらも起点になることができる彼の特徴を活かしてルーニーや香川、ナニ等との少ないタッチでの細かい崩しを期待したい。
運動量もユナイテッドには求められる。C・ロナウドですら守備に参加し、ベルバトフは運動量が足りないという理由で干されぎみだからだ。年齢的にもベテランに差し掛かりつつある彼がどこまで走れるかも気になるところだ。
もはや若手とは言えない存在であることは十分承知しているが、彼のように殻を破りきれない選手たちがどこまで飛躍できるかが、現在のユナイテッドにとって最も大事であり、その代表格ともいえる選手であるため名前を挙げた。
急所を狙うパス、フィジカルと推進力を活かしたドリブルとボール奪取など、折角の才能をムラッ気によるイージーミスで台無しにしてしまう。ビッグネーム相手になればなるほど物怖じせず、集中力の増したプレーで互角に渡り合う姿は見事なので、体をしぼってコンスタントに能力を発揮してもらいたい。
GK:デ・ヘア
DF:ジョーンズ、キャリック、ヴィディッチ、エヴラ
MF:ナニ、アンデルソン、香川、クレヴァリー、ルーニー
FW:ファン・ペルシー
筆者プロフィール
マンチェスター・ユナイテッド・オフィシャル・サポーターズクラブ
HP:http://www.mufctokyo.jp/