対峙するDFが顔を上げたとき、彼はもうそこにいなかった。
爆発的な瞬発力でDFを置き去りにすると、テクニカルなドリブルで敵陣を突破し、そして完璧なシュートでゴールネットを揺らす。
王国ブラジルが生んだ最高のストライカーに冠せられた愛称は「フェノーメノ(超常現象、転じて怪物)」。どんな戦術、どんな選手を持ってしても、怪物ロナウドを止めることなど不可能だった。
17歳でセレソンにデビュー。18歳で欧州へ渡り、毎試合のようにゴールを決め続け、たちまち世界にその名を轟かせた。
あまりに規格外のプレーは、同時に自身の体を傷つけた。度重なる怪我は、ロナウドに過酷な日々を強い、世界中のフットボールファンの夢を打ち砕いた。
しかし、ロナウドはその度に復活を遂げた。フットボールの天才は、努力の天才でもあった。
「大きなタイトルを何度か獲得した。たくさんの怪我をした。たくさんの愛情を受けた。そしてフットボールに完全に集中できた」
人々はロナウドのことを忘れない。まばゆいばかりの輝きを放ったそのプレー、天才を痛めつけた大きな怪我、そして復活のゴール。
「僕は自分が誰かよりうまいなんて宣言したことはない。とにかく、うまくなりたかっただけなんだ」
フットボールは終わらない。
怪物ロナウドよ、永遠に。
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