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頂点に向けて緩みなし…“簡単に負けない”市立船橋が真骨頂を発揮

2015.08.04

文・写真=森田将義

「チームとして、まとまりがあってがんばれる。うまい子は少ないけど、真面目で崩れないから、そう簡単に負けない代」。朝岡隆蔵監督が評価する、今年の市立船橋高校(千葉2)らしさを見せて、尚志高校(福島)を3-1で撃破した。

 市立船橋は3-1で勝利しながらも、序盤は苦戦した1回戦・岡山学芸館高校(岡山)での反省を踏まえ、「この暑さでは、最後まで持たないことは分かっていたので、前半のうちに試合を決めようと思っていた」(MF椎橋慧也)。この日は描いたシナリオ通り、立ち上がりから攻撃のギアを入れて、尚志を押し込んだ。11分には椎橋が放ったミドルシュートのこぼれを、FW矢村健が押し込み、先制すると、22分には左でボールを持ったMF高宇洋がFW永藤歩とのワンツーで、ゴール前に進入し、豪快に2点目を奪った。

 このまま引き下がれない尚志も26分にMF高梨起生の得点で、1点差に詰め寄り、攻勢を強めたが、ここからが「そう簡単には負けない」市立船橋らしさの真骨頂。相手に押されながらも、34分にはFKを獲得すると、MF工藤友暉がゴール前に入れたロングボールを展開。これをMF原輝綺が頭で合わせて、再び点差を2点に広げるとともに、試合の流れを再び自らの下へ、手繰り寄せた。

 後半は高を起点に、自らを「速いだけの選手」と評す永藤らが果敢に相手ゴールに向かい、尚志を押し込んだ。39分にはペナルティーエリア前でボールを奪った高がそのままシュートを狙うもDFがブロック。56分には右サイド高い位置でのスローインから、MF太田貴也がペナルティーエリアに切り込み、左足シュートを狙ったが、DFに阻まれた。「点を取りきれないときつい。もっと楽なゲームにできた試合」と朝岡監督が振り返ったように、後半はスコアを動かすことができず、3-1で試合を終えた。

 市立船橋の強さを改めて実感する試合内容だったが、椎橋が「一戦一戦、しっかり勝つことしか考えていない。そのために、良い準備をするだけ」と話すように、気の緩みは見られない。「簡単には負けない」イチフナは一歩ずつではあるが、着実に2年ぶりの頂点に進んでいる。

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