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「僕はそれが悔しくて」…吉田麻也が感じた屈辱と“ジャパンブランド”にこだわる理由

2018.08.28

吉田麻也が海外で経験した悔しさとは

 サウサンプトンに所属する日本代表DF吉田麻也が7月20日、ブランドアンバサダー契約を結ぶミズノ大阪本社を訪れ、新たに使用するスパイク開発に向けた足型測定や動作解析を行った。全身にセンサーを取り付けた吉田は、特殊な解析装置を使ってダッシュやクイックネス、キック時の身体の動きや加重に対するバランス、スパイクにかかる圧力などを、項目ごとの数値を測定した。

特殊な装置で足型を計測

自分の足型について説明を受ける吉田

全身にセンサーを装着(帽子も被って撮影中)

キック、クイックネスのデータを実践しながら集積する

 さらにこの日、ミズノは吉田とのブランドアンバサダー契約更新を発表。契約期間は2018年7月20日から複数年で、サッカー用品に関する改良や開発の宣伝・広報活動を共に行っていくという。

 2007年から続く契約を更新した背景には、吉田が胸に抱く“ジャパンブランド”への思いがある。「僕はそれが悔しくて…」――、海外に渡り9年、世界を相手に戦う吉田が感じる悔しさとは。ミズノの最新スパイク「REBULA(レビュラ)」の隣で語ってくれた。

インタビュー・文=サッカーキング編集部
写真=CORACAO 齊藤友也

海外で経験した歯がゆさを糧に…「『吉田といえばミズノ』と言われるように」

――昨年6月からREBULAの着用を開始しました。ここまでのフィーリングはいかがですか?
「どんどん改善されてますね。僕は長い間、前作の『IGNITUS(イグニタス)』を履いてきました。それに慣れていたので、最初はREBULAに違和感を感じることもありました。でも、色々な機能が搭載されて、フィーリングは履く度に改善されて良くなっているなと感じます」

――現在の『REBULA 2』はタングバンドが搭載されてフィット感がアップしたり、低反発素材の分布を変化させてボールコントロールしやすくしたりと、かなり改良されました。プレーに違いは出ましたか?
「IGNITUSは一枚革ではなかったので、REBULAは全く別のスパイクという感じです。ミズノ的には、REBULAは岡ちゃん(岡崎慎司)が履いていた『BASARA(バサラ)』とIGNITUSの良いところを受け継ぎながら新たな機能を加えたスパイクです。今日も足型を取って、フィードバックして、実際にスパイクを作っている方たちと話をして、自分の思いを伝えることができた。それも次のモデル、次の次のモデルに反映されてくると思います。それがミズノの良さの1つ。それは外資のブランドではできないこと。自分の国のブランド、“メイド・イン・ジャパン”の強みだと思う。本当に質が良いし、12年くらいミズノと一緒にプレーしてきて、今回も契約を更新することができた。これからもお世話になると思います。僕が選手として成長するアシストをしていただきたいです。

ミズノは日本でこれだけブランドを確立しているにもかかわらず、ヨーロッパでのシェアは少ない。僕はそれが悔しくて……。ヨーロッパでミズノのスパイクを履いていると、『金積まれているから履いてるんだろ?』みたいなことを言われる。それが非常に歯がゆい。だから、ミズノの良さを世界の人たちに知ってもらいたいです。リバウドが昔はミズノのスパイクを履いていましたけど、僕も『吉田といえばミズノだね!』って言われるようになりたい」

――ロシアW杯は赤いREBULAで挑みました。赤は好きな色ですか?
「赤好きですよ。赤と白が好きです。白は『まだまだ走れるぞ!』って感覚になるんですよ」

――一番好きな色は?
「白、赤、黒が好きですね」

――これからのミズノに期待したいことはありますか?
「もっとグローバルなブランドになってほしい。陸上とか野球、ゴルフは世界的に認知されていると思います。でも、サッカーは他のブランドのシェアに比べて大分少ない。サッカーにおいてもインターナショナルになれる伸びしろがあるんじゃないかと思う。ミズノの一番の売りは質の良さだと思うので、変わらず良い物を選手に提供していただきたいと思います」

 吉田が高すぎるリクエストを口にするのも、ミズノが誇る“モノづくり”に対する全幅の信頼、日本人としてのプライドがあるからこそ。吉田はこれからもミズノとともに、日本屈指のディフェンダーであり続けてくれるはずだ。

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