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苦しい時間帯のMVP! ゴール前に立ちふさがったU20代表DF冨安健洋

2017.05.22

白星発進を喜ぶ冨安(左から3番目) [写真]=FIFA via Getty Images

 失点を引きずることはなかった。DF冨安健洋アビスパ福岡)は、最終ラインで体を張り続け、足がつりそうになるまで走り続けた。

 FIFA U-20ワールドカップ韓国2017、南アフリカとのグループステージ初戦に臨んだU-20日本代表は開始早々に先制点を許した。「速いのは映像でも分かっていたんですけれど、今までやったサウジアラビアとかの速さではなくて、もう桁違いの速さだった」(舩木翔/セレッソ大阪)というスピードになかなか順応することができない。ロングボールで裏を狙ってくる相手に手を焼き、決していい入りとは言えなかった。すると7分、裏に抜け出したMFグランド・マージマンのシュートがブロックしようと飛び込んだ冨安に当たり、不運な形でオウンゴールを献上してしまった。

「失点の場面、自分はオフサイドで止めて、(初瀬)亮くんは(相手に)付いていったので、連係が合っていなかった。あとで話したけど、自分が下げておけば、あの失点はなかった」

 反省点を述べる冨安の口元が緩んだのはその直後だった。

「あとから聞いたら、(相手の)シュートも外れていたということだったので。それはあとから聞いて、ちょっとショックでしたね」

 そう言って報道陣を笑わせた冨安。もちろん、勝利できたからこその余裕ある発言だろうが、そのあとの粘り強いプレーが最小失点につながったことも事実だ。「前半FWをオフサイドにかけていても、2列目からどんどん湧き出るように裏を狙ってきた」という相手に手こずりながらも、試合を進める中でスピードにも順応し、南アフリカの反撃に遭った終盤にはスライディングでシュートをブロックする気迫を見せた。「Jリーグとは全然比にならないくらい疲れはきている」というほど体力は消耗。これには内山篤監督も賛辞を惜しまなかった。

「修正能力がすごく高く、柔軟性や適応能力もある。今日のディフェンスに関しては、苦しい時間帯のMVPだと思っている」

 初戦を終えた冨安の表情には充実感がにじんでいた。「こういう相手と戦って、後半は特に楽しみながらやれました。やっぱり勝つというのは気持ちいい」と勝利の味をかみ締める。大会前に語っていた「『かかって来いよ!』というくらいの気持ちでやっていきたい」という強気な守備で、次は南米王者・ウルグアイを迎え撃つ。

取材・文=高尾太恵子

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By 高尾太恵子

サッカーキング編集部

元サッカーキング編集部。FIFAワールドカップロシア2018を現地取材。九州出身。

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