2015.10.10

南野拓実、イラン戦で代表デビューなるか…欧州で得た自信と経験を生かす時

南野
シリア戦をベンチから見守った南野(中央)[写真]=Getty Images
日本代表から海外まで幅広くフォローするフリーライター。

 本田圭佑(ミラン)のPKによる先制弾に始まり、香川真司(ドルトムント)の突破から岡崎慎司(レスター)が詰めた2点目、本田との連携から宇佐美貴史(ガンバ大阪)が決めた3点目と、後半に入って尻上がりに調子を上げてシリアを3-0で撃破した日本代表。2018年ロシア・ワールドカップ アジア2次予選1位通過に大きく前進したヴァイッド・ハリルホジッチ監督と選手たちは9日の深夜便で13日の次戦・イラン戦の地であるテヘランへ移動。夕方17時から9月遠征でも使用したパススタジアムでトレーニングを行った。

 日中の気温が40度近くに達したマスカットとは違い、この時期のテヘランの最高気温は25度前後。9日は雨が降った影響で肌寒いくらいだった。日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長も「サッカーをやるのに最高の気候」と語っており、爽やかなコンディションの中、練習がスタートした。指揮官はいつも通りの屋外ミーティングからスタートさせたが、その時間は20分超。勝利の余韻に浸っている選手たちの気持ちを切り替えさせた。その後、前日の先発組と控え組に分かれてトレーニングが進み、先発組はランニングと体幹のみで一足先に終了。宿舎へと引き上げた。控え組はゲーム形式など負荷の高いメニューを消化。イラン戦は親善試合ということもあって、彼らは何とか出番を手にしようと気を吐いていた。

 その筆頭が、ハリルホジッチ体制発足後、初めてA代表に招集された20歳の南野拓実(ザルツブルク)だろう。勝負のかかったシリア戦は出番なしに終わったが、アジア予選のピリピリ感を間近で感じ、彼自身も考えさせられるところがあったようだ。

「テレビで(代表を)見るより難しい戦いだと肌で感じました。その中で後半、修正してしっかり勝ち切れたのは、経験に左右される部分が大きかった。勝ち切る大切さを間近で感じて、本当にいい経験になりました。

 特に僕は、右サイド、左サイドの動きをよく見ていました。相手サイドバックとセンターバックの間でいい距離感を取ってボールを受けられれば、質の高い攻撃ができる。自分が出たら、そこをやっていけばいいかなと思っています」と南野はプレーの具体的なイメージを膨らませることができたという。

 その学習をピッチ上で生かさなければ、彼自身の進化はない。イラン戦はもちろんベストメンバー同士のガチンコ勝負の行方を見極めることも大事だが、選手層やチームの幅を広げることも重要なテーマ。2010年南アフリカワールドカップの前から代表定着していた本田、岡崎、香川、長谷部らに今後も依存し続けた場合、日本代表は間違いなく頭打ちになる。それを避けるためにも、目下最年少の南野に台頭してもらわなければ困るのだ。

 しかも今回は、イランの方も96年生まれのMFサイード・エザトラヒ、95年生まれのFWサルダル・アズムン(ともにロストフ=ロシア)ら数多くの若手を抜擢していて、彼らにチャンスが与えられる可能性も大いにある。同世代のアジアのライバルとの戦いで、南野がインパクトを残せるかはぜひともチェックしたいポイント。ハリルホジッチ監督も出場のタイミングを探っていくはずだ。

「シリア戦を見て出たいと思った? それは最初からそのつもりで来ています」と本人も語気を強めたように、A代表デビューへの思いは人一倍強い。それも今年1月に移籍したレッドブル・ザルツブルクで着実にステップアップし、今季すでに6ゴールを挙げている自信と手ごたえがあるからに他ならない。オーストリア・ブンデスリーガはイングランド・プレミアリーグやドイツ・ブンデスリーガより少しレベルは下がるかもしれないが、屈強な男たちを相手にゴール数を伸ばし続けているのは大きな成長の証。イランも185センチ超の屈強な守備陣がずらりと並ぶだけに、オーストリアでの経験が生かされる場面もありそうだ。

 いずれにしても、次の一戦は南野が出番を与えられるか、出た場合にはゴールに直結する仕事を見せられるかが大きな注目点。彼にはここから3日間の準備期間にできる限りの準備をしてほしいものだ。

文=元川悦子

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