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広島、新スタジアムから平和発信へ…仙田社長「感動が力になると実感する施設を目指したい」

2023.05.11

建設中の新スタジアム [写真]=湊昂大

 サンフレッチェ広島は10日、新スタジアムの指定管理者に正式に任命されたことを受け、仙田信吾代表取締役社長が記者会見を実施した。会見は、原爆ドームの隣にある「おりづるタワー」にて、新スタジアムの建設現場が見渡せる会場で行われた。

 新スタジアムは広島市中心部の中区基町に建設中で、2022年2月に工事が始まり、2023年末に完成する予定。男女両チームの新本拠地として、2024年2月にオープンする。サンフレッチェ広島は今年3月、広島市議会の承認を受けて新スタジアムの指定管理者に正式に任命された。


 仙田社長は、指定管理者任命を受けて改めて、「国内初の『まちなかスタジアム』として試合日以外でも一年中賑わい、広域に多世代の人々を引き付ける魅力ある施設とします」と抱負を語った。

仙田社長、新スタジアムバックに [写真]=湊昂大

現状を説明する仙田社長 [写真]=湊昂大

「試合開催日には、Jリーグでも評価の高い攻め続ける姿勢と、サンフレッチェ広島の伝統である、ひたむきなチームプレーに一層磨きをかけ、タイトルを狙えるチームであり続けていきます。WEリーグに中国四国九州で唯一参画したサンフレッチェ広島レジーナが、同じスタジアムで、男女共同参画社会のシンボルとして広島に新しい風を吹かせていきます」

 また、「新スタジアムには、広島から世界に向けた、グローバルメディアとしての役割が求められます」と話し、平和記念公園を設計した建築家の丹下健三氏の構想や広島のサッカー史を紹介しつつ、新スタジアムからスポーツを通じた平和発信に取り組むことを強調した。

「『スポーツの力』『夢』『世界平和』を、私たちは、地域の皆様と一緒になって子供たちに、未来に、この場所から発信し続けていきます。サッカーは世界の共通言語です。サッカーの感動とサッカーができる平和の喜びは、広島独自のスポーツの歴史が持つ説得力をもって、世界中から広島にやって来る人々にも共感と共鳴をもたらすことでしょう」

原爆ドームの奥に見える新スタジアム [写真]=湊昂大

 サンフレッチェ広島は指定管理者として新スタジアムの運営を行っていく。施設内にはミュージアムが設けられ、サンフレッチェ広島の歴史だけではなく、広島のサッカーの歴史を展示する予定。クラブのオフィシャルショップもできるようで、社長は「グッズはこれから大いに充実させて、日常のサッカーグッズの買い物も新スタジアムでできる形にしていきたい」とコメント。シーズンパスや年間指定席などの情報は夏ごろに詳細を発表する見込みだという。

 仙田社長は、「新スタジアムで感動と歓喜を持って皆様に受け入れられるような男女のサッカーをお見せしていくことがベースにある。その上で、試合のない日にも憩える施設にしていくためには“学び”が必要になる。広島のサッカースタジアムならではの、我々しか表現できない、『サッカーが生きる勇気を与えた』という歴史的な事実を広く世界に発信していきたい。サッカーのワクワク感、感動がそういう力になるということを試合の中で実感できるような施設を目指していきたい」と語った。

By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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