野々村チェアマン(左)と、山田DAZN Japanエグゼクティブバイスプレジデント(右)
Jリーグは30日、DAZNとの放映権契約の一部を見直し、2023年から2033年までの新たな11年契約を締結したことを発表した。
今回の契約見直しでは、レベニューシェアのスキーム変更などがあるが、放映に関しては大きく(1)地上波放送増加を目指すこと(2)2024シーズンからJ3の放映権をDAZNが手放すことの2点がポイントとして挙げられた。
同日行われた会見に出席したJリーグの野々村芳和チェアマンは、地上波放送の露出増について「欧米と日本のサッカーを取り巻く環境とかメディア環境も違う中で、今のやり方ではなかなか成長できないのではないかという話をずっと重ねてきました。DAZNさんにとってもしっかりとプラスになるような形を目指していく中で、地上波、特にローカルでの放送の枠を増やしていこうということを契約の中で、両者納得して進めるというようなことができるように今回なりました」と、各クラブに沿った露出をもっと増やすことを目指しながら、多くの人に伝えることにトライしないとJリーグ、DAZNの双方の成長につながらないという点をJリーグからDAZN側に説明したことから、変更に至ったと話した。
地上波放送については、DAZNでの有料放送がある中で、地上波での放送回数制限を緩めることを設定。各局に対してJリーグから働きかけていくとみられる。
また、J3リーグの中継について、今季終了まではDAZNで放送。来季から放映権がなくなるが、DAZN Japanエグゼクティブバイスプレジデントの山田学氏は、「今後もJリーグさんと引き続き、話をするポイント」であるとして、今後Jリーグとのタッチポイントを増やすトライをしたいという野々村チェアマンの意向も踏まえ、「J3がより多くの方に触れられやすくなる環境を作ることもあります。我々はハイライト番組やオリジナル番組もありますので、当然J1、J2だけではなく、J3も扱わせていただきたいと思っています。チャンスがあればイベントやキャンペーン含め、いろいろな形でJ3にも、我々が貢献できるところは最大限貢献していきたいと思っています」と言及。DAZNでも継続して扱う可能性はあるようだ。
野々村チェアマンは来季以降のJ3視聴環境については、「今正確なことは言えませんが」と前置きしつつ、「全試合を見られる環境を整えることは、これはもう100%保証します」と明言。「どこでどう見られるのかはこれからですが、特にJ3は地域のクラブが多いですし、これからもっと仲間を増やしていかなければいけない中、今のままのスタイルでやるよりは、全試合が見られるプラットフォームなりをどこかは用意した上で、地域での地上波などの中継をよりやりやすくするために、今回の契約にした方がサッカー界のために、僕はなると思ったので、こんな着地をしましたというところです。実際に地域で中継することは簡単なことではないですけが、そこに対してはJリーグも人もお金も使って、より多くの人にその地域のゲームが伝えられるようにすることの提示することにトライしていきたいと思っています」と続け、Jリーグ側で体制などを整える考えも示した。
NBAやF1、NFLといった他スポーツ運営団体では公式に配信サービスを手掛けることもあるが、「将来的にどうなっていくのか、OTTサービスの世界含め、どう多くの人に届けるか、いろいろな可能性が考えられる中で、Jリーグとしても自分たちでできるのかどうなのかも含めて、いろいろなトライをしていかないといけないと思うんです。その将来を見据えた上で、J3のゲームをどういう形で皆さんにお届けするかというのは、いろいろな可能性を模索しながら、時代の流れに合うような形でお届けできれば」と、検討案の一つでもあると話している。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト