ファジアーノ岡山で2シーズンの武者修行を積んだ生粋の“浦和っ子”が、古巣への復帰を決断した。
選手層が厚い浦和レッズでポジションを確保するのは容易なことではない。実際、MF矢島慎也はここまで思うように出場機会をつかめていない。
「別に話すことなんてないですよ」
そんな冗談を言いながら自嘲気味に笑う。こうして始まった今回のインタビューで矢島が吐き出した言葉には、戸惑いやじれったさが詰まっている。それでも厳しいサバイバルに挑み、「僕のサッカー人生はまだまだ続いていく。この時間も無駄にはできない」と腐らずに汗を流す23歳の表情には、たくましさが漂っていた。

インタビュー・文=高尾太恵子
取材協力・写真=ナイキジャパン
■今までやってきたサッカーと真逆
――3年ぶりに戻ってきた浦和レッズの印象はいかがですか?
うまく説明できないんですけど、やっぱり浦和は難しいサッカーをしていると思います。岡山とはやっていることが違うし、自分の考えと違うことを求められることも多いですね。プレー中に起こるあらゆるシチュエーションの中で自分が考えていることと、(ミハイロ・ペトロヴィッチ)監督が求めていることが違う。そういう状況を抜け出すためにも、早く浦和のサッカーを吸収していかなければいけないと感じています。
――つまり、あるシチュエーションで矢島選手はAを選択すべきだと思っていても、監督の答えはBであると。
簡単に言えばそうですね。自分が今までやってきたサッカーとは真逆。似ているようで、全く違う。別物なんですよ。今までの自分のプレーとは違うことをしないといけない。大きく変わらないといけない部分です。
――今まで自分が持っていなかった引き出しを増やしていく作業をしているということでしょうか。
はい。ただ、それが想像以上に難しくて……。おそらく選手には一人ひとりにサッカー観のようなものがあって、僕にも約20年のサッカー人生で培ってきたものがある。それが全く違うので、難しいです。
――期限付き移籍で岡山に加入する前とは違った壁ですね。
そうですね。当時はついていくだけで精一杯でした。でも、今はいろいろなことを考えながらできている。岡山ではコンスタントに試合に出ていたし、特に守備面での成長を感じています。だから、今のチームでもやれる自信はある。もちろん、個々の質の高さは練習を通して感じているけど、その中で自分ができないとは思いません。浦和の選手たちは、一対一の局面や球際といったサッカーの本質の部分のレベルが高いので、むしろ一緒にプレーしていてすごく面白いですね。
――岡山ではボランチでプレーしていましたが、浦和ではシャドーで起用されることが多い。ポジションの違いにも戸惑いがあるのでは?
ありますね。でも、ポジションが変わったことを言い訳にはしたくない。ボランチとシャドーにはそれぞれ役割がありますけど、シャドーのほうがより得点という結果を求められると思うので、ゴールは常に狙っています。
――先ほど「自信がある」という言葉が出てきました。岡山でボランチをやっていた強みはどんな部分で生かせると思いますか?
やはり守備面です。動きを予測して、相手からボールをかすめ取るプレーはうまくなったと思います。ただ、浦和の守備は前線からどんどん人に当たっていくスタイルなので、普通のチャレンジ&カバーとはちょっと違う。チャレンジしてチャレンジして、という守備スタイルはキャンプの時から求められていたんですが、意識の部分でのギャップは大きかったですね。ただ自分にとってはどちらのスタイルにも対応できることがベストなので、今は日々吸収しているところです。

■“あの感覚”を失わないために
――話を伺っていると、どこか迷いのようなものを感じます。
それはあるかもしれません。でも、やるしかない。せっかく岡山で試合に出て成長していたのに、出場機会が減ったからといってコンディションを落としてしまうようではダメです。自分がやれることを続ける。試合に出られなくてもしっかりと練習をして、足りない部分を補って、今後につなげていかないといけないんです。チャンスはいつ訪れるか分からない。だから今は、やり続けるしかないんですよ。
――移籍を決断する上で、こういう状況もある程度覚悟していたかと思います。
そのとおりです。「ここに来て、後悔していないか?」とよく聞かれます。試合に出られないという点だけで言えば、後悔していないと言うのは嘘になる。でも仮に別のチームに移籍して、試合に出ていたとしても、きっとどこかで「浦和でやりたい」という気持ちが出てきたと思うんです。だからここに帰って来たことに意味はある。今は出場機会が限られているけど、僕のサッカー人生はまだまだ続いていきます。この時間も無駄にはできないと思っています。
――ウェスタン・シドニー戦では、まさに限られた時間で結果を残しました。(編集部注:2月21日のAFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第1節で85分から途中出場)
思っていたよりもボールに触れられたので、点を取りたかった。そういう意味で手応えは全然なかったですけど、5分間でアシストできたのは良かったですね(笑)。自分がうまくなるために何をすればいいのか。出場時間を増やすためにも、今はそれを考えるしかないです。
――そういうことを考える時間は、岡山時代よりも増えましたか?
いや、試合に出ている時のほうが考えている時間は多かったです。試合に出ていれば、選手の意識が高まるのは当たり前なんですよ。試合に出ると課題や修正点が分かる。でも、試合に出ていないとモチベーションを保つことさえ難しいことがあります。そういう時期に、いかに意識を高く持てるかが本当に大事だと思っています。そうでないと、いざチャンスが巡ってきた時に何もできない。岡山で試合をこなしながら、いろいろなことを考えていたあの感覚を失いたくないので、そこはすごく意識しています。
――「いつ出てもいいように準備をしておく」と言っても、そんなに簡単ではないと。
難しさを痛感しています。でも、他の選手はそういう態度を表に出さないんですよ。試合に出られなくて絶対に悔しいはずなのに、黙々と練習をやって、足りない部分を自主練習で補っている。そういう姿を見ていると、自分もやらないとダメだという気持ちになる。先輩たちがやっているのに、20代前半の僕ができないのはおかしいでしょう。僕のサッカー人生はまだまだ続いていくわけだから、1日も無駄にはできないんです。
――では、最後に新デザインの『マジスタ』の印象を聞かせてください。
色がかっこいいですよね。久しぶりに白がベースでシンプルだし、逆に目立つので気に入っています。僕はこのスパイクを履き続けているので、親しみがありますし、「この靴でないと!」という思いもある。軽くて、蹴りやすい。ボールコントロールもしやすいですね。

【PR】WINNERでJリーグをさらに面白く!
サッカーキング編集部が注目カードを大予想! アナタはどんな試合結果を予想する?
堅実さ重視、大穴狙い、推しクラブ一択……1試合予想くじWINNERでJリーグの熱い戦いがもっと楽しくなる!
- ① 推しのクラブ、予想しやすいゲームなど“1試合”から予想・購入できる!
- ② インターネット決済なら試合開始10分前まで購入可能!
- ③ くじの売上の一部はアナタが応援するクラブにも還元される!
【PR】「ABEMA de DAZN」学割プランで半額に!
「ABEMA de DAZN」は、ABEMAでDAZNスタンダードのコンテンツ(※1)が視聴できるプラン。DAZNスタンダードのJリーグをはじめとした国内外のスポーツコンテンツをABEMAで楽しめる。
学生向けプラン「ABEMA de DAZN 学割プラン」(※2)を活用すると 通常の年間プランの半額となる年額16,000円(実質、月額1,333円)で視聴が可能に。明治安田Jリーグ/ラ・リーガ/セリエA/ブンデスリーガ/リーグ・アン/F1などをこの機会に楽しもう!
※1 プロ野球、DAZN LINEAR、追加有料コンテンツ(ペイ・パー・ビュー)は対象外。
※2 高校生、専門学生、短大生、大学生、大学院生が対象。
- ① 「ABEMA de DAZN 学割プラン」なら通常の半額となる年額16,000円(実質、月額1,333円)で視聴可能!
- ② Jリーグ、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガなどコンテンツが盛りだくさん!
- ③ コメントしながらのライブ観戦、追っかけ再生、見逃し配信など楽しみ方も充実!
【PR】Jリーグを楽しむなら
「DMM×DAZNホーダイ」!
「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZNスタンダードをセットで利用できるプラン。単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZNスタンダード月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です!
- ① 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!
- ② Jリーグをはじめとする様々なスポーツ、アニメ・エンタメが見放題で楽しめる!
- ③ 新規入会月から3カ月間、「DMMポイント」が毎月550ポイントもらえる!
【PR】Jリーグは
「DAZN」が独占配信!
「DAZN」とは、スポーツファンが好きなスポーツをいつでもどこでも楽しめるスポーツチャンネル。
「DAZNスタンダード」ならJリーグをはじめ、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アン、WEリーグ、国際大会に加えてプロ野球、バスケ、F1、テニス、ゴルフなど幅広いスポーツコンテンツを堪能できる。
支払方法は、①月間プラン:月額4,200円・税込、②年間プラン(一括払い):32,000円・税込(月換算約2,667円・税込)、③年間プラン(月々払い):月額3,200円・税込の3プラン。ご自身の楽しみ方に合わせてチョイスしよう!
- ① Jリーグをはじめ海外サッカーやプロ野球など様々なスポーツコンテンツが見放題!
- ② 見逃し配信やハイライトはもちろん、オリジナルコンテンツも充実
- ③ 年間プラン一括払いなら、実質1カ月2,700円以下で視聴できる!
By 高尾太恵子
サッカーキング編集部



