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【ライターコラムfrom鳥栖】新たな形を示しつつある鳥栖の攻撃。2017年型へバージョンアップできるか

2017.04.13

新潟戦で豊田(左)のゴールをともに喜ぶ小野(中)とイバルボ(右) [写真]=Getty Images for DAZN

 明治安田生命J1リーグ第6節を終えて、2勝2分2敗で勝ち点8の11位に位置するサガン鳥栖。マッシモ・フィッカデンティ監督が就任した昨季の同じ時期は1勝2分3敗だったため、今季は1勝多くなっている。しかし、フィッカデンティ監督2年目、しかもクラブ初のタイトルを目標に掲げてスタートしことを考えると物足りない数字だ。ただ、沖縄キャンプの途中から3月までにFW小野裕二やFWビクトル・イバルボなど6選手が新たに加わったことを考えれば、これも仕方のないことだろう。第6節のアルビレックス新潟戦では今季の新加入選手4人が先発出場。前節に続いて3ゴールを奪い3試合ぶりの勝利を手にした。

 今季の鳥栖を見て気づいたことがある。それは攻撃においてクロスが減っていること。昨季1試合平均で17本以上を数えたクロスが、今季は1試合平均12.5本と5本近く減っているのだ。昨季、クロスからアシストをしていた左SB吉田豊は「前(の選手)だけで攻撃をやれているんですよね」と話しながら、「組み立てながらオーバーラップしてクロスを上げられるシーンはあるので、そこは課題」と続けた。そんな吉田のプレーにも変化が見られる。攻撃参加の際、クロスではなくドリブルで仕掛けることが増えたのだ。「(クロスを上げるという)ベースをやり続けることも大事ですけど、バリエーションを加えていかないといけない。自分で打開する場面を増やすことでクロスも生きてくる」とその理由を話した。

 攻撃のタクトを振るMF鎌田大地に加え、イバルボや小野などペナルティエリア付近で仕掛けられる選手がいることでクロスの本数は減った。しかし、これによりイバルボが2試合連続でPKを獲得するなど昨季までと違う効果が現れている。これに空中戦で無類の強さを誇る豊田陽平にクロスを入れる昨季までの攻撃を融合できれば、相手にとってさらなる脅威となるのは間違いない。

 第5節・FC東京戦を終えた後、DF谷口博之は「もっと全員が守備と攻撃の意識も持たないといけない。鳥栖は組織で戦っているチームなので」と話した。谷口の言うように、鳥栖はチームの高い意思統一を武器にJ1で生き残って来た。その組織の中にイバルボなど個の能力の高い選手をいかに取り入れ、組織の中で彼らの個の能力を生かす戦い方が2017年型の鳥栖スタイル。これを成熟させることができれば、クラブ悲願のタイトルが見えてくる。

文=荒木英喜

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