■清水エスパルス 負傷の角田誠に替わるセンターバックの代役に注目
第3節新潟戦の勝利で、J1では約3年ぶりの連勝を果たした。2勝1敗の6位に浮上すると同時に、自分たちの戦い方に大きな手応えを得た。今節は昨年2冠を獲得した鹿島との戦いだが、ひとつ勝ち越したことによって、「負けられない」ではなく、「思いきりチャレンジさせたい」(小林伸二監督)という姿勢で臨めるのは大きい。
守備に関しては2試合連続完封中で、3試合で喫した失点は神戸戦のCKからの1点のみ。攻撃も試合ごとにリズムが良くなっており、新潟戦では野津田岳人のボランチ起用が当たって、彼の展開力によりピッチをよりワイドに使えるようになった。そしてサイドをきっちりと攻略して先制点を奪い、終了間際にはカウンターから追加点。「守れる」だけでなく「点が取れる」という自信も得ている。
ただ、鹿島は守りが堅く、カウンターやセットプレーからの得点も多いので、スタイル的に相性が良いとは言えない。清水が主導権を握る時間を作ったとしても、鹿島のゴールをこじ開けるのは簡単ではなく、不用意なミスが出ればカウンターから失点を食らう恐さもある。また0-0の膠着した展開が続いても、鹿島はセットプレーからの1点で勝ち切れるチームであり、清水はセットプレーの守備が万全とは言えない。
その意味では、最後まで集中力を保てるかという部分も重要になるが、センターバックの角田誠が左足首を捻挫したのは痛い。彼が欠場になった場合、誰が声を出して守備陣を引き締めるのかが見どころになる。また、ビルドアップ重視なら野津田のボランチを継続したいところだが、セットプレーの守備を考えるとフレイレの高さ(187cm)も重要だ。彼をCBで使う可能性もあり、その起用法にも注目したい。(totoONE編集部)
■鹿島アントラーズ 2トップはP・ジュニオールと、絶好調の鈴木優磨か
鹿島は3月に入ってからACLとJリーグで公式戦3連勝を飾り、良い形でアウェイの清水戦を迎える。すべてが整った上での勝利ではなかったものの、安定した守備に支えられ、最後にリードを奪って終了のホイッスルを聞くことができた。今季新加入のクォン・スンテはディフェンスラインと積極的にコミュニケーションを重ね、日に日に連係を向上させている。チームはセンターバックの昌子源、植田直通を中心に堅守と呼べる形に近づきつつあると言っていいだろう。
昌子は「レオも、(永木)亮太くんも指示に耳を傾けてくれるようになってきた。自分や後ろからの指示でボールが奪えたり、そこにいることで違う選手がパスをカットできたり、うまく守れることの積み重ねで、前の選手は耳を傾けてくれるようになる。良い形になってきたと感じている」と手応えを口にしている。過去の成績からアウェイの清水戦は苦手にしているが、鹿島の守備が大きく崩されることは考えにくい。
そこで勝つため大事になってくるのはどの時間帯に先手を奪えるか。攻撃陣に目を移すと、金崎夢生がコンディション面の問題から試合2日前の練習を休んでおり、主力組の2トップはペドロ・ジュニオール、絶好調の鈴木優磨がテストされた。また、2列目は土居聖真、レアンドロの組み合わせも試された。右サイドバックも西大伍が打撲から復帰を果たしており、伊東幸敏と選択できる状況にある。清水戦後は代表ウィークでリーグが中断するため、序盤の一区切りとなる一戦。全タイトル獲得を目指す今季、この試合を勝って終わることができれば、まずまずのスタートを切れたと言える。(totoONE編集部)
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