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【スカサカ!ライブ】J1昇格2クラブの曺監督、高木監督が語る17シーズン「もう、頭抱えました(笑)」(高木琢也)

 番組レギュラー解説委員を務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く!」の特別篇として、湘南ベルマーレの曺貴裁監督、V・ファーレン長崎の高木琢也監督をスタジオに招き、生対談が行われた。

■2017シーズンのJ2について

岩政大樹(以下、岩政) まず、今シーズンのJ2リーグ、お二人戦われて、例年と変わったことってあります? どういうリーグでしたか?

曺貴裁(以下、曺) 2年間J1でやらせてもらって、2014年以来だったんですけど、どのチームも本当にスキがないし、全体的に大差で終わる試合はほとんどなかったんじゃないかというぐらい拮抗したリーグだったと思っています。

高木琢也(以下、高木) いろいろな監督さんがとにかく替わっていく中で、毎年毎年の流れもありますが、相手チームを研究していく中での戦いというのが、より若い監督が出てきて、より難しいリーグになっているな、というのは毎年思います。

岩政 スペイン人やアルゼンチン人の監督もいらっしゃいましたけど、これまでと色の違う監督さんがいたのも今シーズンのJ2の特徴だったと思うんですけど、そういったチームとの試合って、何か違いましたか?

曺 高木さんがおっしゃったように、初めてやるというか、今までそういうチームでなかったのに全然毛色が違うチームになっていたりだとか、ファーストステージとセカンドステージ(シーズン前半と後半)でちょっと変わっていたりだとか。でもその、研究したことに合わせてばっかりだと良さも出ないし、監督としては非常に勉強になるリーグだったなと思います。

高木 外国人の、特にスペイン人とかアルゼンチン人の監督さんのチームとやる時には、ある種、世界の色というか、雰囲気を感じたい、どんなものかなというのは、すべてのゲームではないですけど、感じたいなというのはありましたね。その中で、かなり細かく指示をしたり、人の配置がすごく変わったりというのはありましたし、1年間戦ってからですけど、面白いリーグだったなと思っています。

岩政 両チーム、少し似ているところというと、湘南にはFWにジネイ選手がいて、長崎にはフアンマ選手がいて、だけど彼らに「ゴールを決めてください」というサッカーではなく、どちらかというと彼らをうまく使いながら、他の選手が輝くという部分が少し似ている、共通点なのかな、と思うんですけど、それはJ2を戦う上で、メリットになっていく感覚の上で作られているんですか?

曺 ……どうぞ(笑)。

岩政 言いづらいところありますか?

高木 じゃあ僕いきます(笑)。僕は、データ的にというか、世界的に、個人で打開できるストライカーがいればアタッキングサードでいろいろなことができますけど、だけどなかなかそういう選手はいないですよね。なので少し、我々であればフアンマの高さとか、体の強さをうまく生かしながらというのは、一つポイントとして作りたいなというのはあったんですよね。そこがないとやっぱり、下がった相手はなかなか崩せないなというのがありましたし、最終的には高さとか、人がいるところの、動いた後のスペースをうまく使えるのが一番理想であって、岩政さんがおっしゃったように、大きい選手をうまく使えたかなと思っています。

曺 そういう選手が前にいると、やっぱり意識がそっちに行くんで、周りでチョロチョロする選手がフリーになるみたいなところはありますよね。やっぱり全体的にクローズになって、どっちが勝つか分からない展開の時に、途中から入れたり、ポイントには間違いなくなるし。ただ、それだけでうまくいくようなリーグではなかったなというか、そう思います。

■流れをつかんだ瞬間について

岩政 両チーム最終的に昇格を果たすわけですけど、選手だと本当に決まるギリギリまでいろいろな不安があるんですけど、監督はいろいろな流れなど見ているじゃないですか。どこかで「あ、これは行けそうだ!」という感覚はシーズン中にあるんですか?

曺 どうですか? 長崎さん、最後すごかったから。

岩政 すごかったですよね。あの時って。

曺 見ていても「あ~負けないな」っていう。

岩政 そうですよね。外から見ているとあるんですけど、中にいると?

高木 そういうふうに……まあ、負けないな、とは思わないですよ。今のこの流れを絶対に僕が潰しちゃいけないな、と思って。それはちょっと気をつけました。一言とか、練習の内容も含めて、そこはちょっと気をつけました。でもここ(湘南)は早く決めましたから。

曺 いえいえ。僕らは、夏をうまく乗り切れたんですよ。相手がちょっと、みんな疲れてきていたかな、という時にホームゲームがたくさんあって、(東京)ヴェルディさん(7月16日の第23節/2-0)とか徳島(ヴォルティス)さん(7月29日の第25節/2-0)とか松本山雅さん(8月5日の第26節/2-1)とか、続いたんですけど。最後、優勝決まった後に全然勝てなかったことを考えると、最後までもつれたら正直どうなっていたか分からなかったなっていうぐらい。だから、スタートダッシュとかがああいう時って大事なんだなって改めて思いましたけど。

岩政 夏を乗り切ることはJ2の一つの定石というか、夏をどう戦うかは、春と少し戦い方を変えるというか、少しマネジメントを変えなきゃいけないと思うんですけど、夏に気をつけていることはあるんですか?

曺 それは試合の時に、何分アップやって、ここでアイスバス入ってとか、一つ言うとそういうところも勝負ですし、コンディショニングと戦術と相手の分析が、うまくハマらないと抜けられないなというか。相手がめちゃくちゃ元気な時は、いくら戦術的なことをやっても厳しいだろうし、前の2試合では全然だったけど、いきなりこの試合では元気だとか、その逆もあったし、読めないところがありましたね。夏は。

高木 やっぱり休養でしたね。試合をやった後はだいたいリカバリーをやって、そのリカバリーの時に試合に出ていなかった選手がゲームをして、翌日休むと。その流れはずっと変えなかったです。なので、次の試合が中3日になる時もあれば、中2日になる時もあるんですけど、そのルーティンだけは絶対に守って、とにかく休養は与えて。しかも夏にすぐ休養を与えるのではなくて、夏に向かって1カ月、2カ月近く前から休養していくというのが良かったです。

■直接対決について

岩政 今年も当然、直接対決があったわけですけど、お二人が対戦する時って、監督さんの顔も試合前の想定ではしますよね? 高木さんとやる時っていうのは、曺さんはどういうことを考えるんですか?

曺 俺は結構やりづらいですよ。ですよね?

高木 やりづらいです。だって、僕らよりもスピード感もあるし、パワーもあるチームだったので、やっぱりイヤですよ。百戦錬磨ですから。

曺 アウェイの長崎の試合はウチが勝ったんですけど(第27節/0-2)、でも点を取るまではずっと長崎のリズムで、「食らっても仕方ないな、食らったらきついな、この試合」と思っていて、たまたまみたいな得点を取れたんですけど、そういうギリギリの感じがすごくありました。今年は。どこもそうだと思うんですけど。

岩政 あの試合はセットプレーで得点を取りましたけど、長崎は本来、セットプレーが強いじゃないですか。あれって準備もあったんですよね?

曺 当然あるけど長崎のセットプレーもめちゃめちゃ良かったから。

高木 あのパターンは、僕ら練習していたんですよ。こうやってくるから気をつけろと言っていたらやられちゃった(笑)。もうね、頭抱えましたね(笑)。

岩政 その時は高木監督は、次の日のミーティングでは結構厳しく言われるんですか?

高木 いや、それはもう言わなかったです。

曺 でも、そういうのあるんですよ。言っていて、分かっているのに、という。でも逆に、分かっているからやる。相手が分かっていることをやることで、例えば2本目に違うことをやるとか、そういった駆け引きですよね。わざとそれをやっておいてとか。

高木 でも僕は、まさかそれをやってくるとは思わなかったですよ(笑)。

曺 というのがあるんですよ。

高木 だって、動きが全体的にいびつになるんで、「それはちょっとな~」と(笑)。

岩政 それが2試合目で、初戦(第17節)は1-1で、湘南が先制した試合でしたが、あの時は4バックでしたよね?

曺 4枚で、途中から3枚にしたんじゃないかな。

高木 あの時は4枚で3枚にしました。

岩政 そういうシステムの作り方は、相手を想定してのものなのか、それともその時の選手の……。

曺 あの時は、ウチに関してですけど、3バックのチームがJ2にすごく増えていて、ウチのやることが全部ばれているなっていうぐらい、相手に蓋をされていることが多かったんで、ちょっと目先を変えないと(と思って)。ただ、良かったか悪かったかは分からないですけどね。長崎はずっとやってきたからこそ安定してきたかもしれない。俺はちょっといじくったから。今から考えると、どっちが良かったのか。実際それであまり勝ってないんですよ。実際は。ただチャレンジという意味では、選手が戻る場所をもう一度フレキシブルにするという意味ではよかったと思いますけど。これも来年どうするかって、ちょっと想像つかないですよね。

岩政 長崎の場合は、一昨年ぐらいから3ボランチみたいなシステムも取り入れてやっていましたけど、今年は比較的3-4-3がハマって、それがほとんどでしたよね。

高木 そうでしたね。多少やっぱり変えようという時期もあったんですけど、変えて結果が出るかどうかも分からないし、であれば「この形でずっとやっていこう」と思いました。あとは、いる選手ですよね。いる選手によって、例えば中盤を3枚にするとか、前線を2トップにするとかっていうのは考えますけど。

岩政 ではどちらかというと、相手チームというより、自分たちのチームのその時のチームのストロングポイントが出るように。

高木 そうですね。

 12月15日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、EAFF E-1サッカー選手権2017の日本代表の試合を振り返る。また、高円宮杯プレミアリーグチャンピオンシップ・参入戦特集や、JPFA合同トライアウトに密着した様子も放送される予定となっている。

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