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米田博美(C大阪ヤンマーレディース)守備も攻撃もできるセンターバックに

2024.03.04

約2カ月間に及んだ中断期間を経て、3月から再開するWEリーグ。
今シーズンから新規参入しているセレッソ大阪ヤンマーレディースは、
目標に掲げる「5位以内」を目指し、チーム一丸となって戦っていく。
プロ1年目のシーズンに大きな期待を背負う選手たちの連続インタビュー企画、
第11回は、進境著しい19歳のセンターバック、米田博美が登場してくれた。

些細なことの積み重ねが結果や成功につながる

──試合にはセンターバックで出場しています。自身の特長、ストロングポイントを教えてください。

米田 特長は冷静な判断と、(足元の)技術を発揮したプレーです。落ち着いてボールを回すのと、縦にパスをつけて攻撃の起点になるのが役目です。

──センターバックの競争は激しいです。

米田 競争があるのはとてもいいことだと思います。(プレーの)良さは一人ひとり違うので、出し合って、いい競争が生まれています。(鳥居塚伸人)監督からは「ストロングポイントに自信を持つように」とずっと言われています。

──もともとセンターバックではなかったそうですね。

米田 高校2年生のときに週1回、レディースの練習に参加していました。紅白戦があり、そこでセンターバックでプレーし、U-18でもやってみようとなったんです。以前はボランチやサイドハーフ、FWをしたこともあります。

──サッカー選手として大事にしている信念、考えはありますか?

米田 「勝利の女神は細部に宿る」です。些細なことの積み重ねが結果や成功につながると思っています。中学生の頃は特長のない選手でした。高校に入って、毎週スプリントや走るトレーニングをしました。周りの選手よりも走れないと分かっていたので、(走力をつけるために)スタートラインよりちょっと後ろから走り、みんなを抜かそうと意識しました。

足元の技術を生かし、攻撃の起点としてもチームに貢献している[写真]=セレッソ大阪

──ご自身にとって、セレッソ大阪ヤンマーレディースはどんな存在ですか?

米田 最高の仲間、指導者と出会え、自分を成長させてくれた場所です。みんなの仲が良く、先輩も優しく、すごくプレーしやすいです。オフも(チームメートが)いっぱい話してくれるので、ものすごくいい雰囲気だと思います。

──上下関係のようなものはないと。

米田 下(の世代)から押し上げていくことが大事だと思っています。年齢に関係なく下から、自分が(チームを)引っ張っていけるようにやっていきたいと思っています。

──ほぼ全員がセレッソ大阪アカデミー出身。そのアカデミーの良さはどんなところにあると思いますか?

米田 サッカーをする環境はとても良いと思います。トップチームが近く、いい選手だとどんどん上に上がっていけるのも魅力です。

──今シーズンからチームがWEリーグに参入しています。生活面で変わったことはありますか?

米田 練習以外の自分の時間が増えたので、うまく活用して体のケアに使っています。ジムで体を動かしたりもしています。筋力的なところはまだまだなので、体格のいい選手と対峙したときに負けない体づくりをしないといけないと思っています。スピードもつけたいです。

年末の新潟L戦で「少しつかめた」

──将来は、どんな選手になっていきたいですか?

米田 守備も攻撃もできるセンターバックです。チームに欠かせない存在にもなりたいです。

──目指しているセンターバック像とは?

米田 苦しいときに、チームを助けられるセンターバックです。守備ではゴールを割らせない粘り強さとか……。攻撃ではセットプレーなどで、得点に絡んでチームを助けられる選手です。

──目指している選手や、憧れている選手はいますか?

米田 吉田麻也選手(ロサンゼルス・ギャラクシー)です。日本代表のキャプテンとして、プレーでチームを引っ張っていく選手になりたいです。女子選手だと、澤穂希さん。(なでしこジャパンが優勝した2011年の)女子ワールドカップを見て、サッカーを頑張ろうと思いました。女子W杯で輝いて見えました。

──U-20日本女子代表にも選ばれています。年代別代表で得られるものとは?

米田 いろいろなチームのレベルの高い選手が集まってくるところなので、多くのものを吸収したり、長所をしっかりとアピールすることを意識しています。世界を知るのは、そういうところでしかできないと思います。将来的にはなでしこジャパンに入って、女子W杯で優勝したいです。

──パリ・オリンピックのアジア予選のメンバーに米田選手よりも若い谷川萌々子選手(FCローゼンゴード)や古賀塔子選手(フェイエノールト)が入りました。刺激になりましたか? 特に古賀選手は同じポジションです。

米田 刺激になります。(古賀選手は)身体能力が高くて、とてもいい選手だと思います。自分も頑張って、早くそこに行けるようにしたいです。

──今年開催されるU-20女子アジアカップやU-20女子W杯は、米田選手にとってどんな位置づけの大会ですか?

米田 出場したいですし、世界のレベルを知るいい機会だと思います。どこまで通用するのか、ストロングポイントを生かしながら優勝を目指して頑張りたいです。

「ものすごくいい雰囲気」のチームで切磋琢磨しながら勝利を目指す[写真]=セレッソ大阪

──セレッソ大阪ヤンマーレディースのチームとしてのスタイルや戦い方を教えてください。

米田 攻守においてアグレッシブです。攻撃は縦に速いサッカー、守備は前線からの素早いプレスでボールを奪う。最終ラインはゴールを決めさせないのが最終目的なので、そこから逆算して守備をすることです。

──今シーズンから戦っているWEリーグで得られているものとは?

米田 厳しい戦いが続いた中で、プロリーグはそんなに甘くないと実感させられました。個人としては、球際の部分とかは、まだまだ勝つことができていません。個人戦術のところで、もっと成長できればと思っています。

──10月には鼻骨を骨折しましたが、復帰は早かったですね。

米田 動けるので、早くサッカーがしたい気持ちでした。コンディションを上げることと、少しでも早く練習に戻り、チームに貢献したいと思いました。

──鳥居塚監督は選手に運動量も求めています。センターバックは要求される内容も少し違うとは思います。ご自身が特にこだわっていることは?

米田 「ポジショニング」と「見ること」です。ポジショニングは試合中ずっと言われていることで、センターバックが前の選手とつながったり、前にボールを持ち出せるポジショニングを取ることで、相手は困ると思います。見ることは、スペースを含め、相手、味方、全員、全部見る。攻撃のときだけでなく、守備をしているときも、どこが空いているのかを見るようにしています。(攻撃への)切り替えだったら、相手は準備できていないので、そこを突けるようにと思っています。

──実際に、手応えは得られていますか?

米田 年末のアルビレックス新潟レディース戦でありました。守備から(相手の最終ライン裏の)スペースに蹴って、最後は(矢形海優選手の)得点が決まりました。「こういうことなんだ」というのが分かって、少しつかめた感覚があります。

──いいイメージで後半戦に臨めそうですね。WEリーグ再開へ向けた意気込みを聞かせてください。

米田 上位に食い込んでいけると思っているので、みんなで頑張っていきたいです。個人としては、1試合でも多く試合に絡んで、チームに貢献したいです。

By サッカーキング編集部

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