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シャビ・バルサに覚醒の兆し? ビルバオ戦の興味深いスタッツを“深堀り”

2022.10.26

アスレティック・ビルバオを4-0で下したバルセロナ [写真]=Anadolu Agency via Getty Images

 今シーズンのバルセロナは波に乗れそうで、なかなか乗れない時間を過ごしてきた。国内リーグで安定した成績を残しながら、チャンピオンズリーグではここまで1勝しかできておらずに敗退が濃厚。26日のバイエルン戦の前に、同組のインテルがプルゼニに勝った場合、その時点でバルセロナは決勝トーナメント進出の可能性が消える。

 ラ・リーガでも、今月16日の“エル・クラシコ”で宿敵レアル・マドリードに1-3で敗れて今季初黒星を喫した。それでも、その後のラ・リーガの2連戦でビジャレアル(3-0)とアスレティック・ビルバオ(4-0)に快勝。とりわけ23日のアスレティック・ビルバオ戦は、高い強度を発揮して見事な内容で勝利を収めており、チャビ政権の覚醒のきっかけになるかもしれない。それでは、同試合の興味深いデータを紹介しよう。

■10点満点のウスマン・デンベレ

ウスマン・デンベレ

[写真]=Anadolu Agency via Getty Images

 シャビ監督の下で輝きを取り戻したデンベレは、アスレティック・ビルバオ戦で全4ゴールに絡む活躍を見せた。前半12分に先制ゴールを決めると、その後は味方のチャンスを演出して3アシスト。バルセロナの選手が「3アシスト+ゴール」を達成するのは、2019年のルイス・スアレス以来だという。これで昨季ラ・リーガの“アシスト王”デンベレは、今季リーグ戦でのアシスト数を5に伸ばし、アシストランクの首位に躍り出た。

 2022年に入ってからのリーグ戦での実績を見ると、デンベレは16アシスト(今季5+昨季後半11)。欧州5大リーグで同期間にこれを上回っているのは、パリ・サンジェルマンのFWリオネル・メッシ(19アシスト)だけだ。

 アスレティック・ビルバオ戦でのデンベレのスタッツは圧巻で、ドリブルで敵ゴール方向にボールを運んだ距離が「300メートル」と断トツだった(データ『FBREF』)。対するアスレティック・ビルバオはチーム全員で「769メートル」だったため、デンベレは対戦相手の約40パーセントの距離を一人で運んだことになる。ちなみに、今季ラ・リーガの「敵ゴール方向にボールを運んだ距離」のランキングで見ると、デンベレは6位に留まっているが、このペースでボールを運び続ければ順位もさらに上がるはずだ。

 この試合のデンベレはアシスト内容も秀逸だった。3本とも右サイドに張ってボールを貰ってから決定機を作り出したものだが、3つともパターンが異なる。1本目は、サイドでタメを作って右サイドバックのセルジ・ロベルトがゴール前に走り込む時間を稼ぎ、そこに左足でスルーパスを送ってゴールを演出。2本目は、右サイドを縦に突破した後に、得意のカットインからFWロベルト・レヴァンドフスキに左足でラストパス。3本目は、ドリブルで運びながら中央の動きに合わせ、右足でグランダーのパスを通してフェラン・トーレスの得点を生み出した。この活躍を受けて、データサイト『Whoscored』はビルバオ戦でのデンベレのパフォーマンスに10点(満点)の採点を付けている。

■決定力

[写真]=NurPhoto via Getty Images

 デンベレの3アシストは全て狙いすました絶妙なパスとはいえ、それを仕留めるのは決して簡単ではなかったはずだ。ボックス内から右足を振りぬいたS・ロベルトの得点は、敵DFに当たらなければ入らなかっただろう。レヴァンドフスキのゴールも、ボックス内でデンベレのパスを受けたとはいえ、迫りくる敵をワンタッチで外しながら一回転して左足で叩き込んだもの。かなり高度なテクニックを要するゴールで、そのゴール期待値(xG)は「0.11」に過ぎなかったのだ。

 そのため、確かにデンベレのパスは正確だったが、それを決め切る決定力があったからこそデンベレに3つのアシストがついたのだ。この試合のバルセロナは、チーム全体のxGが「2.14」だったにもかかわらず、その倍近い4ゴールを叩き出して見せた。

 この高い決定力をチームにもたらしたのが、今季バイエルンから加入したレヴァンドフスキだ。ここまで12ゴールで得点ランク首位を独走中。それだけでも凄いのだが、彼はアスレティック・ビルバオ戦で見せたような難しいチャンスも物にしてしまう。今季ラ・リーガで彼のxGは「8.85」だが、それを「3.15」も上回るゴール数を稼いでいる。これはセルタのFWイアゴ・アスパスに次いで、2番目に大きい“上振れ”だという。

■守備も安定

マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン

[写真]=Icon Sport via Getty Images

 バルセロナは、65パーセントのボール保持率を誇り、危なげない試合運びでアスレティック・ビルバオに5本(うち枠内3本)しかシュートを許さなかった。そして敵のxGも「0.25」(データ『understat』)に抑えて見せた。しかも、89分にGKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンが自陣ゴール前でボールを奪われてピンチを招くまで、アスレティック・ビルバオのxGはわずか「0.08」だったのだ。

 これならばクリーンシートを達成できたのもうなずける。ちなみに、今季アスレティック・ビルバオが「1未満」のxGに終わったのは2試合しかない。1つは今回のバルセロナ戦で、もう1つはバレンシア戦(1-0)の「0.76」。というわけで、アスレティック・ビルバオにとって、今季最もゴールが遠かった試合が今回のバルセロナ戦となる。

■珍しいものも見られた

[写真]=Getty Images

 前半12分、デンベレは得意の形で右サイドからカットインして左足で巻いたシュートを放った。これはGKに止められたものの、その流れの中からレヴァンドフスキのクロスに頭で合わせて先制ゴールを奪って見せた。実は、この得点はデンベレにとってバルセロナでの通算165試合で36ゴール目にして、初めてのヘディングでのゴールとなった。

 頭でのゴールは、ドルトムント時代の2017年2月のヴォルフスブルク戦以来、プロキャリア通算2度目のことだった。調子が良いときは、何をやってもうまくいくのかもしれない。

 さてさて、シャビのバルセロナは、ここから一気に加速していくのか? そして、次にデンベレがヘディングでゴールを決めるのはいつなのか? 注目していきたい。

(記事/Footmedia)

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