グリーズマンも達成！　1つのクラブで100ゴールに到達した選手たち

　先週末のラ・リーガで節目のゴールを決めた選手がいる。それがアトレティコ・マドリードのフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマン（31歳）だ。

　グリーズマンは、15日に行われた敵地でのアスレティック・ビルバオ戦にスタメン出場すると、47分にネットを揺らした。彼の今季リーグ戦3点目は、チームに1－0の勝利をもたらす貴重な決勝弾になった。そして、グリーズマン本人にとっても記念すべきゴールになった。アトレティコ・マドリードでのラ・リーガ通算100ゴールの節目の得点だったのだ！　バルセロナで過ごした2シーズンを除き、2014年からずっとアトレティコに所属しているグリーズマンは、リーグ戦215試合目の出場にして節目の100ゴールに到達した。

　アトレティコでラ・リーガ通算100ゴールを達成したのは史上6人目。過去5名はアドリアン・エスクデロ（150ゴール）、ルイス・アラゴネス（123ゴール）、パコ・カンポス（120ゴール）、ホセ・エウロヒオ・ガラテ（109ゴール）、そして“エル・ニーニョ”ことフェルナンド・トーレス（102ゴール）だ。当然5名ともスペイン人のため、若い頃からスペインでプレーしているとはいえ、グリーズマンは外国人として史上初の快挙を成し遂げたことになる。

　そんな節目のゴールを決めたのはグリーズマンだけではない。実は、先週末は「100ゴール」に恵まれたウィークエンドだったのだ。日本代表FW古橋亨梧や前田大然が活躍するセルティックでも、記念すべきゴールが見られたのである。同じく15日に行われたハイバーニアン戦で、セルティックは大量6ゴールを奪って6－1で快勝。その試合で31歳のサイドアタッカー、ジェイムズ・フォレストがハットトリックを達成し、セルティックでの通算100ゴールを達成したのである。

　セルティック一筋でプレーするフォレストは、ストライカーではないためグリーズマンより時間がかかったものの、セルティックでの公式戦通算451試合目でハットトリックを達成して100ゴールに到達。彼の場合はリーグ戦だけでなくカップ戦も含めた数字だが、セルティック史上30人目の100ゴール達成となった。

　単純比較はできないが、フォレストの「451試合」に比べると、グリーズマンは半分近い試合数で100ゴールを達成したことになる。しかし、当然ながら上には上がいる。それでは21世紀に欧州5大リーグの1つのクラブで「最速100ゴール」を達成した選手たちを見てみよう。

[写真]＝Getty Images

■クリスティアーノ・ロナウド　（レアル・マドリード時代／105試合）

　果たして、クリスティアーノ・ロナウドの記録を超える者などいるのだろうか。少なくとも今回紹介する選手の中では圧倒的に1番の記録を持つのがC・ロナウドだ。マンチェスター・Uで一躍スターダムにのし上がったポルトガル代表のエースは、2009年に白い巨人に加入すると、圧倒的な決定力で1年目に公式戦33ゴールを叩き出すと、2年目以降は6シーズン連続で50点以上を量産する活躍ぶり。

　そしてデビュー戦からわずか105試合でレアルでの公式戦100ゴールを達成して見せたのだ。さらにC・ロナウドは、ラ・リーガに限定した得点数でも「最速100ゴール」の記録を持っている。グリーズマンが「215試合」かかったところを、その半分以下のわずか「92試合」で101ゴールに到達。1960年代にレアルの英雄、フェレンツ・プスカシュが打ち立てた「105試合」で100ゴールの記録を抜き去ったのだ。

　もちろん、C・ロナウドはこれだけに留まらない。2018年にイタリアのユヴェントスに移籍してからも抜群の得点力を発揮した。ユヴェントスではデビュー戦から公式戦131試合で100ゴールに到達。そして2020－21シーズンにはリーグ戦29ゴールを叩き出し、パオロ・ロッシ賞と改称されたセリエAの得点王に輝いたのだ。

　C・ロナウドの話をしたならば、リオネル・メッシについても触れないといけない。バルセロナ時代のメッシは、キャリア駆け出しの頃が含まれるため、C・ロナウドと比較するのは酷かもしれない。それでも公式戦100ゴールに到達するのに「188試合」、ラ・リーガに限定すると「154試合」で100ゴールと十分に素晴らしい記録を残している。

■ルイス・スアレス　（バルセロナ時代／120試合）

　C・ロナウドの記録には及ばなかったが、バルセロナ時代のFWルイス・スアレスも驚異的だった。アヤックスやリヴァプールで活躍したのち、2014年にバルセロナに加入したスアレスは、即座にゴールを量産…とはいかなかった。2014年のワールドカップでイタリア代表DFジョルジョ・キエッリーニに噛みついたとして、10月下旬まで出場停止処分を受けていたのだ！

　2014年10月25日にレアル・マドリードとのエル・クラシコでようやくバルセロナでの公式戦デビューを飾ると、メッシ、ネイマールと共に魅惑の3トップ“MSN”を形成。1年目に25ゴールをマークすると、2年目には53試合59ゴールと大爆発。そしてバルセロナで公式戦120試合目にして100ゴールに到達したのだ。

■ズラタン・イブラヒモヴィッチ　（パリ・サンジェルマン時代／124試合）

　規格外のサイズとパワー、そして細かな足技に長けたスウェーデンの怪物は、どのクラブへ行ってもゴールを量産してきたイメージだが、色々なクラブを渡り歩いたせいで、実は彼が100ゴールを達成したクラブはパリ・サンジェルマン（PSG）しかないのだ。2012年に31歳にしてPSGに加入したズラタン・イブラヒモヴィッチは、同クラブでのデビュー戦で2ゴールを奪う華々しいスタートを切った。1年目から46試合35ゴールの結果を残すと、2年目には自身キャリア初のシーズン40ゴール超え。その勢いのまま公式戦124試合で100ゴールに到達した。

　記念すべき一戦となったのは2015年4月のフランス杯準決勝のサンテティエンヌ戦。100点にリーチをかけていたズラタンは、ジェイムズ・フォレストと同じくハットトリックを達成。100ゴールの記念日に花を添える千両役者ぶりを見せた！

■ルート・ファン・ニステルローイ　（マンチェスター・U時代／131試合）

　プレミアリーグのクラブで最速記録を持つのは、マンチェスター・Uで活躍した元FWルート・ファン・ニステルローイだ。とにかくゴールしか見ていなかった生粋のフィニッシャーは、2001年にPSVから加入すると1年目に公式戦36ゴール。そこからさらにペースを上げて2年目には52試合44ゴールを叩き出した。そして翌シーズンの4月、エヴァートン戦で2ゴールを奪ってユナイテッドでの通算100ゴールに到達。ユヴェントス時代のC・ロナウドと同じ131試合という記録となった。

　ボックス内に入って勝負するタイプだったファン・ニステルローイは、ユナイテッドを退団する2006年までに計150ゴールを叩き出すのだが、ペナルティエリアの外から決めたシュートは1点だけだったという…！

　プレミアリーグでの得点だけに限ると、残念ながらファン・ニステルローイは100ゴールに到達しなかった（150試合95ゴール）。同リーグでの100ゴールの最速記録を持つのは、プレミアリーグの最多ゴール記録も有する元イングランド代表FWアラン・シアラーだ。シアラーはブラックバーン時代、プレミアリーグ初年度の1992－93シーズンからネットを揺らし続け、124試合で100ゴールを達成して見せたのだ。

　シアラーのプレミアリーグ記録に次ぐのは現イングランド代表のエースであるハリー・ケインで141試合。そしてセルヒオ・アグエロの147試合、ティエリ・アンリの160試合、モハメド・サラーの162試合と続いている。

　果たして、今後はどんな選手が何試合で100ゴールに到達するのか楽しみだ。特に、マンチェスター・Cでゴールを量産するノルウェーの怪物には注目すべきだろう！？

（記事／Footmedia）