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【インタビュー】マンチェスター・Uの超新星スモーリングが語るサクセスストーリー

2012.04.09

ワールドサッカーキング 2012.04.19(No.212)掲載]
クリス・スモーリングは今や、マンチェスター・ユナイテッドの守備陣になくてはならない重要なピースだ。わずか4年前までアマチュアクラブでプレーする無名の若者にすぎなかった彼はなぜ、これほどの高みに到達できたのか。本人が自らの強みと成長への道程を語った。
スモーリング

インタビュー・文=マット・アレン

 4年前までアマチュアリーグという日の当たらない場所でプレーしていたクリス・スモーリングは今、世界最高峰のクラブで大きな期待を背負いながらピッチに立っている。優秀な学生だった彼は大学進学を目指していたが、プレミアリーグの目利きたちがこの若者の素質を見逃すはずもなかった。2008年夏にフルハムに加入し、アレックス・ファーガソン監督の目に留まるまでのサクセスストーリーは今や誰もが知るところだ。

 マンチェスター・ユナイテッドでは1年目からプレミアリーグ制覇に大きく貢献。2年目の今シーズンは戦術理解力や身体能力の高さを買われ、本職のセンターバックだけでなく右サイドバックとしても質の高いプレーを披露している。攻守にわたる俊敏な動き、ピンチを未然に防ぐ的確なポジショ二ングなど、その存在感はクラブだけでなく、イングランド代表においても増すばかりだ。

 短期間で大きな成功を収めた今、彼は自身の活躍ぶりをどう分析しているのだろうか。スモーリングの発する言葉からは、彼のプレーの土台となっている「論理的思考」が随所に感じられた。

大学に入っていたら、サッカーとの両立は難しかっただろうね。

君は4年前までアマチュアクラブのメイドストーン・ユナイテッドでプレーする無名選手にすぎなかった。だけど今はマンチェスター・Uの一員だ。夢のようだと思わない?

スモーリング フルアムに移籍が決まってからは練習と試合の繰り返しで、自分が成し遂げたことについてゆっくり考えてる暇なんてなかった。ただ、改めて振り返ってみると、確かにすごいことだったと思う。

君ほどの実力の持ち主が、若い頃にプロクラブに入れなかったのはなぜだろう?

スモーリング 僕は11歳の時にミルウォールに引き抜かれ、U-15まではそこでプレーしていた。でも、実家のあるチャタムからミルウォールまではかなり距離があってね。交通費などの問題からクラブを離れざるを得なかったんだ。それでも地元のジュニアチームでプレーを続け、U-18のイングランド・スクールボーイズ(学生選抜)でプレーするチャンスを得た。その試合でスカウトの注目を集めることになったわけさ。

君は頭のいい学生だったそうだね。

スモーリング ビジネス研究、メディア研究、経済学を学んでいて、Aレベル(大学などの高等教育に進むための資格)で3つともB判定をもらった。5つの大学に出願して、そのすべてで受け入れられたよ。実際、大学に進学してビジネスマネージメントを学ぶ予定だったんだ。でも、同時期に受けていたトライアルでサッカー選手としての道が開けた。あの時にうまくいってなかったら、全く異なる人生を歩んでいただろうね。

サッカーをやめようと思ったことは?

スモーリング 大学進学の計画を立て始めた時期は真剣に考えたよ。あのまま大学に入っていたら、サッカーとの両立は難しかっただろうね。君は学校に通いながら、アマチュアリーグでプレーしていた。

正直、レベルとしては物足りなかったと思うけど。

スモーリング そんなことはないよ。あの頃は自分よりフィジカルが優れた選手と対戦する機会が多かったし、本当にハードな試合の連続だった。僕はアマチュア選手にも大きな敬意を抱いている。ハードにプレーするという姿勢は、まさにイングランドサッカーそのものだからね。

まだ学生だった君はメイドストーンから給料をもらってなかったそうだけど、どうやって小遣いを稼いでいたの?

スモーリング 授業の後にホテルのウェイターとして働いていたんだ。平日は学校とアルバイト、週末は試合という感じでとても忙しかったよ。

フルアムに入る前に、ミドルスブラからも声を掛けられたと聞いたけど。

スモーリング スカウトの一人がスタジアム・オブ・ライトで行われたスクールボーイズの試合を見に来ていて、僕に注目してくれた。その後、トライアルを受けるためにミドルスブラの練習場に招かれたんだ。当時の監督だったギャレス・サウスゲイトにはよくしてもらったし、練習に参加した1週間はとても楽しかったよ。ただ、フルアムからもオファーがあると知っていたから、即決はしなかった。最終的にはロイ・ホジソン監督が見ているリザーブマッチでプレーし、フルアムとサインすることに決めたんだ。言うまでもなく、その時点でウェイターの仕事は辞めたよ(笑)。

ホジソン監督の影響は大きかった?

スモーリング かなり大きいね。フルアム入りを決めた理由の一つはホジソンがいたことだったからね。トライアルの後、オフィスに呼ばれて彼と話した。彼も若い頃にメイドストーンでプレーしていたという話を聞いてからは共通の話題で盛り上がったのを覚えている。ホジソンは入団後もいつも助けになってくれた。今の僕があるのは彼がチャンスをくれたおかげだと思っている。

<続きは ワールドサッカーキング 2012.04.19(No.212)でお楽しみください>

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