2013.07.01

足立梨花さん「海外の選手が『Jリーグでプレーしたい』って思ってくれるようなリーグになってほしいな」

2010年から3年間にわたり、「Jリーグ特命PR部 女子マネージャー」として活躍してきた、女優の足立梨花さん。今年1月末には活動を卒業。3年間の活躍と功績を称えられ「Jリーグ名誉女子マネージャー」の称号を与えられた。自他ともに認める“日本一Jリーグに詳しい女優”の足立さん。日本代表やJ1のみならず、J2にまで精通する彼女の幅広い知識とサッカーへの思いを聞いた。
足立梨花
インタビュー=大倉 悠 写真=藤巻 祐介(CRACKER STUDIO)

――これまでに数多くの試合を観戦されてきたと思いますが、今はどういうところに注目して試合を見ていますか?

足立梨花 今まではただ、試合の全体の流れを見てたんですけど、最近はそれだけでなく、クラブの人から事前に「誰が絶好調ですか?」とか「注目選手は誰ですか?」というのを聞いて、特定の選手をピックアップして見るようにしています。サッカーを見始めたばかりの頃は、ただただボールを目で追うのに精一杯だったんです。でも最近は、スカパー!の『Jリーグマッチデーハイライト』で共演させていただいてる平畠(啓史)さんや解説者の方の注目ポイントを伺ったり、覚えたりしています。

――これまで取材されてきた中で、思い出に残っているエピソードを教えて下さい。

足立梨花 大体いつも、カズ(三浦知良)さんの前で“カズダンス”をした時の話をするんですけど、みんな聞き飽きてると思うので今回は別の話をします(笑)。自分の中で自慢なのは、C大阪の試合取材時のことかな。その試合が初めてのC大阪の取材だったんですが、ちょうど、香川真司選手が海外移籍する直前のタイミングで……私は香川選手にお話を聞くことを一番の目的にしていたのですが、対戦相手の鹿島の内田篤人選手にインタビューさせていただいている間に香川選手がバスに乗ってしまったんです。そしたらC大阪の広報の方がそれに気付いてくださって、選手バスのところまで連れてってくれたんですよ。そしたら香川選手が降りてきてくださって……お話している間に、「良かったら乗りなよ」と。選手バスに乗せていただくのは、あとにも先にもその一度きりだったので思い出に残っています。C大阪が勝利した試合だったこともあり、選手のテンションはかなり高かったですね。本当にすごい経験でした。

――その時は緊張されましたか?

足立梨花 まだ「Jリーグ特命PR部 女子マネージャー」としての活動を初めて1カ月くらいの時だったので、実は当時は何も分かっていなかったし、あんまり緊張もしなかったんです。でも今考えると、すごい体験をしたなと。今になって緊張しちゃいますね(笑)。一番緊張したのはカズさんにお会いした時かな。カズさんに会うというだけでなく、周りから「カズダンスやれよ」って事前に言われてたのでプレッシャーがありましたから(笑)。あんなにすごい選手の前で、なんてバカなことをしたんだろうと……。カズさんは本当にすごい選手ですよね。横浜FCにJ1に上がってもらって、J1でもカズさんのプレーが見たいです。

足立梨花

――J1は中断期間を経て、これから後半戦が始まりますが、優勝争いにはどのチームが絡んでくると思いますか?

足立梨花 浦和、大宮、横浜FM。この3チームですかね。特に浦和は今季かなり調子がいいんと感じる。選手層も厚いし、有名選手も沢山所属してる。サッカーをあまり知らない方でも、見たことのある選手が在籍しているクラブだと思うので、優勝したら全国で盛り上がれるんじゃないかなと。“J1のお荷物”と言われていたクラブが強くなって、アジアチャンピオンズリーグでも優勝して……今季またここで優勝してJリーグを盛り上げてほしい。スタジアムを常に満員にしてほしいですね。

――日本代表がW杯出場を決めて日本中が盛り上がりましたが、Jリーグに携わる足立さんとしては少し複雑な気持ちもありますか?

足立梨花 そうですね。もちろん私も日本代表戦は毎回熱くなるんですが、日本代表の人気ってすごいじゃないですか。代表戦っていうだけで、沢山の人が応援に来る。今の日本代表選手たちを見てみると、海外でプレーする選手が多いので、Jリーグからも、もう少し選出されてほしいなぁと。日本代表が“全員Jリーガー”となるくらい、Jリーグ全体が強くなってほしいなと思うし、日本人が海外のリーグに行かなくても、逆に海外の選手がJリーグでプレーしたいって思ってくれるようなリーグになってほしいなと思います。ブンデスリーガで多くの日本人選手が活躍してるってことは、ブンデスリーガで活躍する選手がJリーグに来たってフィットできるんじゃないかな。「あのリーグ、あのクラブに行きたい」って言われるようなリーグになってほしいなって思います。今年20周年になったばっかりなので、まだまだ年数はかかるかもしれないですけど。最終的にそうなってほしいと感じますね。

足立梨花

――現在出演されているスカパー『Jリーグマッチデーハイライト』では、どのようにJリーグを伝えていきたいですか?

足立梨花 私のこの下手なMCでみんなに伝わってるのかなって、心配になるんですけど……。でも分かりやすく伝えたいなと思っています。他のスポーツ番組じゃできない部分を流したいねって、出演者の皆さんとも話してるんです。先日、愛媛vsG大阪(2013年5月26日、第16節)の試合後に遠藤(保仁)選手に出演してもらったんです。なかなかシーズン中にテレビに出てもらう機会がない中、番組に横浜FMや大宮の選手も出演してくださって。選手の生の声を聞ける番組にしていけたらいいですね。選手が出演してくださると、解説者の方も交えて、今終わったばかりの試合に関する詳しい話ができるんですよ。一つひとつのプレーを細かく分析しますし、必ず全試合のハイライトやゴールを紹介する。それをJ1、J2限らず放送しているのは、この番組だけだと思うんですよね。

スカパー!で放送しているので、やっぱりサッカー好きの人が見てくれてる割合の方が高いと思う。でもその中でも、既にサッカーが好きで見ている人も満たされて、逆にサッカーをあんまり知らない人にも詳しく伝えられるというのが理想です。「詳しいけど分かりやすく」というのを前提に取り組んでいきたいと思ってます。

――最後に、番外編になりますが、足立さんは“お尻が綺麗”な女優さんとしても有名ですよね。Jリーガーの中で「いいお尻!」だと思う選手はいますか?

足立梨花 えー、難しいなぁ(笑)。でもサッカー選手ってみんないいお尻してますよね。仙台のリャン・ヨンギ選手とか、意外といいんじゃないですかね? 正確なパスを出せるってことは、お尻の筋肉も鍛えてるからこそじゃないですか(笑)? 私は“リャン・ダンス”が大好きなんです。今までお尻には注目したことがなかったけど、面白そうですね。今度『Jリーグマッチデーハイライト』のスタッフさんにも提案してみようかな。“いいお尻は誰だ選手権”みたいな(笑)。

足立梨花(あだち・りか)「Jリーグ 特命PR部 女子マネージャー」として2010年から約3年間活動し、現在は「Jリーグ名誉女子マネージャー」として活躍中。今季からはスカパー!で『Jリーグマッチデーハイライト』の日曜日担当MCを務める傍ら、スポーツ応援アイドルユニット「モブキャストガール」にも選ばれている。
『Jリーグマッチデーハイライト』
J1・J2各マッチデー(試合開催日)に行なわれた全試合のハイライトを紹介するJリーグハイライト番組。全ゴールシーン、スタメンフォーメーションや戦術分析、選手や監督のインタビューなど、各試合をじっくりと振り返る。
J1・J2試合開催日の最終試合終了直後~生放送
HP(http://soccer.skyperfectv.co.jp/static/matchday