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「終わりなんて来ないでほしい」進化を続けるメッシの未来への思い

2013.01.29

ワールドサッカーキング 0207号 掲載]
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インタビュー・文=セルヒオ・レビンスキー 翻訳=工藤 拓

 現在発売中のワールドサッカーキング最新号では、2012年度のバロン・ドールを受賞したリオネル・メッシのスペシャルインタビューを掲載している。1月7日、チューリッヒ。前年度の世界最優秀選手に贈られるFIFAバロン・ドールのトロフィーは、またしてもリオネル・メッシの手に渡った。これで4年連続、4度目の受賞。50年以上に及ぶバロン・ドールの歴史を振り返っても、4度の受賞は例がない。過去、名だたる“レジェンド”たちが築いてきたバロン・ドールの歴史に、メッシは新たなページを、いや、新たな章を一つ付け加えたとさえ言えるだろう。

 授賞式の後、せわしないスケジュールの合間を縫って、このインタビューは行われた。世界最高のサッカー選手の言葉を読者に伝えられるのは、取材者にとっても光栄なことである。短いが貴重な、喜びの声をお届けしよう。

終わりなんて来ないでほしい

まずは受賞おめでとう。4度目のバロン・ドール受賞によって、君はサッカー史上最高の選手になったと誰もが感じている。今の率直な気持ちは?

メッシ 幸福感でいっぱいだよ! 4年連続でバロン・ドールを受賞するなんて、自分でも信じられないことだからね。素晴らしい選手たちとともに授賞式に出席し、その中で自分の名前が呼ばれる。しかも4年連続で……。これ以上なく誇らしいことだ。

授賞式のスピーチでは、アンドレス・イニエスタの名前を挙げてこの賞を分かち合った。そしてアルゼンチン代表の仲間や、家族への感謝を語っていたね。ただ、その後のミックスゾーンではティト・ビラノバ監督と、チームメートのエリック・アビダルについて繰り返し語っていた

M―授賞式では緊張のせいで、彼らについて話すのを忘れてしまってね。ティトとアビダルの病気はとてもつらい出来事だった(ビラノバ監督は昨年11月に唾液腺腫瘍の摘出手術を受け、今年1月にベンチに復帰。アビダルは昨年4月に肝臓移植出術を受けた後、昨年末にトレーニングに復帰した)。だから、彼らを再び日々の練習で見ることができて本当にうれしいんだ。ただ、ビラノバはまた治療に戻らなければならない。今は一日も早く、彼とともに過ごせる日が来ることを願っているよ。

今回は今まで以上にバルセロナの関係者がファミリーとして、一つにまとまっているように見えた。誰もがお互いに受賞を祝い、たたえ合っていたね。君たちのサイクルには終わりなんてないように感じられたよ。

M―本当に終わりなんて来ないでほしいよ。ただ、このチームの息はまだ長いと思っている。選手としても、人間としても素晴らしい、偉大なメンバーがそろっているわけだしね。

ちなみに、君自身はアルゼンチン代表のキャプテンとして、チャビとイニエスタ、セルヒオ・アグエロにバロン・ドールの投票を行った。クリスチアーノ・ロナウドを外したのはどうして?

メッシ チームメートの2人とは長年一緒にプレーしてきた。最高の選手であり、チームにとって必要不可欠な存在だから迷わず投票したよ。“クン”(アグエロの愛称)も同じで、アルゼンチン代表で何年も、それこそユース時代から一緒にプレーしてきた大切な仲間だ。でも、だからと言ってC・ロナウドが世界のトップ3に入る選手じゃない、なんて思っているわけじゃないよ。そんな考えは馬鹿げている。

君は以前からずっとC・ロナウドと比較され続けている。このことについてどう感じている?

メッシ 別に僕ら2人は競い合っているわけじゃない。それぞれが自分のチームの勝利のため、タイトルのためにプレーしているんだ。僕と彼が個人で競い合っていることなんて何一つないんだよ。


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2012年は素晴らしい年だった

今回は君より重要なチームタイトルを獲得した他の2人が受賞すべきという意見もあったね。

M―もちろん、彼らはバロン・ドールにふさわしい活躍をしたと思うよ。だけど、それは僕が決められることじゃない。この賞は投票によって決まるわけだからね。だからこそ、僕に投票してくれた人には本当に感謝している。

チームタイトルと言えば、今年のバルセロナが無冠で終わることはなさそうだ。

メッシ 幸運にも、今はすべてがうまくいっている。この流れがずっと続くことを願っているよ。

加えて、アルゼンチン代表の状況も良くなってきている。

メッシ そうだね。そういう意味では、2012年は素晴らしい年だった。アルゼンチン国民の愛情を感じることができたからね。それは僕にとってとても重要なことだった。今回のバロン・ドール授賞式は、アルゼンチンでも例年以上に注目度が高いらしくてね。これもすごくうれしいことだよ。

君にとって、残された目標はワールドカップ制覇だけ、ということになるね。

メッシ ブラジルでそれが実現することを願っている。簡単なことじゃないけど、何としても勝ち取りたい。ただ、まだ道のりは長いよ。本大会までにやるべきことはたくさんあるし、第一、まだ予選突破も決めていないんだから。

バロン・ドールのトロフィーはこれで4個目。他の個人賞や、ハットトリックのボール(リーガではハットトリックを記録すると試合球をプレゼントされる)もたくさん持っていると思う。トロフィーを飾る場所はまだ大丈夫?

メッシ ハハハ(笑)。まだあるよ。場所は確保している。でも確かに、トロフィーはかなり増えてきたね。

2012年のベストイレブンは全員がリーガ・エスパニョーラの選手だった。どう思った?

メッシ リーガが持つポテンシャルの高さの証明だと思う。それに、バルセロナの選手がたくさん選ばれたことにも満足しているよ。クラブの哲学が実を結んだということじゃないかな。

1月17日発売の【ワールドサッカーキング 0207 】には、バロン・ドールを読み解く企画が満載! “数字で見るリオネル・メッシの2012年”、ユヴェントスの“レジェンド ”パヴェル・ネドヴェドのインタビューなど、偉大な受賞者たちに迫っています。 今すぐ書店でチェック!

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