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エル・シャーラウィ「ネイマールとはブラジルW杯でどちらがうまいか決めたい」

2013.01.07

ワールドサッカーキング 0117号 掲載]

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1月4日発売のワールドサッカーキング最新号では、2013年のサッカー界を動かす最重要100選手をカウントダウン形式で紹介している。ズラタン・イブラヒモヴィッチという大エースが去ったミランにニュースターが誕生した。 その男の名は、ステファン・エル・シャーラウィ。 ゴールマシンと化した20歳の天才は、リーグ後半戦も輝き続けることができるか。

Interview and text by Gianni VISNADI

Translation and organization by Minato TAKAYAMA

 Photo by AFLO

 

 

自慢のヘアスタイルはアイデンティティーそのもの

 

今シーズンの君は昨シーズンと比べて別人のような活躍を見せている。ファンやメディアから注目されるようになり、周囲からのプレッシ ャーをかなり感じているんじゃない?

 

エル・シャーラウィ(以下ES)―プレッシャーの大きさはむしろ僕のモチベーションに変えることができている。それに、僕の周りには素晴らしい“先輩”がたくさんいるから、平常心をうまく保てているよ。

 

もし昨年の夏にズラタン・イブラヒモヴィッチがミランを去らなければ出番はなかったかもしれない、とは思わない?

 

ES―そんなの誰にも分からないよ。たまたまイブラと(アントニオ)カッサーノがチームを離れてしまった。ただそれだけの話さ。

 

ミラン加入1年目の昨シーズン、君の“教育係”はイブラだったらしいね?

 

ES―イブラからは多くのことを教わったよ。 ストライカーとしてのプレーからプロとしてのあり方に至るまでね。それから、彼が過去に犯してしまった失敗談も(笑)。まるで兄貴のような存在だったよ。イブラだけじゃない。ミランではみんなが僕をサポートしてくれる。だからこそ、こうして好調をキープし続けられるんだ。

 

イブラヒモヴィッチは君の自慢の「モヒカンヘア」に文句をつけたんだって?

 

ES―大げさだなあ~(笑)。ただ彼にイジられただけだよ。もし誰かにマジギレされたって、 僕はこのヘアスタイルを変えるつもりはないよ。 この髪は僕のアイデンティティーそのものだからね。いつも地元サヴォーナのヘアサロンで切ってもらうんだ。

 

名誉会長のシルヴィオ・ベルルスコーニから指摘されても、その髪を切らなかったしね(笑)。ただ、彼は君のプレー、人柄を心底気に入っているようだね。

 

ES―ベルルスコーニはいつも僕を気に掛けてくれる。ミラネッロ(ミランの練習場)に見学しに来るたびに僕をわざわざ探してくれて、ハグを交わしてくれるんだ。ミランのオーナーでイタリアの元首相が直々に会いに来てくれるんだよ! 「自分は本当にミランで重要な選手になったんだ」って実感している。ベルルスコーニがこのヘアスタイルを好んでいないことは知っているよ。ただ、この調子でゴールを決め続けていれば、何も文句は言って来ないと思うけどなあ(笑)。

 

左ウイングは僕のベストポジション

 

今シーズンの話に戻そう。君はエリア内で勝負するような生粋の点取り屋ではないけど、今こうしてゴールを量産している。その秘密を教えてくれないかな?

 

ES―セカンドトップから左ウイングにコンバートされたことが大きいね。僕の持ち味は、スピードと運動量。だから、エリア内で味方のラストパスを待つより、後方からエリア内に走り込むほうが好きなんだ。あとは、昔から左サイドに流れて中央に切れ込むプレーが得意だった。それらをひっくるめると、今シーズンに(マ ッシミリアーノ)アッレグリ監督から与えられた左ウイングは、僕のベストポジションと言えるだろうね。

 

 

左サイドからカットインして、ファーサイドを目掛けてコントロールショットを放つ。これが君の得意なゴールパターンだよね。

 

ES―そうだね。ただ、問題はそれがいつまで通用するかだよ。相手に研究されて通用しなくなったら、また新しいパターンを編み出さないとね。まあ、いずれにしても僕は自分の持ち味を最大限に発揮するだけさ。「足」 には自信がある。子供の時からずっと“かけっこ”では一番だったからね(笑)。それに、まだまだマスターしなくちゃいけないこともたくさんある。例えば、ロビーニョのような繊細なボールタッチさ。彼とはいつもリフティング競争をしているんだけど、彼がボールに触れる瞬間を絶対に見逃さないようにしている。

 

好調な君とは対照的に、ここまでミランは思うように勝ち点を重ねることができていない。

 

ES―確かにスタートダッシュには失敗してしまったけど、ここ最近は調子を取り戻している。今シーズンの目標は、チャンピオンズリーグの出場資格を手に入れられる3位以内。今のところは目標の順位に届いていないけど、シーズンの本番はこれからさ。後半戦はもっと調子が上がっていると思うよ。

 

やはりイブラの退団が不振の要因なのかな?

 

 

ES―彼だけじゃない。ミランに多くのタイトルをもたらしたセナトーリ(「上院議員」を意味するイタリア語。ここではベテラン勢を指す) が一斉にチームを去ってしまった。その影響は少なからずあると思う。だけど、フロントはこの状況を打開するためにベストな補強をしてくれた。べルルスコーニの言葉を聞いただろう? 「3年後のスクデットに向けて、今は若手の成長を待つ時だ」って。ただ、僕は彼よりもっと楽観視している。3年後じゃなくて、来シーズンだと 信じているんだ。

 

ネイマールとはブラジルW杯でどちらがうまいか決めたい

 

 

君と同じ1992年生まれには、ブラジル代表のネイマールやドイツ代表のマリオ・ゲッツェといったタレントが集中している。やはり同世代の彼らの活躍は気になるのかな?

 

ES―2とも名門クラブで僕より早くギ ュラーの座を手にしているし、代表デビューもかなり早かった。その点では彼らのほうが成熟していると思う。特に、ネイマールのプレーは衝撃的だった。時々『You Tube』で彼のゴールシーンを見るんだけど、ほとんどがファンタスティックなものばかりなんだ。僕たちにと っての勝負は1年半後。ブラジル・ワールドカ ップでどちらがうまいのか決着をつけたいね。そのためにもまずはW杯出場権を勝ち取って、 本選メンバーにエントリーされる必要がある。 セリエAで今以上にゴールを積み重ねて、イタリア代表監督の(チェーザレ)プランデッリへもっとアピールしないとね。そして、アッズーリの主軸として長年夢見てきたW杯に出場して、2006年以来の世界一に返り咲きたいね。

 

そう言えば、代表のチームメートのマリオ・バロテッリとは仲が良いみたいだね。君たち2人はブラジルW杯の主役候補として、早くもイタリア国民に期待されているよ。

 

ES―誰もが知っている通り、マリオは規格外のプレーヤーさ! 彼は僕より2歳年上なんだけど、もう既にワールドクラスの仲間入りを果たしていて、いつも「すごいな」って関心しているよ。彼とはピッチの中でも外でもすごく良い関係が築けている。このままの状態でブラジルW杯に臨むことができれば、僕らが世界をアッと驚かせることだって不可能じゃないよ!

 

ミランはバロテッリを補強ターゲットの一人にリストアップいるようだ。もしチームに彼が加入するとなったら?

 

 

ES―もちろん大歓迎さ! もしマリオが1月に加わってくれるんだったら、ミランが3位以内に食い込める可能性は一気に高まるだろうね。それどころか、スクデットの芽も出てくるんじゃないかな(笑)。

 

 

 

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