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【マンチェスター・ダービーがもっと面白く、楽しくなる】試合直前、選手の言葉で展望するプレミアリーグ一大決戦

2012.12.07

文●藤井重隆 写真●フォトスポーツ
マンチェスター・ダービー
 昨シーズンの「マンチェスター・ダービー」はシティの2連勝で終わり、両チームは最終節まで大接戦を繰り広げたが、シティが44年ぶりの優勝を得失点差で手にした。それが意味するのは、紛れもなく同ダービーでの結果が優勝のカギを握るということ。

 シティの本拠地で行われた直近の同ダービーは昨季残り3試合という時期に行われ、ユナイテッドはゴール枠内に1本もシュートを放つ事ができず、0-1で敗れた。シティのコンパニーがCKから頭で決めた決勝点の場面で、同選手のマークを外して競り負けた張本人は、ユナイテッドのイングランド代表DFクリス・スモーリングだった。同選手は今回のダービーでの雪辱に燃えている。

「コンパニーをマークしていたが、外されてしまった。今度こそ、敵地に乗り込んで勝たなければ。僕らはダービーに向けて勢いを付け、相手にダメージを与えたい。今回も大一番になる。1試合で優勝が決まる訳ではないけど、長い目で見れば結果が精神的に影響する。昨季の失意は僕にも大きな衝撃を与えた。僕らは勝利以外のことに慣れていないし、今年は昨季の雪辱を晴らしたい。監督も僕らと同じく凄くガッカリしていたけど、今年は借りを返すつもりでいる」

 ユナイテッドは15節を終えて勝ち点36で首位を走り、2位シティとの勝ち点差は3となっているが、ユイテッドは今季開幕から守備陣の負傷離脱による失点の多さに悩まされ続けている。リーグ戦では先制を許した試合がこれまでに10回もあり、そのうち逆転勝ちした試合が7試合と、守備の脆さを攻撃陣の得点力で補うという荒業を見せている。15節ではレディングを相手に2度のリードを許すも、4-3で競り勝っており、「カムバック・キングズ=逆転勝ちの帝王」との異名を付けられている。

 これについてスモーリングは次のように語る。

「失点は集中力から来るもの。監督は試合前から常に集中しろと言っている。今季は先に先制されてしまう試合が多かったけど、それは修正すべき点だ。でも、たとえ試合で先に先制されたとしても、僕らは1点を決めて波に乗れば逆転できると常に思っている」

 だが、そんな心配もダービー戦を前に解決されそうな兆しが見えてきた。ユナイテッドの主将でセルビア代表DFネマニャ・ヴィディッチがシティ戦に間に合う事が明らかとなったのだ。ヴィディッチは9月19日に行われたチャンピオンズリーグのガラタサライ戦でひざを負傷して以来、手術を受けて長期離脱していた。同選手は昨季も右ひざじん帯断裂による後半戦の離脱がチームの優勝争いに大きく影響していただけに、心強い戦力になる事は間違いない。アレックス・ファーガソン監督は「ヴィディッチは試合勘を養う必要がある」としたうえで、「良き守備陣はチームに優勝をもたらしてくれるものだ」と、主将の復帰が優勝のカギになると話している。

 驚くことに今季ユナイテッドが無失点に抑えたリーグ戦は3試合のみとなっている。これについては、イングランド代表MFマイケル・キャリックが「無失点での勝利を求め続ける必要がある。プレーを改善しなければ。僕らの調子はベストではないし、思うような流動的なサッカーができていない。失点を許せば自分たちの首を絞めることになる。無失点に抑える事は今後の前向きな課題だ」と語れば、北アイルランド代表DFジョニー・エバンスも「僕らはまだいいプレーができていないし、理想のレベルに達していない。守備が改善されれば、チームは良くなる」と話している。

 一方、シティとのダービーで通算8得点を記録し、同ダービーの歴代記録である10ゴールに迫っているユナイテッドのエース、イングランド代表FWウェイン・ルーニーは今回のダービーに向け、こう語っている。

「シティと同じように、僕らも彼らの結果は気にしている。でも、僕らには自分たちのプレーに集中することが求められているし、今後も多くの試合が控えているから、勝利を着実に築いていく必要がある。年末年始の過密日程は厳しい時期になるけど、監督は選手全員を使って乗り切るだろう。僕らはただ監督のために調子を整えるだけだ」

 前述した直近のダービーでは、ベンチ際で両監督が口論になるという白熱した場面があった。今回もダービーに向け、両監督の意見が分かれた。

 ファーガソン監督は、「プレミアリーグでは常に2チームによる優勝争いが続いてきた。現時点で今季の優勝争いが2チームによるものであると言うのは早すぎるが、このリーグでは上位5チームに優勝の可能性があるとは言いつつも、最終的には2チームによる争いになるものだ。昨季も我々とシティが優勝争いをし、他のクラブは離れた位置にいた」と、ダービーを盛り上げるリップサービスも忘れなかったが、これに反論するかのようにシティのロベルト・マンチーニ監督は次のように語った。

「プレミアリーグはマンチェスターだけの争いではない。優勝が2チームによる争いになっているとは思わない。我々は上位にいるが、シーズンは長いため優勝争いを語るのは難しい。チェルシーも候補だろうし、現時点では3チームの争いだが、それも語れない。2月にチャンピオンズリーグが再開すればリーグ戦の結果にも影響が出る。上位ではユナイテッドのみがチャンピオンズリーグで勝ち残っているため、終盤戦の過密日程を考慮すれば我々やチェルシーが優位に立てるチャンスも十分ある」

 ユナイテッドが同ダービーで課題としている守備を修正し、昨季の雪辱を晴らすとともに勝ち点差を6に広げられれば、後半戦に向けた勢いがつくことだろう。

開催日時:2012.12.9(日)22:30キックオフ
試合会場:エティハド・スタジアム

【予想スタメン】
▼マンチェスター・シティ(4-4-2)
FW:テベス、ジェコ
MF:ナスリ、バリー、Y・トゥレ、シルバ
DF:ザバレタ、レスコット、コンパニ、マイコン
GK:ハート

▼マンチェスター・ユナイテッド(4-3-3)
FW:ヤング、ファン・ペルシー、ルーニー
MF:アンデルソン、キャリック、フレッチャー
DF:エヴラ、ヴィディッチ、エヴァンス、スモーリング
GK:リンデゴーア

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