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【マンチェスター・ダービーがもっと面白く、楽しくなる】試合前に知っておきたいダービーにまつわる“数字”

2012.12.03

文●藤井重隆 写真●フォトスポーツ
マンチェスター・ダービー
「マンチェスター・ダービー」とは、その名の通りマンチェスターに本拠地を置くユナイテッドとシティの対戦カードのことだ。両チームの宿敵関係は1881年11月に初対決して以来131年にも上り、12月9日にシティのエティハド・スタジアムで行われる今シーズン最初の同ダービーは165回目を迎える。

 近年、イングランド1部リーグ優勝回数で1位のユナイテッド(19回)と2位のリヴァプール(18回)による「ノースウェスト・ダービー」以上に注目を集めているマンチェスター・ダービー。昨シーズンは金満オーナーの買収により力を急激に付けたシティが、堅実に栄冠を積み上げてきたユナイテッドを抑え、44年ぶりのリーグ優勝を果たした。英メディアによると、昨シーズンの同ダービーは全世界1000万人以上のファンによって視聴されたと報じられた。

 両チームは国内リーグの歴代最多観客数で1位と2位を保持しており、シティが1934年に84569人、ユナイテッドが48年に83260人、それぞれ「北のウェンブリー」と称されたシティの旧スタジアム、「メイン・ロード」で記録した。同ダービーの史上最多観客数は、47年に同スタジアムで記録したとされる78000人。現在、ユナイテッドの「オールド・トラフォード」がイングランドのクラブ最多収容数約76000席を誇ることからも、いわば同国の歴史を支えてきた中心的2チームと言っても過言ではない。

通算対戦成績はユナイテッドの68勝、シティの46勝

 同ダービーの対戦成績を見れば68勝のユナイテッドが46勝のシティを圧倒しており、これまでに築いた主要トロフィーの数でもユナイテッドの60個に対し、シティは4分の1の15個。リーグ優勝の数においても19回のユナイテッドと3回のシティには歴史的に雲泥の差がある。

 歴史をさかのぼると、創設当時のチーム名はユナイテッドがニュートン・ヒース、シティがセント・マークスと、地元にちなんだ名称を使っていたが、両チームがマンチェスターの2大勢力となったことで、前者は1894年、後者は1902年に現名称へと改名した。現名称になってからイングランド1部リーグで初めて対戦したのは1906年のことで、当時の両チームの関係は互いに励まし合うなど仲睦まじかったという。

 同ダービーが劇的に変わったのは1970年からだった。因縁ができたのは、当時ユナイテッドでエース的存在だったジョージ・ベストが危険なタックルでシティ選手の足を骨折させ、切断の一歩手前にまで追いやったプレーに端を発する。74年には、両チーム間を2度も移籍したユナイテッドの英雄デニス・ローが現役最後のシーズンに宿敵シティへ移籍し、ユナイテッドを2部降格へと追いやる決勝点をヒールキックで決めた背景がある。ローは、「あの試合ほど人生で落ち込んだ日はなかった。19年間、ゴールするためにサッカーに命を注いできたが、あれほどうれしくないゴールはなかった」と名言を吐き、古巣に対する思いから引退を決意した。

 最近では、宿敵間での移籍は御法度とされているが、2009年にアルゼンチン代表FWカルロス・テベスがユナイテッドからシティへ移籍したことは記憶に新しい。その直後にシティはマンチェスターの広告塔にテベスを起用し、「マンチェスターへようこそ」という看板を作成。これについてユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は「小さいクラブ」、「うるさい近所」などと批判した。昨シーズンのリーグ優勝時にはテベスが「ファーギー、安らかに眠れ」と、古巣の監督を挑発するプラカードを掲げた事もクラブ間の憎しみをあおった。

ダービー最多出場は35回のギグス、現役最多得点はルーニー

 そんなファーガソンがユナイテッドに就任したのは86年11月のシーズン途中からだった。90年代に入ると、ユナイテッドは黄金期を築き、同ダービーでも10年間無敗を記録。91年には当時17歳のギグスが同ダービーで決勝点を決め、キャリア初得点を記録した。今年39歳を迎えたギグスが同ダービーで35回プレーしており、最多出場記録を保持している。

 同ダービーでの通算最多得点者はシティの英雄ジョー・ヘイズとフランシス・リーが保持する通算10ゴールだが、同ダービーで通算8ゴールを記録しているユナイテッドのウェイン・ルーニーが近く記録を更新する可能性が出てきている。ちなみにユナイテッドの同ダービー最多得点保持者は、こちらもクラブの英雄ボビー・チャールトンの9点だ。

 一方、就任26年間で37個ものトロフィーを手にしてきた名将の歴史にも終止符が打たれようとしている。ユナイテッドは11月23日、大晦日に71歳の誕生日を迎えるファーガソンの銅像の建立式をスタジアム前で行い、同監督が引退を示唆したのだ。式では「時が来れば引退を決める。いつかは分からないが、27年目かもしれない」と言及。銅像の高さが約275センチであることからも、「27年」という数字と重なるようにも見える。ユナイテッドは昨シーズンにも、就任25周年を記念して北側スタンドを同監督の名前に改めているため、カウントダウンが始まっているとの見方も強い。ちなみに過去26年でシティは19人もの監督交替があった。

 両チームがワンツーフィニッシュをしたのは、1968年と2012年の2回のみで、いずれも最終節まで決着がもつれこみシティが優勝している。リーグ戦のダービーで2連勝することを「ダブル」と呼ぶが、シティは昨シーズン、敵地で6-1、ホームで1-0と「ダブル」を達成。6-1という結果は56年ぶりの5点差勝利となり、さらに敵地での6ゴールは実に85年ぶりだった。昨シーズンはシティが得失点差で優勝を手にしただけに、ダービーでの直接対決が優勝のカギを握っていることは間違いない。

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