2012.10.18

【私的サムライブルー強化論】W杯ベスト8への提言/早野宏史、前園真聖、小澤一郎、サッカーキング編集長が日本代表を語る

日本サッカー史上初のW杯ベスト8進出を果たすために継続すべき要素、あるいは改善すべき点は何なのか? 4人の識者が、2年後の歓喜に向け道標を示してくれた。

早野宏史の私的サムライブルー強化論

Jで好調を持続するFWを起用してもいいのでは


 順調な戦いを見せている最終予選のメンバーが、2年後も中軸を担っていることは間違いない。パス重視で守備網を突破し、前線からプレッシャーをかけ続ける。ハードワークを惜しまない現在の戦い方を継続すべきだろう。

 ベスト布陣をテーマとする時に、必ず問題として挙がるのが1トップに誰を起用すべきかである。「一人で世界のDFと戦える選手」と考えた場合、適任を探すのは難しい。ただ、現在の布陣は攻撃の局面において前線と2列目の3人を加えた4人のアタッカーが流動的に動いて崩す形が多い。中盤が充実している分、前線に誰を起用すべきかは大きな問題ではないと考える。とはいえ、Jリーグで好調な選手がいるのであれば、試すべきではないだろうか。


はやの・ひろし|サッカー解説者・指導者。横浜Mの監督として、1995年にリーグ優勝を達成した他、G大阪や柏でも指揮した名将。現在はサッカー解説者として活動。

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前園真聖の私的サムライブルー強化論

個で打開するプレーも追求していく必要がある


 W杯ベスト8進出はロンドン世代がどれだけ主力に名を連ねるかにかかっていると思います。清武、2人の酒井、宇佐美らは海外で経験値を高められるため代表の中心になり得るでしょう。DFでもクレバーな守備ができる鈴木には順調に成長してほしい。

 中盤では遠藤の代役候補として細貝を挙げます。ハードワークに加え的確にボールを散らせる能力は生かすべきではないでしょうか。南アフリカでは守備重視でベスト16まで行けることを証明しましたが、それ以上を目指すには主導権を握るパスサッカーと個で打開するプレーも追求していく必要があります。その点では香川、本田、清武の個人技や得点力も生かすべきで、大津や岡崎を0トップ気味に起用する形が理想的と考えます。


まえぞの・まさきよ|サッカーコメンテイター・元日本代表。現役時代はU-21日本代表の主将としてアトランタ五輪に出場。現在は解説に加え、少年サッカーの普及促進にも尽力。
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小澤一郎の私的サムライブルー強化論

2列目を生かした流動性と創造性で世界に挑むべき


 日本サッカーの方向性はすでに定まっており、2列目のタレントを生かした流動性とクリエイティビティーで世界に挑むべき。その上でまず必要なのが最終ラインからのビルドアップの安定感で、GKには足下のスキルが高い西川をセレクトした。センターバックは順当に今野でも良いがロンドン・オリンピック経由の飛躍を期待して鈴木を推す。両サイドバックは酒井宏と長友で決まりだろう。

 ボランチは遠藤ではなく、高いプレーインテンシティーを持つ本田を一段下げて使う。バランサーとして横に阿部を付け、2列目には五輪組をそのままスライド。日本のスタイルからして前線に張るポストプレー役は不要で、香川を0トップに起用、セカンドストライカーとして左に永井を配置した。


おざわ・いちろう|サッカージャーナリスト。スペインにて執筆活動を開始。日本とスペインの両国で育成年代の指導経験があり、育成や戦術のテーマを得意とする。

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浅野祐介の私的サムライブルー強化論

中盤のタレント力を生かし本田を再び最前線で起用


 日本の武器はやはり「中盤のタレント力」。密集エリアでもボールをキープできる本田を最前線に置き、2列目に香川、清武、宇佐美を並べる形を推します。清武、宇佐美には、香川の成長にならうような“進化”を期待したいですし、同様に攻撃のジョーカーとなり得る宮市の成長にも注目したいと思います。

 遠藤のパートナーには、ハードワークのできる細貝をチョイス。この2年で遠藤の“後継者”を確立するよりも、細貝の献身性で遠藤へのサポートを高める形がより現実的ではないかと考えます。サイドバックは左に長友、右に酒井宏。また、ブラジルでのW杯というモチベーション要素を鑑み、高さと攻撃力、メンタル面での牽引力という点から、闘莉王の“復活”にも期待しています。


あさの・ゆうすけ|『サッカーキング』編集長。ファッション誌の編集を経験後、サッカーメディア業界に転職。『ワールドサッカーキング』副編集長などを経て現職。

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