伝統の一戦“クラシコ”
開幕前は指揮官交代にまつわる様々な不安要素が取り沙汰されていたが、いざふたを開けてみれば開幕から6連勝、17得点5失点という盤石の試合運びで早くも独走状態を築きつつある。
絶対的エースのメッシが6試合で6ゴールと相変わらず高い得点力を発揮している攻撃陣は絶好調だが、ここに来てプジョルとピケのセンターバックコンビが同時に負傷離脱。ライバルとの直接対戦で勝ち点差を広げ、更なる独走態勢を築きたいところだが、最終ラインは万全とは言えず不安がつきまとう。
とりわけレアル・マドリードのカウンターにどう対応するかは大きな課題。スーペル・コパではマスチェラーノやピケの判断ミスから失点を喫し、今回のクラシコでは自陣の広大なスペースで相手を自由にさせない守備が必須となる。キャプテン、プジョルの欠場が決定。ピケの先発は微妙な状況でマスチェラーノと新戦力ソングがセンターバックでコンビを組むことになる。
カンプ・ノウで戦うだけに攻撃的な姿勢が期待されるが、失点を防ぐことが勝利へのカギとなるだろう。
【予想スタメン】
バルセロナ(4‐3‐3)
GK:ビクトル・バルデス
DF:ダニエウ・アウヴェス、ソング(ピケ)、マスチェラーノ、ジョルディ・アルバ
MF:ブスケッツ、シャビ、イニエスタ
FW:ペドロ(セスク)、メッシ、アレクシス・サンチェス(ビジャ)
注目ポイント1 メッシの新記録樹立に期待
スーペル・コパの第2戦でPKを沈め、クラシコでの通算得点を15に伸ばしたメッシ。これは元レアル・マドリードのラウールと並ぶ歴代2位の記録だ。歴代最多は同じく元R・マドリードのディ・ステファノの18ゴールで、メッシが今回のクラシコでハットトリックを達成すればこの記録に並び、4ゴールを奪えば新記録樹立となる。難しい挑戦であることは間違いない。ただし、06-07シーズンのクラシコでハットトリックを記録しているだけに、決して不可能なミッションではない。
注目ポイント2 3トップの組み合わせに注目
第5節のグラナダ戦では、今シーズン初めてメッシ、A・サンチェス、ビジャが3トップを形成した。クラシコではどのような顔触れ、布陣でキックオフを迎えるのかに注目が集まる。メッシとA・サンチェスの先発は濃厚として、残る1人に大舞台での勝負強さを買ってビージャが起用されるのか、それともグラナダ戦でのパフォーマンスが評価されてペドロが先発するのか。今シーズン既に3試合に先発と成長著しいテージョが、昨シーズンに続いて大抜てきの可能性も十分にあり得る。
注目ポイント3 静かに闘志を燃やす指揮官
ビラノバ新監督にとって、敵将モウリーニョはヘッドコーチ時代に目潰し行為などいくつかの屈辱を与えられた因縁の相手だ。対決の図式をあおりたてようとする記者の質問は軽く受け流し、平常心を装っているが、スーペル・コパでもタイトルを譲っているだけに誰よりも闘志を燃やしているはず。バルサイズムを受け継ぐ指揮官が、“オンリー・ワン”を自負するモウリーニョを相手にどのような采配を振るうか。試合後に握手を交わす瞬間まで、2人の一挙手一投足から目が離せない。
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