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【インタビュー】ナチョ・フェルナンデス「与えられたチャンスをものにする」

2012.09.11

ワールドサッカーキング 0920号掲載]
少年の頃からレアル・マドリー一筋でプレーしてきたナチョ・フェルナンデスがいよいよトップチーム昇格のチャンスを得た。トップチームのサマーキャンプに参加して自信を深めた22歳の若武者は、白い巨人の懐刀になれるのか。幸福なステップアップを果たしたナチョが、今シーズンに懸ける気持ちを熱く語った。

ナチョ・ゴンサレス
インタビュー・文=ホセ・フェリックス・ディアス 翻訳・構成=高山 港

 ホセ・イグナシオ・フェルナンデス・イグレシアス、通称ナチョは、11歳の時からレアル・マドリー一筋でプレーしている。昨シーズンはキャプテンとして、レアル・マドリー・カスティージャ(Bチーム)の2部昇格に大きく貢献。今シーズンは、いよいよトップチームで活躍するチャンスを手にしようとしている。

 ジョゼ・モウリーニョの下で夏のキャンプを過ごしたナチョは、自身の現況に十分な手応えを感じると同時に、大いなる希望を抱いている。「今の僕は夢の中にいるようだ。この夢ができるだけ長く続くことを願っている。今シーズンはなんとかトップチームにとどまって、マドリーのリーガ連覇やチャンピオンズリーグ制覇に少しでも役に立てればと思っているんだ」と若きカンテラーノは言う。

 ロベルト・ソルダードやフアン・マタ、アルバロ・ネグレドら、R・マドリーの下部組織は常に優秀な選手を輩出し続けてきた。だが彼らのように多くの実力者が、層の厚いトップチームではなく他クラブへと流出している。ナチョはこの大きな流れを変える存在になるかもしれない。下部組織がトップチームの屋台骨であるという当たり前のことを、今シーズンのナチョは自身の活躍で実証しようとしているのだ。

今僕にできることは、与えられたチャンスをものにすることだけだ

まずは日本のサッカーファンに向けて自己紹介をしてくれるかな?

ナチョ 僕は11歳の時からずっとマドリーのカンテラでプレーしている。代表では各年代のカテゴリーでプレーしてきた。そして今年の夏、トップチームのトレーニングキャンプに招集され、プレシーズンマッチでは何試合かプレーできた。このまま、トップチームに残って1年間、プレーできればと願っているよ。

君の得意のポジションは?

ナチョ カスティージャではセンターバックをやっていた。プレシーズンマッチではモウリーニョの下で右サイドバックに挑戦して、問題なく対応できた。トップチームではサイドバックとして期待されているようだけど、僕としては望むところだよ。

自分のストロングポイントはどんなところだと思っている?

ナチョ 自分で答えるのはなかなか難しいね。でも一つだけ言わせてもらえば、戦術の順応力が高いということかな。僕はセンターバックでもサイドでもプレーできる。チームにとって役に立つ選手だと思っているよ。

カスティージャとトップチームを比較して、最も大きな違いはどんな部分だと思う?

ナチョ まるで昼と夜のような違いがあるよ。カスティージャでプレーする選手全員が、トップチームでのプレーを夢見ているんだ。カスティージャで満足している選手なんて1人もいないよ。カスティージャはトップチームに挑戦するための準備をする場所なんだ。

このままトップチームに残れると思う?

ナチョ それが僕の願いさ。僕はこれまでカンテラで11年間もプレーした。トップチームに昇格することを僕がどれだけ望んでいるか想像がつくだろう? 今僕にできることは、与えられたチャンスをものにすることだけだ。モウリーニョが僕にチャンスを与えてくれたら、自分の力をフルに発揮すればいい。簡単じゃないけど、とてもシンプルなことさ。

君は今22歳だね。トップチームへ挑戦するには遅いと思っている? それとも、ちょうどいい年齢なのかな?

ナチョ 年齢は関係ないと思っているよ。重要なのは、選手としてどれだけ成熟しているかということ。良い例がラウール(ゴンサレス)だ。ラウールは17歳でマドリーでのレギュラーポジションを手にした。彼は選手としてそれだけ成熟していたってことだ。

アスレティック・ビルバオのイケル・ムニアインやマラガのイスコのような年下の選手がトップチームで主力として活躍していることに焦りを感じたりしない?

ナチョ チームメートにはそういった焦りを抱く選手が多いけど、僕はそうは思わない。ここで学べることはたくさんあるし、トップチームで世界最高レベルの選手のプレーを肌で感じることは他のクラブでは経験できない貴重なことだよ。

多くの人は君とアルバロ・アルベロアのポジション争いを話題にしている。このことについてどう思う?

ナチョ アルベロアはワールドカップとユーロを制した“ラ・ロハ”(スペイン代表の愛称)の一員だ。世界最高のサイドバックの一人と言っていい。僕はトップチームで活躍するスタープレーヤーの控えとして期待されている、という段階なんだ。僕の役割は、レギュラーの選手が何らかの理由でゲームに出られなくなった時、チームが戦力ダウンしないよう役割を全うすること。だからアルベロアとのポジション争いなんて意識していないよ。彼はカスティージャでプレーする選手にとって大きな目標でもある。アルベロアはマドリーのカンテラで育った偉大な選手だからね。

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