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【レポート】元高校サッカープロデューサーが語る、今だからこそ「高校サッカー」が伝えるべき大切なこと

2016.02.23

 2月18日(木)に東京都八丁堀のFootball★Plazaで、サッカーキング・アカデミー 高校サッカーアンバサダー 特別セミナー「元高校サッカープロデューサーが語る、今だからこそ高校サッカーが伝えるべき大切なこと」が開催され、ビジネスマンや学生など、約20人が参加した。

 講師を務めたのは、高校サッカーアンバサダーを務める澤田勝徳氏。國學院久我山高校、國學院大學を卒業後、株式会社コンセイトZに入社しスポーツマネジメント業務を行う。1996年に株式会社日本テレビサービスに転職し、高校サッカー選手権の運営に携わり始める。2007年に株式会社日テレイベンツ スポーツ事業部次長を務め、2008年には日本テレビ放送網株式会社 スポーツ事業プロデューサーに就任。高校サッカー大会実行委員や事務局長、スポーツイベントのプロデュースなどを行い、2014年3月まで高校サッカーの大会運営に携わった。

 そんな澤田氏が、現在の高校サッカーを取り巻く環境、選手権大会における運営やその裏側について講義を行った。

 はじめに、先日行われた第94回全国高校サッカー選手権大会の振り返りと総括を述べた。全47試合行われた今大会は、延べ313,824人の観客数を記録。決勝戦は、成人の日に固定した第81回大会以降最多となる54,090人を動員するなど根強い人気を誇っている。

 そして澤田氏は、昨今の高校生年代の試合環境について解説した。第94回大会における出場全48校のうち、約6割が高円宮杯U-18サッカーリーグプレミアリーグ、プリンスリーグに参入しているチームであった。「現在は各地域でリーグ戦がきちんと整備されていて、毎週高いレベルで試合を行えている」。今大会を制した東福岡高校も、2015年にプレミアリーグWESTにおいてガンバ大阪ユースに次ぐ2位であり、「勝つべくして勝ったチームだった」とその強さを賞賛した。近年は選手権大会で初優勝が相次いだ。しかし今後は、プレミアリーグやプリンスリーグを戦う「強豪」が結果を出し続けるのではないかと澤田氏は推測する。

 その一方で、高円宮杯U-18サッカーリーグ東京(通称:T league)を戦う國學院久我山高校は今大会準優勝。「とはいえ、こういったチームが勝つ可能性もある。これが高校サッカーの魅力でもあります」と澤田氏は話す。

 そして、選手権大会の起源と言われる「日本フートボール大会」についてや、日本テレビがその大会に関わり始める歴史的経緯を説明し、高校サッカーの代名詞であるテーマ曲「ふり向くな君は美しい」にまつわるエピソードも語った。また現在でこそ、ピッチ上での歌唱パフォーマンスが世間に認知されているものの、当時は批判の声が多かったという。しかし、サッカー界にエンターテイメントを参入させることで、結果的に大会の注目度アップにつながり集客数を伸ばした。現在は、応援リーダー・応援歌・応援マネージャーの「応援3基軸」が大会を盛り上げている。

「ふり向くな君は美しい」の歌詞からもわかるように、高校サッカー伝統の「敗者にも光を当てる」中継精神は現在も変わらない。澤田氏はこの考え方に賛否両論があることを理解した上で、「それでも、さまざまな人に高校サッカーを知って欲しいという気持ちはぶれない」と力強く語った。高校サッカーは全国4,000校150,000人の大会であり、決勝戦だけがすべてではない。選手や指導者の「魂」、放送局や高体連の先生方の「情熱」、大会を見守る家族・学校関係者や地域の「愛」、これらに支えられ高校サッカー選手権大会は運営されているのだ。

「情熱がないと物事は進まない」この言葉は、澤田氏本人がそれを証明している。セミナーの中でも澤田氏の高校サッカーへの情熱が伝わり、参加者もそれに応えていた。

By サッカーキング編集部

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