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マレーシアリーグ王者、欧州クラブと提携加速か。育成年代強化、経営面の改善狙い

2015.10.15

 2015年度マレーシア・スーパー・リーグ(1部相当)王者のジョホール・ダルル・タクジム(以下JDT)が欧州クラブとの業務提携を加速させる模様だ。同クラブの公式フェイスブック上に発表された情報によると、クラブのパトロンであり、ジョホール州の皇太子でもあるトゥンク・イスマイル・イブラヒム氏が12月に欧州へ渡り、パリSG(リーグ・アン/フランス)、バルセロナ(リーガ・エスパニョーラ/スペイン)のCEOと会談を行う予定。ユース年代の育成強化策、経営面の改善に向けたノウハウの共有などを中心に業務提携を本格化させていくつもりだ。

 ジョホール・ダルル・タクジムは2014年、2015年のマレーシア・スーパー・リーグ王者。AFCカップ2015でも準決勝まで残っている強豪クラブで、過去には元アルゼンチン代表MF・パブロ・アイマールも所属していた。クラブは更なる強化に向け、ユースを始めとする育成年代の強化、経営面の改善に向けた動きに着手。ボルシア・ドルトムント(ブンデスリーガ/ドイツ)とは既に業務提携を結び、これらの課題解決に向けた話し合いを何度も行っていると複数のマレーシア国内紙では報じられている。

 マレーシアでは適切なクラブ経営のノウハウが無く、給与未払いなどの問題が常態化している。マレーシア・スーパー・リーグを運営するマレーシア・フットボールLLPのケヴィン・ラマリンガムCEOも「国内リーグにおいて常態化している給与未払いなどの問題については把握している。Jリーグやブンデスリーガに協力を仰ぎ、彼らから学ぶ事は、クラブやリーグ運営の健全化に繋がる。」「ボルシア・ドルトムントから戦術面だけでなく、クラブ運営の方法についても学んでいる。JDTのような例はマレーシアリーグの発展という点から見ても好ましい。」と、同クラブの今後に期待を寄せていると同時に、Jリーグや欧州リーグとの提携が加速することを歓迎している。

 一方、イングランド・プレミアリーグが東南アジアでの莫大な放映権料を得ている事もあり、欧州クラブ側も東南アジア市場には熱視線を送り続けている。ドルトムントのハンス・ヨハヒム・ヴァッケCEOは「(7月にアジアツアーで訪れた)シンガポール、マレーシアのファンは非常に熱狂的で、大きな可能性を感じた。」とESPN FCのインタビューで語り、JDTのユースチームに2〜3人のコーチを派遣する計画を明かすなど、同クラブの発展に全面的に協力していく考えを見せた。

 トップチームのアジアツアーなど華やかなイベントだけでなく、東南アジア現地クラブの育成年代や経営面の強化といった、地道な活動も並行して行う事で、欧州クラブはマレーシアにおける存在価値を順調に高めていきつつある。欧州クラブのこのような姿勢はJリーグも参考にして、より推進していきたいところだ。

(アジアサッカー研究所/平井)

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By アジアサッカー研究所

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