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【インタビュー】ラウール「カタール移籍は難しい決断だった。退団は年齢的な問題」

2012.06.13

ワールドサッカーキング 2012.06.21(No.220)掲載]
シャルケで幸せな2年間を送ったラウール・ゴンサレスは今夏、カタールのアル・サッドへの移籍を決断した。34歳となった今でもゴールへの情熱を持ち続けるスペインの“レジェンド”がキャリアの集大成を語る。
ラウール

インタビュー・文=ホセ・フェリックス・ディアス・フェルナンデス 翻訳・構成=高山 港

 2年前、追われるようにレアル・マドリーを去ったラウール・ゴンサレスは、シャルケでの2シーズンで自身の“伝説”に更なる一ページを加えた。

 チーム随一のハードワークで味方を鼓舞し、ゴール前では相変わらずの勝負強さを発揮。昨シーズンのチャンピオンズリーグ(以下CL)では自身の通算ゴール数を歴代最多となる71にまで伸ばし、シャルケをクラブ史上初のベスト4に導いた。今シーズンは、肉体的な限界を感じながらも、昨シーズンを上回るリーグ戦15ゴールを記録。34歳となった現在も天才的なゴールセンスはさびついていない。

 そして、契約満了を迎えた今夏、シャルケの契約延長オファーを断り、新たな文化、新たな言語、新たな環境でプレーすることを決断。カタールリーグの強豪、アル・サッドへの移籍を果たしたのである。

 ヨーロッパで18シーズンにわたりトップレベルのプレーを披露し続けた天才ストライカーが、幸せに満ちたドイツでの生活、古巣への思い、そして新天地カタールでの新たな挑戦への意気込みを語ってくれた。

肉体的に限界を感じてしまったんだ

君は来シーズン、カタールリーグのアル・サッドでプレーすることになった。アル・サッドを選んだ理由は?

ラウール アル・サッドが大きな成功を収めているクラブだということが一番の理由だ。昨年のクラブ・ワールドカップで準決勝に勝ち進んだチームだしね。

アル・サッドについて以前から詳しく知っていたの?

ラウール 実は、アル・サッドからオファーが届いた時、僕はペップ(ジョゼップ・グアルディオラの愛称)と(フェルナンド)イエロに意見を求めたんだ。2人ともカタールでプレーした経験があるからね。彼らは大賛成だったよ。ペップは、「カタールのサッカーは日々進化している。あそこでプレーするのは貴重な体験になるはずだ」と言ってくれた。いずれにしても、彼らのアドバイスが僕のカタール行きの決断の大きな要因となったんだ。

君はシャルケから契約延長のオファーを受けていたよね。ドイツでプレーを続けることに何か問題があったの?

ラウール チーム内での問題なんて一つもなかったよ。シャルケではみんなが僕によくしてくれた。クラブは34歳の僕に「もう1年やってくれないか」と熱心に誘ってくれたよ。シャルケには感謝の気持ちしかない。

じゃあ、なぜ、シャルケを去る決断をしたの?

ラウール 今シーズンは自分自身ある程度納得できるプレーが見せられた。リーグ戦で32試合に出場して15ゴールという数字にも満足している。だけど、同じような成績を来シーズンも残せるかと自問した時、確信が持てなかった。肉体的に限界を感じてしまったんだ。

君ならまだ十分トップレベルでプレーできると思うけど。

ラウール いや、もうへとへとだよ。今シーズンの戦いを終えたあと、心底一息つきたいと思ったしね。

カタールリーグでのプレーを決断したのは、体の衰えも考えてのことだということ?

ラウール もうちょっと楽な環境でプレーしたいという気持ちが強かったことは間違いないね。それにもう一つ、これは僕だけでなく、妻や子供たちも同じ意見なんだけど、これまでとは違う文化、違う言語、全く違う環境で生活したいという気持ちになっていたことも確かだ。そんな時に、アラブの数チームからオファーがあったということさ。

カタール行きを決断するのは簡単ではなかった?

ラウール すごく難しい決断だった。何度となく考え直したよ。ただ、今はこれがベストの選択だったと思っている。カタールリーグは、ブンデスリーガやリーガ・エスパニョーラとは違う。テクニック的にもフィジカル的にも、僕にとってすごく楽になるはずだ。余裕を持ってプレーできるし、今の僕でもある程度活躍することができると思う。

君のゴールをヨーロッパで見られないのはファンにとっては残念なことだよね。

ラウール アラブでプレーしてもゴールへの情熱やタイトルへのモチベーションは変わらないよ。アル・サッドを選んだのは、最もリーグタイトルに近いチームだということも大きな理由だからね。

ここからはシャルケについて聞かせてほしい。まずドイツでの2シーズンを振り返ってくれるかな?

ラウール 本当に素晴らしい2年間だった。ドイツでこれほどの成功を収められるなんて思ってもみなかったし、僕のキャリアの中でもベストなシーズンだったと言えるよ。

シャルケでの最高の瞬間を挙げるとすれば?

ラウール ドイツカップ(2010-11シーズンのDFBカップ)で優勝したことだね。僕にとっては17個目のタイトル獲得だった。本当にうれしかったよ。それから、昨シーズンのCLの準々決勝でインテルに勝ったことも大きな喜びだ。ホームとアウェーの2試合で勝利を収めたんだ。完璧な勝利だった。これも僕にとっては忘れられない思い出になった。すごく感動したよ。

<インタビュー全文はワールドサッカーキング 2012.06.21(No.220)でチェック>

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