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“稀代の点取り屋”シェフチェンコが語る「最初で最後のユーロ」

2012.06.11

 クラブレベルで数々の栄冠を手にしたウクライナの天才ストライカーが、母国開催のユーロ2012を前に、夢と野心が詰まった意気込みを語ってくれた。

君は3年前にディナモ・キエフに戻った。君がウクライナを離れている間に、ウクライナのサッカーはどれぐらい変化していたのかな?
シェフチェンコーーウクライナのサッカーは大きく変化していたよ。ビッグクラブのオーナーが巨額の投資を行って、ウクライナ・プレミアリーグを設立したんだ。選手の待遇も以前よりずっと良くなって、必ずしも国外に移籍しなくて済むようになった。すべての部分がよりプロフェッショナルになっているように見えるよ。

ウクライナサッカーの発展を考えると、今回のユーロは重要な大会だよね。代表チームが良い戦いを見せることはもちろんだけど、開催国としての役割を果たすことも重要となる。
シェフチェンコーーユーロはウクライナにとって特別なものになるだろう。僕たちには決勝トーナメントに進出する義務がある。できるだけ勝ち進むよう努力するつもりさ。

これは君にとって代表チームとして臨む2度目の主要国際大会だ。ウクライナが準々決勝に進出した2006年のワールドカップから何を学んだのかな?
シェフチェンコーードイツ・ワールドカップは素晴らしいイベントだった。僕だけでなく、国全体にとってね。サッカー界における最大のイベントに国として初めて出場したのだから当然だよね。正直に言うと、僕たちは素晴らしいサッカーを披露したわけではないけど、強い団結力を見せたと思う。どんな相手に対しても粘り強さを見せることができたんだ。僕がW杯から学んだことは、チームの結束が最も重要だということだ。それがあれば、どんなことだって起こり得る。ユーロが始まる時点でチームが団結していることを期待しているよ。それに僕たちの伝説的な師である、ヴァレリー・ロバノフスキー(ディナモ・キエフとウクライナの監督を歴任した名将)は、「ピッチ上での秩序は常識をしのぐ」と常々言っていたからね。

チェルシーを退団した後の君は、トップレベルでプレーしているとは言えない。何があったんだろう?
シェフチェンコーーチェルシーでの過去に後悔はない。あの頃の僕はどんなプレーもできると思っていたけど、慢性的なケガに邪魔されることになった。2シーズン目を過ごしていた頃から、ふくらはぎに痛みを感じるようになってね。痛みを感じる部分ではなく、そこに神経がつながっている脊髄に問題があると分かったのはずっと後のことさ。一時期はプレーどころじゃなく、普通に歩くことさえできなかった。回復まで2年以上掛かったんだ。

35歳の今、コンディションはどうなのだろう?
シェフチェンコーー僕はユーロでプレーするために入念な準備をしてきた。これが僕にとって最初のユーロであり、同時に最後のビッグイベントだと思っている。

現役引退をするということ?
シェフチェンコーークラブでのプレーを続けるかどうかはまだ決めていないんだ。それは大会後のコンディション次第だね。

ウクライナにはどういったことが期待できるだろう? ロバノフスキーと比較して、現在の代表監督であるオレグ・ブロヒンはどうかな? どちらもディナモ・キエフのレジェンドだけど。
シェフチェンコーーブロヒンとロバノフスキーを比較するのは難しいな。ただ、2人には共通する部分がある。2人とも偉大なパーソナリティーを持ち、かつて伝説的なプレーを見せていたということさ。僕たちは若手と経験豊富な選手が混ざった、とても野心的なチームだ。決勝戦に進出したいという高い目標を持っている。夢を実現するために、できる限りのことをやるだけだよ!

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【浅野祐介@asasukeno】1976年生まれ。『STREET JACK』、『Men's JOKER』でファッション誌の編集を5年。その後、『WORLD SOCCER KING』の副編集長を経て、『SOCCER KING @SoccerKingJP』の編集長に就任。

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