FOLLOW US

【インタビュー】ピルロ「ユーヴェ移籍が最善の選択になると確信したんだ」

2012.03.05

ワールドサッカーキング 2012.03.15(No.209)掲載]
アンドレア・ピルロが白と黒のユニフォームに袖を通す姿を誰が予想できただろう。彼は今、移籍の決断が正しかったことを、自らのプレーで証明している。自分の力を信じて新天地を求めた希代のレジスタが、ユヴェントスの明るい未来を誓った。
ピルロ

インタビュー・文=グイド・ヴァチャーゴ 翻訳・構成=高山 港

 かつてミランの主軸としてタクトを振るったアンドレア・ピルロは今、新天地で新たな野望を胸にキャリアを重ねている。世界最高のレジスタとまで呼ばれた男は昨シーズン、ミランでわずか17試合しか出場機会を与えられず、苦汁をなめた。しかし、完全にチームの構想外となってからのピルロの決断は早かった。10シーズンを過ごしたミランを去り、トリノの地へ。この移籍を懐疑的に見る者も少なくはなかったが、ピルロはすぐさま結果を出して見せたのだ。

 ユヴェントスでのピルロのプレーに迷いは見られない。中盤の深い位置から繰り出される彼の柔らかいパスは依然、対戦相手の脅威であり、その精度に寸分の狂いはない。彼が自身の力を信じ続けられたのはなぜか。そして、ユヴェントスでもくろむ新たな目標とは何か。いまだ進化を続ける希代の名手に話を聞いた。

コンテがこれほど理論派の監督だとは想像していなかった。

もうユヴェントスには慣れたかい?

ピルロ ミラン時代とさほど変わらないよ。クラブとしての組織力、真のプロサッカー選手が集まるチーム、最新設備が備わったトレーニング施設……。どれもビッグクラブと呼ぶにふさわしい環境だよ。ヨーロッパ最高峰のクラブにいるという感じだね。

ミランを数々の栄光に導いた功労者の君が、なぜユーヴェへの移籍を決断したの?

ピルロ 単純なことさ。昨年夏の時点で、僕はミランの構想に入っていなかったからだよ。(マッシミリアーノ)アッレグリ監督から戦力外と見なされたんだ。その時、ちょうどユーヴェがオファーを出してくれた。僕は迷うことなく、そのオファーを受け入れたよ。ユーヴェに移籍することが自分のキャリアにとって最善の選択になると確信したんだ。僕自身、まだまだビッグクラブでプレーできると思っていたしね。もちろん、ミランへの恨みなんて何もないよ。ミランにとっても僕にとってもベストな解決策だったんだからね。

ミランのホーム、ジュゼッペ・メアッツァでのコッパイタリアの試合(2月8日に行われた準決勝の第1戦。ユーヴェが2-1でミランに勝利)で君がピッチに上がった時、ファンからのブーイングはなかった。うれしかったんじゃない?

ピルロ 正直言って、ブーイングがあったとかなかったとか、そんなこと全く気にしていなかった。でも今、君の話を聞いてうれしく思えたよ。ミラニスタ(ミランのファン)が今でも温かく迎えてくれるなんて感激だ。それは言い換えれば、彼らに良い思い出だけを残したということだからね。

ユーヴェは君を中心に再生を図っている。その重責は感じている?

ピルロ 確かにユーヴェは再建途中だけど、その中心に僕がいるわけじゃない。(アントニオ)コンテが研究に研究を重ねた構想に基づいて建て直しを図っているのさ。僕は現役時代のコンテも好きだったけど、監督としての彼にはもっと魅力を感じている。失礼かもしれないけど、コンテがこれほど理論派の監督だとは想像していなかった。それに、監督という職業にこれほどハマる人物だともね(笑)。彼は既に名将の領域に足を踏み入れつつある。今後、僕たちに大きな成功をもたらしてくれると確信しているよ。

under_14.jpg
WSK
amazon
ワールドサッカーキング No.209
【徹底分析】ヨーロッパ戦術革命
▼グアルディオラを追うモウリーニョの戦い
▼インタビュー チャビ「美しきサッカーの体現者」
▼インタビュー ジエゴ「自由と制約のバランス」
▼インタビュー ピルロ「自分を信じ続ける力」
▼インタビュー連載 モウリーニョ「挑戦を楽しむ」
▼ユーロ2012出場国ファイル「フランス代表」
▼特別付録 WSKオリジナル・ポスター(ラメラ/バルセロナ)

定価:570円(税込)   >>誌面の詳しい内容はこちら

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO