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【インタビュー】エセキエル・ラベッシ(ナポリ)──ナポリの街の美しき稲妻

2012.01.22

ワールドサッカーキング 2012.02.02(No.205)掲載]
エセキエル・ラベッシの美しく鋭いドリブルは、シーズン序盤から幾度となくナポリを救ってきた。今やチームに不可欠なピースとなったラベッシは、後半戦の戦いをどう見ているのか。冷静さと情熱を併せ持つアルゼンチンの俊英が、ナポリと自身の近未来を語る。
ラベッシ

インタビュー・文=マヌエル・パルラート 翻訳=高山 港

 今シーズンのセリエAは混戦と言っていい。第17節終了時点で上位7チームが10ポイントの中にひしめき合い、それぞれに優勝のチャンスを秘めている。中でもナポリの巻き返しには注目が集まる。チャンピオンズリーグ(以下CL)で“死のグループ”を勝ち抜き、確かな自信をつかんだ彼らは後半戦の戦いに高い意欲をみなぎらせている。

 強力な攻撃陣を擁するナポリにあって、カギを握る一人がエセキエル・ラベッシだ。切れ味鋭いドリブルの突破で絶大な存在感を示すラベッシに、重要な戦いが続く後半戦の展望を聞いた。強力な攻撃陣の一角を担う彼の活躍なくして、ナポリの街に歓喜は訪れない。

俺のプレーがどんどん進化していくのを実感しているんだ。

まず、CLの舞台でプレーした感想は?

バルセロナ
昨年11月のCL第5節マンチェスター・C戦では、躍動感溢れるドリブル突破と激しいアップダウンで敵を混乱に陥れた

ラベッシ これまでに体験したことがないような感動を味わったよ。特に、スタディオ・サン・パオロ(ナポリのホームスタジアム)でのマンチェスター・シティー戦はファンタスティックな試合だった。(エディンソン)カバーニの活躍で俺たちは2-1の勝利をモノにしたんだ。あの試合で俺たちはビッグクラブを相手にしても対等に戦えることを証明できたと思う。ファンは最高に楽しんでくれたんじゃないかな。ファンの喜びは俺たち選手の喜びでもある。本当に素晴らしい一戦だったよ。

CL決勝トーナメント1回戦の対戦相手はチェルシーに決まった。チェルシーを下してべスト8進出を果たせる可能性はどの位あると見ている?

ラベッシ べスト16に進出するチームであれば、すべてが手強いはずだ。正直、バルセロナとレアル・マドリーを避けることができてラッキーだったと思っている。もちろん、チェルシーは多くの素晴らしい選手を抱えるビッグクラブだけど、恐怖心はない。グループリーグでシティーに勝ったことで、どこと戦っても対等の勝負ができるという自信がついたんだ。チェルシー相手にも死力を尽くして戦うつもりさ。第1戦はナポリファンの大声援に包まれたサン・パオロで絶対に勝利する。そして、その勢いのままアウェーに乗り込んで、俺たちは更に大きな喜びを手にするんだ。

監督のヴァルテル・マッツァーリはどんなサッカーを目指しているんだろう?

ラベッシ 彼のサッカー哲学の根底にあるのは「決してあきらめないこと」。彼は、試合終了のホイッスルが吹かれるまで全力を出し切るという考えをチームに浸透させたんだ。試合終了間際に同点弾や逆転弾が多いのは、彼の指導によるところが大きいね。

戦術的にはどう?

ラベッシ まず、3バックをチームに定着させた。3バックを採用しているナポリは、ヨーロッパでも指折りの優れたシステムを持っていると言えるんじゃないかな。俺たちは“死のグループ”と言われたグループリーグで、シティーやビジャレアルを倒して決勝トーナメントに進出できたんだからね。マッツァーリのおかげで戦術的に大きく成長できた。俺も以前より前線でプレーするよう指導されて、持ち味のスピードと個人技が生かせるようになった。彼が監督になって以来、俺のプレーがどんどん進化していくのを実感しているんだ。

でもナポリの選手層でセリエAとCLを併行して戦うのは、きつくないの?

ラベッシ リーグ戦ではミラン、インテル、ウディネーゼといった強敵に勝利し、現在トップのユヴェントスとも引き分けに持ち込めた。ところが、好調をキープできなかったことも事実だ。君が言う通り、セリエAとCLの両方で最高のパフォーマンスを発揮するのは難しいことだよ。CLが再開される2月中旬まではセリエAに集中できるから、この間に勝ち点を取り戻したいね。

確かに、ナポリはここまでビッグクラブ相手に健闘している一方、キエーヴォやパルマ、カターニアといった格下相手に敗戦を喫している。これはやはり戦力不足を意味するのかな?

ラベッシ 手を抜いたわけじゃないけど、思わぬところでポイントを失ったのは事実だ。やっぱりすべての試合で100パーセントの力を出し尽くすのは難しい。俺は、その原因を戦力不足でも疲労でもないと思っている。言ってみればフィジカル面と言うよりはメンタル面の問題だと思う。緊迫したビッグクラブとの大一番やCLなら良いプレーを続けられるんだけど、格下との対戦だとどこかで集中が途切れてしまうのかもしれないな。

<続きは ワールドサッカーキング 2012.02.02(No.205)でお楽しみください>

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