WSK最新号 2011月12月1日(木)発売! 『補強必要度』徹底リサーチ 特別付録:バルセロナ・オールスターカレンダー2012 |
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今年、サントスは48年ぶりにコパ・リベルタドーレスを制し、クラブ・ワールドカップ(以下クラブW杯)への出場権を獲得した。その立役者となったのが、ネイマールとガンソだ。若い2人は今、欧州中のスカウトが注目する未来のスーパースター候補である。
わずか19歳のネイマールは天才的なテクニックを持つアタッカー。そのトリッキーなプレーは同じサントス出身の先輩、ロビーニョを思わせる。一方、23歳のガンソは若さに似合わない落ち着きを備えた司令塔で、的確な判断で攻撃をコントロールし、流れるようなスルーパスで相手の急所を突く。才気溢れる新鋭コンビはサントスだけでなく、ブラジル代表にとっても貴重な存在となっている。
このコンビの“連係”の良さは、恐らく、今回の対談からも十分に伝わるのではないだろうか。明るく陽気なネイマールと、親しみやすく誠実なガンソ。お互いを「イルマォン」(兄弟)と呼ぶほど仲の良い2人のトークは、終始、和やかなムードの中で進行した。
サントスの中心となる2人に、大会への意気込みを語ってもらった。
このチームは、神のおかげでとても強いのさ!
早速だけど、これは日本の雑誌向けのインタビューでね。まずは日本のファンに自己紹介をお願いしたいんだけど、お互いに相手を紹介してみるというのはどう? 君たち2人は仲良しだからね。
ネイマール いいね、それ(笑)。じゃあ僕から行くよ。日本の皆さん、こちらが僕の親友、パウロ・エンリケ・ガンソです! ペイシャウン(サントスの愛称)が誇る偉大なマエストロ(指揮者)です!
ガンソ 日本の皆さん、彼はネイマール・ジュニア。ヴィラ(サントス)の「宝石」です!
ありがとう。それじゃ、次は君たちのクラブについて紹介してもらえるかな。
ガンソ オーケー。えーと……僕たちがプレーしているサントスは、今までに8回ブラジルチャンピオンになり、コパ・リベルタドーレスも3回制しました。そして今、僕たちは3度目の世界一を狙っています。そう、皆さんのいる日本でね!
ネイマール サントスは素晴らしい歴史を持つクラブです。そして、たくさんのクラッキ(名手)を生み出してきました。
確かに、サントスにはクラッキの伝統があるよね。
ネイマール そうさ。あの「キング」ペレのクラブなんだから。
ガンソ ペレは20世紀最高のアスリートにも選ばれたんだよ。あと、日本のみんなにぜひ知ってほしいのは、「日本のキング」もこのクラブにいたってこと。サントスはカズがプレーしていたクラブでもあるんだ。
ネイマール そして、僕たちにはムリシー・ラマーリョという素晴らしい監督がいる。彼は常に勝者だ。そして、とても誠実で優しい人間でもある。
ガンソ ムリシーは本当にサッカーに詳しいよね。彼自身がプレーヤーだったこともあって、チームに指示を与えるのがすごくうまいと思う。
ネイマール そう。僕たち2人だけじゃなく、チームの選手全員が彼を心から信頼しているんだ。彼の言う通りにすれば勝てると信じている。
今のサントスはどんなチームなのかな?
ネイマール 強いチーム(笑)。このチームは、神のおかげでとても強いのさ!
ガンソ 僕がもう少し説明しよう(笑)。僕たちはコンパクトでまとまりのあるチームなんだ。相手チームがボールを持っている時は、全員がしっかりとマークして守る。そして一度ボールを奪い取れば、リズム良く相手のゴールに向かって行くことができる。
ネイマール 守備はかなり強いと思うよ。GKのラファエウはまだ若いけど素晴らしい才能があるし、エドゥ(ドラセナ)、ドゥルヴァウのセンターバックも強力だ。アドリアーノとアロウカという2人のボランチも本当に頼りになる。
互いに「兄弟」と呼び合う2人は、ピッチ上でも息の合った連係を披露。華麗なテクニックで攻撃をけん引する
ガンソ ネイ(ネイマール)が今挙げた以外にも、僕たちにはエラーノという優れたMFがいる。あとは左サイドバックのレオも良いプレーヤーだ。
ネイマール 彼は僕たちの「おじいちゃん」だね!(編集部注:レオは1975年生まれの36歳)
ガンソ そうだね(笑)。だけどレオの経験は今のチームに必要だと僕は思う。あとはもちろん、ネイマールという世界ナンバーワンのプレーヤーもいる(笑)。
ネイマール そんなことないよ! 僕が世界ナンバーワンになるのはまだ早すぎる。でも、もし僕が世界のトップ10に入っているとしたら、そこには間違いなく、僕たちの「10番」も入っているはずさ。
ガンソ ありがとう、兄弟(笑)。
ガンソ とても重要で、とても名誉なことだ。僕はやっとケガが治ったから、絶対にまたセレソンに選ばれたいと願っている。これからはケガをしないように、フィジカルに気をつけなきゃいけないね。
ネイマール 僕にとってもすごく大切なことだよ。セレソンに入るのは、子供の頃からの夢が一つかなったということだからね。そして、この夢にはまだ先がある。
2014年のW杯だね?
ネイマール もちろんさ。僕はセレソンの一員として、どうしても自分の国、ブラジルで開催されるW杯でプレーしたいんだ。
昨年の南アフリカW杯の後、セレソンには若いプレーヤーが増えたけど、チームの雰囲気はどう?
ネイマール セレソンの雰囲気は最高だよ! 文句なしだ。
ガンソ 確かに、監督のマノ(メネゼス)は非常にうまくチームをリードしていると思う。今のセレソンは若いチームだけど、優秀で経験豊富なプレーヤーばかりだしね。
ネイマール そう。いつの時代も、セレソンに選ばれるのはみんな素晴らしいプレーヤーなんだ。だから、自分のすべてを出し切らないとセレソンには残れない。僕は常にそう思っている。
君たちはサッカー選手としては一番若い世代に属しているわけだけど、憧れのプレーヤーと言ったら誰なのかな?
ネイマール 憧れているプレーヤー? 数え切れないほどいるよ!
ガンソ 僕もたくさんのプレーヤーを尊敬している。ジオヴァンニ(昨年、サントスで引退した元ブラジル代表MF)とか、(ジネディーヌ)ジダンとか……そう、僕のスタイルは彼によく似ていると言われるんだ。あとはカカー。彼も最高のMFだと思う。
ネイマール 僕は誰か1人と言われたら絶対にロビーニョだな。昔から大ファンだった。常に僕のアイドルだったし、今でもそうなんだ。
ネイマール 意気込みはすごく大きいよ。 僕たち自身、この大会にとても期待しているんだ。トレーニングも順調にできているし、休める時はしっかりと休んでいる。これはすごく大事なことだよね。
クラブW杯のタイトルを勝ち取る上では、何が重要になると思う?
ガンソ 僕たちは1試合勝てば決勝に進めるわけだけど、だからって最初の試合で手を抜くことは許されない。初戦から僕たちらしいプレーをして、良いリズムを作りたいね。そうすれば、タイトルを取るチャンスは十分にあると思う。
順調に決勝まで進めば、バルセロナと対戦する可能性が高い。どんなチームだという印象を持っている?
ネイマール バルセロナについて僕たちがわざわざコメントする必要はないんじゃない? みんなが知っている通りさ。スーパースターが集まっている、世界最高のチームってこと。
ガンソ 同感だ。バルセロナは間違いなくスーパーチーム。だけど、サントスだってビッグチームだ。バルセロナと対等に勝負するだけの準備はできている。
ネイマール そうだね。僕たちだって、バルセロナに負けないくらい魅力的なチームだと思う。パルセロナと同じレベルとは言えなくても、かなり近いレベルにあるんじゃないかな。
大会では日本のサッカーファンに、どんなプレーを見せたいと思っているんだろう?
ネイマール アグレッシブで美しく、そして楽しいサッカー。それが僕たちのスタイルだからね。
ガンソ 日本のファンは攻撃的で美しいプレーをたくさん見られると思うよ。観客が沸く、見せ場の多い試合を期待していてほしい。
日本という国についてはどう? どんなイメージを抱いている?
ネイマール 日本人がとても親切だってことは知ってるよ!
ガンソ 日本はすごく努力する国、謙虚な国として世界中に知られているよね。たくさんのことを学び、代わりに楽しく美しいサッカーで応えたいと思う。
ネイマール 僕も。温かく迎え入れてもらえたら、僕たちも何かしてあげたい気持ちになる。
じゃあ最後に、日本のファンにメッセージをお願いできるかな。
ネイマール 日本の皆さん、サントスを応援してください!
ガンソ サントスは世界最高の選手がプレーしたクラブで、カズのように日本のプレーヤーも所属していたクラブです。心から喜んでもらえるプレーを見せたいと思っています。