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WSK最新号 2011月12月1日（木）発売! 『補強必要度』徹底リサーチ 特別付録：バルセロナ・オールスターカレンダー2012 |
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リヴァプールで大きな挫折を経験し、今年1月にドイツへと渡ったライアン・バベルは、新天地ホッフェンハイムで自らのキャリアを再び上昇気流へ乗せることに成功した。かつて「新しいティエリ・アンリ」と呼ばれた24歳のアタッカーの逆襲が始まる。
本気でアンリみたいになろうと思っていた。
君はオランダのアヤックスでデビューを飾り、イングランドのリヴァプール、そして今はドイツのホッフェンハイムでプレーしている。異なるリーグに挑戦するのはやはり難しい？
バベル プレミアリーグは難しかった。スピードが全然違うからね。サッカーのスピードもそうだけど、とにかく生活のスピードが速い。試合数が多すぎるんだ。特にリヴァプールみたいなビッグクラブだと、息つく暇もないって感じだ。僕の場合は移籍金が高かったから、最初からかなり期待されていたし。
ドイツのほうがプレーしやすい？
バベル そうだね。ブンデスリーガもレベルは高いと思うけど、基本的に1週間に1試合のペースだから。トレーニングできちんと準備できるし、コンディションも整えやすいよ。実際、ブンデスリーガは素晴らしい。どのチームも攻撃的で、ハイスコアの試合が多いのも気に入っている。
07年に加入したリヴァプールではリーグ戦91試合に出場して12得点と不発。昨シーズンは先発出場がわずか1試合にとどまった
2007年にリヴァプールへ移籍した時は大きな話題になったよね。当時、マルコ・ファン・バステンは君のことを「新しいティエリ・アンリ」と呼んだ。これはプレッシャーになっただろう？
バベル いや、あの言葉はすごく自信になった。だって、今も昔も僕のアイドルはアンリなんだから。僕は本気でリヴァプールで彼みたいになろうと思っていた。実際にはなれなかったけどね（苦笑）。
リヴァプールでのキャリアに失望している？
バベル そんなことはない。確かにリヴァプールでの僕は「新しいアンリ」じゃなかった。でも、僕はまだ24歳だ。イングランドで4シーズンもプレーして多くのことを学んだ。もう一度プレミアリーグに挑戦したら、違う結果が出せると思っているよ。
ホッフェンハイムでは1トップでプレーすることもあるけど、本当はアンリのように左サイドからゴールに切れ込むプレーが好みなんじゃない？
バベル 難しい質問だな。実を言うと、アヤックスでトップチームに上がるまで僕はストライカーだった。でも、スピードがあって仕掛けられるってことで、左サイドに移ったんだ。その時から自分のポジションはウイングだと思っていたし、ストライカーとしてのプレーを学ぶこともなかった。そもそも、あまり興味がなかったというか……。
ストライカーは向いていない？
バベル まあ、エゴイスティックでゴールだけに喜びを見いだすような、いわゆるストライカーのメンタリティーはないね。ゴールは好きだけど、その前に僕はチームプレーヤーなんだ。今だってそうだよ。1トップだけじゃなくて右サイドもやるし、中盤もやる。アタッカー全員がポジションを入れ替えながら流動的に動くんだ。それがホッフェンハイムのスタイルなんだけど、僕にはすごく合っていると思う。
選手がポジションを入れ替えるのは、君が育ったアヤックスのスタイルでもある。アカデミーで学んだことが役立っているわけだ。
バベル その通り。才能ある選手にとって、アヤックスのアカデミーは最高の環境だよ。スキルだけ磨けば誰でもサッカー選手になれるってわけじゃない。精神的な強さとか、戦術に適応する力だって重要だ。アヤックスはそういうものを全部与えてくれた。
育成という面では近年のドイツも目覚ましい成果を上げているよね。
バベル ここ数年で、ドイツサッカーが魅力的になってきたことは間違いない。僕がユース時代に対戦したドイツと言えば、みんなフィジカルが強いだけで、テクニックは大したことなかったんだけど。でも、今のブンデスリーガはヨーロッパのトップ3に入ると思う。
クラブの目標達成に貢献したい。
今シーズンからホッフェンハイムを率いるシュタニスラウスキはすべての選手から慕われる人格者
ホッフェンハイムのホルガー・シュタニスラウスキ監督はどんな指揮官なの？
バベル 「サッカー人生で最高の出来事は何か？」と聞かれたら、僕は迷わず「シュタニスラウスキに出会ったこと」って答える。監督としても、一人の人間としても最 高の人物なんだ。彼は誰にでもオープンで、選手とたっぷり会話する。出場機会があまり与えられていない選手ですら、彼とはいい関係を築いているよ。だか ら、僕らは全員、監督が自分に何を望んでいるか分かっている。素晴らしいことだと思わないかい？ 本当はすべての監督がそうすべきだよね。
プレーヤーとして君にとっての次のステップは？
バベル 今はすごく調子がいいし、自信も深まってきている。この状態をできるだけキープして、ファンにいいプレーを見せたい。ホッフェンハイムはヨーロッパカップ戦への出場を目指しているから、その目標達成に貢献したいね。
オランダ代表としては？ 南アフリカ・ワールドカップでずっとベンチに座っていたのは悔しかったのでは？
本人が「すぐにチャンスがくる」と語っていた通り、バベルは11月のスイス戦で代表に復帰。キレのあるプレーで高い評価を得た
バベル オランダの選手はみんな代表でプレーするのが夢だ。特に今の代表はすごくいいサッカーをしているしね。もちろん僕も代表に戻りたいと思ってる。でも、焦ってはいないかな。このままの状態をキープできれば、すぐにチャンスはくると思う。
君はツイッターで問題発言をつぶやいて何度か話題になった。今までで後悔したツイートはある？
バベル あるよ。ツイッターは危険な道具だ（笑）。特に感情的になっている時はね。最初の失敗はリヴァプール時代、アウェーのストーク戦でメンバーから外された時 だ。（フェルナンド）トーレス、（スティーヴン）ジェラード、（ヨッシ）ベナユンがケガで離脱していて、チームはピンチだったのに、僕はベンチにも入れな くてね。で、「こんなの理解できる？」ってツイートして、ファンに意見を聞いてみたんだ。
その結果……。
バベル 君も知っての通りだよ。15分もしないうちに、スカイスポーツのサイトに「バベルが監督を批判」っていうニュースがアップされた。チームには余計なプレッシャーが掛かり、試合には負け、僕自身も気まずい思いをしたってわけさ（苦笑）。
最後に一つ聞いておきたい。君のファンは今後、「ラップ・ミュージシャンとしてのライアン・バベル」に期待していいのかな？
バベル ハハハッ。シリアスに考えすぎだって。曲と言っても、07年と08年に何曲か発表しただけなんだから。
じゃあ、音楽活動は……。
バベル もう第一線は退いた。今は「Spece Trak Entertainment」というレーベルを作ってアーティストをサポートしてるよ。でも僕がサッカーに100パーセント集中してないって思われるのは 嫌だな。音楽は好きだけど、ただオフを利用してやってるだけなんだから。他の選手がパーティーに行ったり、スポーツカーを買ったりする代わりに、僕は音楽 を楽しんでいるだけなんだ。
「補強必要度」徹底リサーチ
2011年12月1日（木）発売今号の特集は、「補強必要度」徹底リサーチ。冬の移籍市場開幕まであと1カ月を切りましたが、1月の移籍を最初から強化計画に組み込むクラブはそう多くはありません。
冬の移籍は通常、チームの課題を修正し、弱点を補う目的で行われます。となれば、移籍市場の動向を読むために必要なのは、序盤戦で見えた事実を洗い直 し、各クラブの戦力を正確に測ることです。今回は、主要13クラブの戦力を徹底的に分析し、「補強必要度」をリサーチしました!!
また、特別付録にバルセロナの選手が登場するWSKスペシャル・カレンダー「バルセロナ オールスター2012」が付く豪華仕様!! この機会にぜひゲットしてください!!（編集部）
