2011.12.03

【インタビュー】フェルナンド・トーレス「復調を信じて」

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フェルナンド・トーレスはいまだ、かつての輝きを取り戻せていない。しかし彼は周囲の批判を遮断しながら、復調した自身の姿を頭の中に描いている。ポジティブな意志に満ちた発言が、トーレスの明るい近未来を予見する。
トーレス

インタビュー・文=アンディ・マレイ 翻訳=町田敦夫 写真=フォトスポーツ

 我が子の誕生、職場代え、そして引っ越し……。フェルナンド・トーレスはそんな人生の一大事を、短期間で立て続けに経験してきた。それも、周囲から向けられる刺すような注目の中でだ。プレミアリーグ史上最高額となる5000万ポンド(約67億円)の移籍金を積まれながら、最初の半年間で1ゴールしか挙げられなかった彼には、これも仕方のないことだったのかもしれない。

 チェルシーの背番号9は、142試合で81ゴールを記録したリヴァプール時代の調子を取り戻してはいない。第12節終了時点で2得点という成績はトーレスにとって信じ難い事実だ。彼は今、理想とするプレーを見せることができていない現実にもがき苦しみながらも、この状況がキャリア最大の試練だということを自覚している。そして、この苦悩の先に確かな成長があることを固く信じて前に進もうとしている。

 クラブのトレーニンググラウンドで彼がボールを蹴り始めると、周囲のフェンスにはスーパースターを一目見ようとする子供たちが群がる。本人が語る通り、ファンの熱い視線は今でもトーレスに注がれている。ロンドンでの新生活に慣れるまで若干の時間が必要だったが、新たな環境にもすっかり溶け込んだ。何年かぶりに休息十分のオフを過ごし、故障なしでシーズンインした27歳のストライカーは、世界を震撼させたかつての自分をいち早く取り戻そうと躍起だ。母国語のスペイン語で行われた今回のインタビューに、彼は率直かつ熱心に答えてくれた。ここで発せられた言葉には、自身の復調への確信がはっきりと見て取れる。

僕は自分の完全復活を確信しているし、障害は何もないね

今シーズンのここまでのプレーをどう自己評価している?

トーレス 昨シーズンはいろいろあって大変だったけど、今年はいい夏が過ごせた。5年ぶりに完全にサッカーから離れ、バカンスらしいバカンスを取れたからコンディションは万全なんだ。シーズン前にいいトレーニングもできたし、以前の自分を取り戻せた気がするよ。ここまでは周囲が言うほど悪くないと思っている。もちろん改善すべき点や課題は多いけど、全体としては新たな環境での生活に満足しているんだ。僕は自分の完全復活を確信しているし、障害は何もないね。

ストークとの開幕戦でのパフォーマンスを見て、多くの人が「以前のトーレスが戻ってきた」と感じたようだ。

トーレス 「以前のトーレス」はもともと消えてなんかいない。開幕戦でのパフォーマンスはほんの始まりにすぎないと思っているよ。ひざの手術やワールドカップ、そして難しかった昨シーズンを乗り越えて、今は気持ちが大きく上向いているんだ。

ロンドンでの生活にはもう慣れた?

トーレス 実を言うとこの町に慣れるのには相当、苦労した。ロンドンでの暮らしはリヴァプールとはかなり違ったからね。どちらも英国の都市だから大して違わないだろうと思っていたんだけど、落ち着くまでには時間と労力が必要だったよ。でも、今は家族と一緒に暮らせているからメンタル面も万全だ。僕はサッカーのことだけを考えればいいわけだからね。

チェルシーへの移籍後、最初の23試合で1ゴールというのは君にとって到底満足できる数字ではないよね?

トーレス もちろん満足なんてしてない。でも、物事は常に順調にいくとは限らないんだ。猛練習して早く以前のレベルに戻りたいよ。そうなれば自然とゴールが生まれ、結果もついてくるはずさ。そうなって初めて、僕は新たな目標を自分に課すことができるんだ。

点が取れないストライカーには当然、ファンやメディアからの批判が高まる。これにはイライラすることも多いのでは?

トーレス ファンやメディアから批判を受けるのはある程度仕方のないことさ。批判されるのは、僕がこれまでのキャリアで常にゴールを挙げてきたからこそだと思う。そもそも、周囲の評価なんてあまりアテにならない。だって、決して僕のベストゲームとは言えないストーク戦で、驚くほどの称賛を集めてしまったんだから。同じような出来の試合は昨シーズンもいくつかあったっていうのにね。

プレッシャーに押し潰されそうになったことはない?

トーレス チェルシーに来た直後、周囲の期待はすさまじかった。リヴァプール時代と同じだけのゴールを当然のように求められたからね。ストライカーというのは、点を取らないとチームへの貢献度がゼロだと見なされてしまうことが多い。途中交代でもされようものなら、たとえ現実はそうでなくても出来が悪かったと見られるんだ。でも、そういう要求や期待は僕のキャリアには付き物だ。いつだってチームメートより大きなプレッシャーを受けてきたからね。僕は、そんなことで押し潰されるような選手じゃない。

君を批判してきた人たちの意見は正しかったと思う?

トーレス 正しいとか間違っているとか、そういう問題じゃない。どれもただの意見だよ。繰り返すけど、僕がそういう批判に影響されることはないんだ。メディアの意見によって何かを学ぶことも、奪われることもない。僕が重視するのは監督やチームメート、それと自分自身の意見だけさ。

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