2011.11.27

J1王者は最終節で決定、3クラブの優勝条件と3監督が描くファイナルのシナリオ


[写真]ストイコビッチ監督=足立雅史、ネルシーニョ監督=野口岳彦、西野監督=安田健示

 11月26日のJ1第33節、優勝の可能性を残す3クラブがホームでの最終戦を迎えた。

 初のJ1優勝を目指す柏はC大阪と1−1のドロー、2位・名古屋は山形に3−0、3位のG大阪が仙台に1−0の勝利を収め、3強がさらに接近。優勝争いは12月3日の最終節へと持ち越された。

 勝ち点69の柏は埼スタでの浦和戦に勝利すれば、他2チームの結果にかかわらず優勝が決定。引き分けでも、名古屋とG大阪が引き分け以下なら初のJ1王者に輝くことができる。

 勝ち点68で2位につける名古屋は新潟戦に勝って、柏が引き分け以下なら優勝。引き分けた場合は、柏が敗れてG大阪が引き分け以下なら、得失点差で柏を上回ってJ1連覇が決定する。勝ち点67の3位・G大阪は、清水戦に勝利し、柏と名古屋がともに引き分け以下なら、柏を得失点差で上回り逆転優勝。最終節は、3チームがともに敵地での戴冠を目指す。

 柏のネルシーニョ、名古屋のドラガン・ストイコビッチ、G大阪の西野明、J1王者を目指す3人の指揮官は、ホーム最終戦でどんな手応えをつかみ、最終節に挑むのか。その言葉には、それぞれが思い描く最終節のシナリオが秘められている。

■ネルシーニョ監督/柏
第33節、C大阪戦についての見解は?
「非常にモビリティを競い合った難しいレースでした。前半は相手の中盤から前の動きだしや質についていくことができず、なかなかうまくはまらなかった。選手たちの勝ちたいという気持ちが強すぎて、ルーズになっていたのかと思います。ハーフタイムにはその点を修正しました」

「後半、徐々に相手のスペースを消して、交代選手も良い役割を果たしてくれた。守備を安定させ、攻撃もカウンターを発動させてくれた。その結果、非常に大きな勝ち点1を手にした。埼玉へ行ってチャンピオンを決めるための第一歩となる大事な勝ち点だった」

最終節、浦和戦への意気込みは?
「最初から埼玉で戦うことは決まっていますから、今日が勝ち点1であれ、何も変わりません。チーム全員の気持ちが原動力だと思っています。みんなが気持ちを一つにする姿勢です。最終節は勝負にこだわった試合になる。必要な回復を選手に与えて、準備を怠らないようにしたいと思います」

■ドラガン・ストイコビッチ監督/名古屋
第33節、山形戦についての見解は?

「まずは選手たちに『おめでとう』という言葉を送りたい。今日の1勝はとても大きかった。予期したとおりの結果になった。最初の1点は、(ジョシュア)ケネディが素晴らしいゴールを決めてくれた。それから我々がゲームをコントロールし、良い形に持っていけたと思う。私としても今日のゲームの勝利はうれしいし、我々のメンタリティがしっかりと出せた」

「(後半、金崎夢生)と三都主(アレサンドロ)を入れた意図は)3-0になった時点で、ほぼゲームを決定づけられたと感じたので、後半に2人同時に代えたが、ある程度のペースダウンとなった。交代には2つの理由がある。1つは先発したメンバーのけがを避けるため、2つ目はディフェンスの阿部(翔平)、田中(隼磨)、増川(隆洋)がイエローカードがたまっていたため、もう1枚もらってしまうと次のゲームに出られない。そのことも考慮して交代をさせた」

最終節、新潟戦への意気込みは?
「けが人もなくカードをもらうこともなく、勝ち点3を取れたことはとても良かった。次の新潟戦は、内容もハードになると思うし、我々もチャレンジしていかなくてはいけないゲームになる。最後に良いゲームをしたいし、私たちのポリシーである強いメンタリティ、最後まで諦めない強い精神力を持ってしっかりと戦いたい。グランパスが今年発揮している強さが出れば、ラストゲームもうまくいくと思う」

■西野朗監督/G大阪
第33節、仙台戦についての見解は?
『最終節まで可能性をつなげたい、その思いだけで全員で戦った試合。非常に厳しい試合でした。タフな仙台の堅守を相手に、攻撃陣がどのくらい通用するのかと積極的に対応をさせたつもりですが、それ以上に強固なディフェンスから攻撃という、全員がタフな仙台に苦しめられました」

「仙台のディフェンスの仕方はとても緻密だったと思います。単に自陣にリトリートしてブロックを作って、そこで入って来たボールをどこかのラインで防ぐ、というだけでなく、守備意識が瞬間的にものすごく入ってくるときと、我々にボールを持たせてもOKというディフェンスがありました」

「結果的に、相手の守備をこじ開けた1点を全員が逆にしっかり守ったという感じがします。ですが、たがが1点とはいえ、仙台から奪えた1点だったからこそ、勝ち点3以上の評価をしたいと思いますし、本当に選手が勝負に執着して戦ってくれたことをうれしく思います」

最終節、清水戦への意気込みは?
「最終節にいろいろな可能性が出て来たので、最終節は思い切り、総力戦で戦いたい。(優勝した)2005年も、終わった瞬間に可能性が残っていれば勝つ価値はあるなと思っていたし、緊迫感のある中で、やれるという選手の顔もあった中で、実際に結果を出して優勝を達成できましたから。可能性のある3チームとも、どこかがアドバンテージを持っているとは思えないし、みんなに同じ可能性があると信じて臨みたいと思います」

 ネルシーニョ監督は「チーム全員の気持ちが原動力」だと語れば、ストイコビッチ監督は「最後まで諦めない強い精神力」と「メンタリティ」を強調した。西野監督が「同じ可能性がある」という最終節は、12月3日の15時30分にキックオフを迎える。

◇柏のメンバーの思いは?
・レアンドロ「最後は勝ってタイトルを手にしたい」
・田中順也「浦和戦は重圧をはねのける強い気持ちで」

◇名古屋のメンバーの思いは?
・楢崎「優勝争いの緊張感を味わえて嬉しい」
・闘莉王「ネジを巻きなおして最後に勝つだけ」

◇G大阪のメンバーの思いは?
・遠藤「優勝かかる最終節もいつも通り」
・イ・グノ「最終節で勝って結果を待つだけ」

【浅野祐介@asasukeno】1976年生まれ。『STREET JACK』、『Men's JOKER』でファッション誌の編集を5年。その後、『WORLD SOCCER KING』の副編集長を経て、『SOCCER KING(@SoccerKingJP)』の編集長に就任。『SOCCER GAME KING』ではCover&Cover Interviewページを担当。