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サッカーキング統括編集長の岩本義弘が選ぶベストイレブン、滲み出るセリエA愛と熱き三国志への思い

2015.06.02

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【欧州ベストイレブン】岩本義弘が選ぶブレイク枠、セリエA枠、ローマ枠… 偏り避けてもやっぱりセリエA !?

文=岩本義弘

 今シーズンの欧州チャンピオンズリーグ・ベストイレブンということで、選手名鑑とにらめっこしながら選んでいたら、全員セリエAの選手になっちゃいまして、編集部いわく、「それだとさすがに統括編集長として偏りありすぎです」ということなので、渋々、ある程度散りばめてみました。おれもフモフモ編集長くらい自由に選びたかったなー。

■フォーメーション:4-3-3
FW:クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)、カルロス・テベス(ユヴェントス)、ネイマール(バルセロナ)
MF:ポール・ポグバ(ユヴェントス)、ミラレム・ピアニッチ(ローマ)、アリエン・ロッベン(バイエルン)
DF:マルセロ(レアル・マドリード)、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)、レオナルド・ボヌッチ(ユヴェントス)、ブラニスラヴ・イヴァノヴィッチ(チェルシー)
GK: ジャンルイジ・ブッフォン(ユヴェントス)

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[写真]=Getty Images

 GKは文句なしでブッフォン。いや、他にも(マヌエル)ノイアーとか、(ダビド)デ・ヘアとかいますよ? でも、今シーズンに限っては間違いなくブッフォンでしょう。あのベルリンのスタジアムで、ブッフォンが再び頂点をかけてピッチに立つ。それだけでテンション上がっています。

 センターバックはセルヒオ・ラモスとボヌッチ。セルヒオ・ラモスは年々うまくなっているところを評価。タレント軍団のまとめ役としても順当な選出でしょう。ボヌッチはセリエA枠で押し込みました。でも、あの頼りなかったボヌッチが、だいぶ頼もしくなったものです。左サイドはマルセロ。元気良くて好きです。右サイドはイヴァノヴィッチ。不器用そうなのに、時折見せるテクニカルなプレーがツボです。

 中盤の3人も悩みに悩みましたが、よい選手はたくさんいすぎるので、組み合わせや細かいポジションはスルーして、もう好みで。ポグバは今シーズンのブレイク枠。ここ数年、ずっとブレイクすると言われ続けていましたが、ついに本当にブレイクしました。まだ若干22歳ながら、C・ロナウドの移籍金記録を抜くんじゃないかとか、移籍市場でも話題を振りまいてますが、とにかくスケールが大きい選手。オフ・ザ・ボールの質を上げれば、いつの日か、バロンドールも夢じゃないでしょう。

 ピアニッチはセリエA枠。というか、ローマ枠です。CLこそ、残念な結果に終わったローマですが、セリエAで2位フィニッシュし、来シーズンもCL出場権を獲得しました。そのローマで、トッティから“ファンタジスタ”の後を継ぐ(はず)なのがピアニッチ。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表としてワールドカップでも存在感を発揮した25歳は、来シーズン、さらなる飛躍を遂げるはずです。中盤のもう一人は悩んだ末にロッベンをセレクト。けがによる離脱はもはやデフォルトとなってますが、ロッベンのけががなければバイエルンが連覇しただろうと思うほど、今シーズンのパフォーマンスも圧巻でした。

 FWでは、テベスはセリエA枠。実際、テベスがいなければ、ユーヴェは決勝ラウンド進出すら難しかったと思うので、久しぶりに決勝までいったユーヴェのエースに敬意を表して選んでおきます。残り2枠を、C・ロナウド、ネイマール、(リオネル)メッシ、(ルイス)スアレスといったメンバーから選出しなければならないという、どう考えてもムチャな話……。まず、C・ロナウドは選出。理由は一人で点の取れる選手なので。他の選手は組み合わせ等により、パフォーマンスが大きく異なりますが、C・ロナウドだけは別格。

 最後の一人は悩みに悩んだ末に、ネイマールを選出。今シーズン、歴代のバルセロナの中でも図抜けた破壊力だった攻撃陣ですが、メッシ、ネイマール、スアレスという個性あふれるメンバーを機能させたのは、ネイマールの“笑顔”があったからこそではないかと。誰かが点を取るたびに、笑顔で肩を組んでゴールを祝福する。常にその笑顔の輪の中心にいたネイマールがもたらしたものは、彼のプレー以上に大きな意味があったと思います。

【なんでもベストイレブン】群雄割拠を生き抜け、岩本義弘が選ぶ三国志ベストイレブン

「なんでもベストイレブン」ということで、今回は最も思い入れのある文学作品である『三国志』から、ベストイレブンを選んでみた。ちなみに、『三国志』には大きく分けると正史としての『三国志』と、歴史小説としての『三国志演義』があり、そこから派生して、数えきれないほどの『三国志』が存在するのだが、そこに触れだすととんでもないことになるので、あえてバッサリ省かせてもらう。ちなみに、自分にとっての『三国志』とは、物心ついた頃から読んでいる吉川英治の『三国志』であり、大学の卒論テーマは、「『三国志演義』と吉川英治『三国志』の違いから見る、日中文化の違いについて」である。

■フォーメーション:4-2-3-1
FW:呂布
MF:馬超、曹操、周瑜、陸遜、諸葛亮孔明
DF:張飛、関羽、典韋、張遼
GK:趙雲

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[イラスト]=森翔悟

 というわけで、さっそく三国志ベストイレブンの選定に入る。システムは4-2-3-1。GKは趙雲。五虎大将軍にまでなったその武力を考えると、GKという守備に専念するポジションはもったいない気もするが、長坂の戦いで劉備の子・阿斗を抱えながら守りきったことや、その後も重要な撤退戦で、見事すぎる働きを見せて、劉備をして「子龍は一身これ胆なり」と言わしめたメンタルの強さも含め、守護神向きだろう。

 ディフェンスラインは、右から張遼、典韋、関羽、張飛の攻撃的な4バック。センターバックの2人は圧倒的な武力を誇りながら、忠誠心も厚い。関羽が義の人であることは広く知られているが、典韋も相当なもの。曹操のボディーガードでもあった典韋は、彼の最後の戦いであった張繍との戦いで、身体を張って曹操を逃がし、その後も奮闘するも、最後は全身に矢を受けながらも最後まで倒れることなく、目を見開いたまま息絶えるという死にざまは、まさに忠義の人。左SBは、マルセロ(レアル・マドリード)っぽい雰囲気もある張飛。当然、考えなしにオーバーラップしてしまうタイプだが、そのフォローは義兄弟の関羽が。右SBは、攻撃的な張飛とのバランスを考えて、知性もある勇将・張遼を。

 ダブルボランチは、諸葛亮孔明と陸遜の夢のコンビ。三国志時代を代表する軍師である二人は、武力こそ劣るものの、それを補って余りあるほどの戦略・戦術家。諸葛亮に関しては、改めて説明する必要はないだろうが、個人的には、諸葛亮のすごさにワクワクしながら、何度も何度も読み返した小学生時代を思い出して懐かしい。諸葛亮のパートナーは、魏の軍師、司馬懿仲達も考えたのだが、諸葛亮へのライバル心が強すぎてバランスを崩しそうなので、却下。陸遜は、蜀を破った夷陵の戦いを始め、守りを固める戦いの時によりその能力を発揮した点も、ボランチとしてプラスに働くと判断する。

 現代サッカーの花形である左アウトサイドには、“錦馬超”(きんばちょう)として称えられている蜀の五虎大将軍の一人、馬超を。たった一人で曹操軍を蹴散らして曹操を追い込む突進力は、アウトサイド向きだ。右アウトサイドは、バランスを見て周瑜を配置。曹操や劉備からも恐れられる才能の持ち主だった周瑜は、武力・知力はもちろん、酒宴では深酒していても演奏のわずかなミスに気づいたというエピソードの持ち主。左サイドに突進型の馬超を置いたので、右サイドには天才肌の周瑜を配置。

 トップ下には曹操。一国の宰相でありながら、武芸にも優れ、政治面だけでなく、実戦においても優れた戦略家・軍略家であった曹操こそ、三国志のトップ下にふさわしい。また、自身も優れた詩人であったことから才を愛する一面もあり、こういう意外性も相手守備を崩すのに役立つはずだ。

 最後にワントップ。ここは呂布で決まり。名馬・赤兎馬を所有していることから、アウトサイドでの起用も考えたが、チーム全体の攻撃を最大化することを考えると、やはり、ワントップに置くべきだろう。一騎で数万人の敵を蹂躙した後に、さらに張飛と互角に打ち合い、そこに関羽・劉備が加わってもなお持ちこたえた圧倒的な武力と、誰の部下にも収まらない強い個性、情に熱い人間性を持つ呂布は、まさに“三国志界のイブラヒモヴィッチ”である。

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